秋葉原の事件に関して書かれたWEB上の記事を、調べてみました。
ここでは、ゲーム等のサブカルチャー、あるいはインターネットに言及していたり、「識者」と呼ばれる人のコメントが載っているものを、ピックアップしました。※ゲームという単語が入っているものも貼ります。「ゲームのような」、というアナロジーを用いて犯人の心理を推測している記事もありました。
新聞社の記事なので、その内削除されるものもあると思います。
○社説 - [秋葉原通り魔]動機の解明を急ぎたい : 南日本新聞
さらに、インターネットの携帯電話サイトの掲示板に犯行を予告する書き込みをしていたという。その内容は「途中で捕まるのが1番しょぼいパターンかな」などとゲームを楽しんでいるようだ。人を殺すことへのためらいがまるで感じられない。
自身の状態をゲームに擬えていた、というのはあるかも知れない(単なるアナロジーだから)。だが、「ゲームを楽しむ」というのと同様の心情であっただろうか。
○福井新聞 - 論説(6/10分を参照)
仮想現実と孤独がミックスしたような世界で現実とのギャップを感じたとき、私たちが想像もできない行動に出る。
意味がよく解らない。
○福井新聞 - 越山若水(6/10分を参照)
最近相次ぐ無差別殺人に、生身の命とゲームの命の区別も付かないのかとがく然とする。
区別がつかないのに、何故生身の人間を狙うのだろうか。違いが判別出来ない、というのでは無く、重み付けの話か。
○東京新聞:現実の世界で生きているようで、実は携帯サイトの掲示板の世界…:社説・コラム(TOKYO Web)
匿名化を広範に許すネット社会では自分の行為に対する倫理的判断が麻痺(まひ)状態になる。作家の柳田邦男さんはこう分析している。思いやりの心の摩耗と言ってもよかろう。自分はどうか。心に尋ねている。
この文脈で匿名性云々を出す意味が解らない。
○福島民報 | 論説・あぶくま抄:無差別殺傷 動機解明を(6月10日)
子どもはテレビゲームでの殺傷場面に慣れ親しむあまり、仮想現実と現実との区別がつきにくくなるケースもあるという。
ケースもあるという、とする根拠は? その前に、仮想現実と現実との区別がつきにくいというのは、どういう状態なのだろうか。本当に虚構と現実の区別がつきにくいという状態なら、全く文脈が異なってくるはず。
○さきがけonTheWeb|北斗星(6月10日付)(秋田魁新報社)
▼凶器はダガーナイフだった。ダガーとは英語で「短剣」を意味する。過去に欧米で決闘用に使われ、アニメゲームにも頻繁に登場する武器という。男がアニメマニアだったかどうかは不明だが、どこかおぞましいものを感じる
アニメやゲームに頻繁に登場する、と言い切れるかも疑問だが、「男がアニメマニアだったかどうは不明」というのは何を意味するのか。そうだったと判明した場合、アニメやゲームと凶器の選択が密接に関連していた、という事か。
○【秋葉原通り魔事件】凶器のダガーナイフ 高い殺傷力 - MSN産経ニュース
ダガーナイフは、有名なゲームソフト「ドラゴンクエスト」などにも“アイテム”として登場、ゲーム好きの面を見せる加藤智大容疑者(25)をひきつけた可能性もある。
ダガーと聞いて『ドラゴンクエスト』を思い浮かべる人が多いほど、当該ゲームにおいて「ダガー」などという語は頻出しないと思われる。出てくるだけでよいのなら、無数のゲームが挙げられる。そもそも、『ドラゴンクエスト』では、武器のグラフィックはほとんど登場しない。武器の構造的な特性も同様。
※他ページからのリンクは、「【秋葉原通り魔事件】凶器のダガーナイフ ドラクエの“アイテム”にも」となっている。
○「ダガーナイフ」銃刀法改正も検討へ : 秋葉原無差別殺傷 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で使われた「ダガーナイフ」は、人気ゲームで主人公が使う武器として登場するなど、若者の人気アイテム。
ダガーというゲーム中のアイテムが人気なのか、実際のダガーナイフが人気なのか。人気だからダガーがゲームに使われるのか。ゲームに使われているから実際のダガーナイフも人気なのか。そもそも、ゲーム中で注目されるアイテムとしてダガーが位置付けられているなど、ゲームユーザーの立場からすると全く考えられないし、聞いた事も無い。若者にダガーナイフが人気だという話も初めて目にした。
人気ゲームで使われている=それ自体が人気 には全くならない。
文章が読解不能。
○asahi.com(朝日新聞社):使用ナイフは人を刺す武器用 規制は一部 秋葉原殺傷 - 社会
ゲームでも武器として登場し、若者にも人気がある。
読売の記事と同様。「人気」とはどういう概念なのか。
○ZAKZAK(夕刊フジ)
秋葉原無差別殺人、男の素顔…ロリコン、スピード狂
秋葉原無差別殺人男のオタク執着…独特のこだわりも
アニメやゲーム、オタク等の言葉をネガティブな印象に誘導している。情報として書くべきものなのか疑問。
凶器のナイフ6本所有…福井市の軍用品販売店で購入
ダガーナイフは、中世ヨーロッパの騎士が身につけていた両刃のナイフ。俗に言うドスなどに近いサイズ。大ヒットゲーム「バイオハザード」で敵キャラを倒す武器として登場。キャラクターの成長を楽しむロールプレイングゲームの草分け「ドラゴンクエスト」では、ゲーム内の仮想ショップで自由に購入できる。
加藤容疑者が犯行当日に友人に送った萌え系ロールプレイングゲームにもダガーナイフに似た両刃のナイフが登場していた。
ゲーム内だから「仮想ショップ」なのは当たり前。そもそも、ゲーム内の店で武器が購入出来るなど、大部分のRPG(ロールプレイングゲーム)に共通している事だ。意味不明な言葉の使い方。
萌え系のRPGとは何だろうか。「ダガーナイフに似た」、とすれば、どうとでも言えるのでは。諸刃の短剣ならば、全部似ていると言える。鞘付きの短剣等は、よく出てくる。
「自己愛強すぎる」加藤容疑者“心の闇”専門家が分析
秋葉原殺人男“女”と劣等感「幸せ者は死んでしまえ」
少ない情報から犯人の心理状態・精神構造を論じている。推測の域を出ない。心理臨床においては、様々な検査・面接等の方法を組み合わせて用いて対象にアプローチしていく。それも、妥当性や信頼性を科学的な手続きによって確認した方法によって、である。
このような、「識者」による心理の分析もどきが、果たしてどれほど有用なものとなるだろうか。ある特徴を持っている人が何かをしたとして、その特徴を持っている全ての人がそうである、とはならない。また、「何かをした」のはその特徴を持っているからだ、と断定は出来ない。
こういった分析は、様々な前提・仮説が全て正しい場合に成り立つ推測であって、それ以上のものでは無い。偶然当たる事もあるし、全く合っていなくとも、情報が少なかったという言い訳が出来る。
本当に真摯に考える人ならば、「情報が少なくて何も言えない」、となるはずだろう。「ネット事情に詳しいジャーナリスト」が、何故精神分析のような発言をしているのだろう。
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