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2011年12月 1日 (木)

情報求む――患者調査において、「宮城県の一部地域及び福島県の全域について調査を行わない」事について

厚生労働省における東日本大震災の対応状況(PDF)

ここにある、患者調査において、「宮城県の一部地域及び福島県の全域について調査を行わない」事について、詳しい理由をご存知の方がおられたら、教えて頂けないでしょうか。調べても見つからないのです。

どうしてそれを知りたいかと言うと、この情報に基づいて、政府は重大な病気に罹った人が増加しているのを隠そうとしているのではないか、と主張している意見が今ちらほら見られるため。
こういうのは、直感的な印象に基づいてものを言っては危険で。もしかすると、自分では気付けない合理的な理由によって決められた事かも知れない、というのを念頭に置いておくべきでしょう。

今twitterをリアルタイム検索すると(例:「患者調査 福島」の検索結果 - Yahoo!検索(リアルタイム) )、数件見られる程度ですが、この種のものは、いつのまにか爆発的に広まっている事があるので。疑問に思われるものがあれば、早めに検討しておくに越した事は無いでしょう。

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「社会論」カテゴリの記事

コメント

おひさしぶりです。解ってる立場からというのでなく参考意見ですけど、なんのための調査か、という事と調査の枠組みが残っているか、という事をそれぞれの調査で確認してみたら話は早いかと思います。
阪神淡路の時も兵庫県を抜かしたりしていましたよね。

投稿: ちがやまる | 2011年12月 1日 (木) 16:24

ちがやまるさん、今晩は。

この話の関連で、医師会と厚労省に問い合わせた、というのがあったのですね。で、そこでの厚労省の説明として、被災地だから、というのがなされたと書いてありました(それ自体の信憑性をあてにしていないのでリンク張りませんけれど、リアルタイム検索で貼ってあるのがそれ)。

で、それ自体は、そういう事から調査しないのは納得出来る訳なのですが、その事を、「政府が隠蔽したいから」という理屈に結びつける人が見られるので、ならもう少し詳しく事情説明した文書なりはないものか、と考えた次第です。そういうのがあれば、拡散されそうになったとしても、ここにちゃんと説明あるよ、と素早く示せるでしょうから。

どんなものを出そうが猜疑を消せない人はいるでしょうけれど、情報によっては納得する事もあるだろうから、公式に何かあればいいかな、と。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 1日 (木) 18:13

ちなみに、twitter上で現在進行形なのが、福島原発の吉田所長が大量に吐血した、というソース不明の噂が出回っている事。

この種の連鎖・波及は厄介なものですね。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 1日 (木) 18:18

twitterはそういうところがありますよね。私も去年くらいだったか、ジョニーデップが交通事故で急死という発言が厖大にされてるのを見て、本当かと思ったことがありました。今はその手の話には免疫ができてます。つまり、私は有名人の動向について他人にさきがけて判断を下す必要はないのです。

厚労省所管の調査についてのとらえ方にも、基本的な態度というのがあるんでしょうね。それぞれ、何を目的にどんなことを調べ、その結果がどうなっているかについては厚労省のウェブページでも公表されているわけですよね。
それを見て、普段ならどんな事が読み取られているのか、仮に調査が行なわれたとしてそこに震災の影響があったとすると大体どんな結果になるだろうか、その結果には使い道があるだろうか、くらいは考えられるようになっていたいですよね。それは実は私たちが小学校や中学校の社会科で習っていることのような気がします。

投稿: ちがやまる | 2011年12月 1日 (木) 19:26

以前には、ドラえもんの声優が交代か、というガセネタもありました。これなどもいかにも尤もらしい話で、TL上で流れているのを見たのですね。私も、え?となったのですが、さすがに元の役者に戻るのは……と思ったので、公式サイトを見たり検索したりして、それが以前よりあったガセネタだと知ったのでした。

実際問題として、1秒でも早くtwitter上で広めるべき情報、というのはそうは無いのだし、オフィシャルなものを調べるまでしなくても、広める前に数十分くらい置く、程度の事をするだけでも結構違いますよね。

各種調査についても、まず調査目的等を確認する事が先決ですね。
ただ、公式のものを見つつも、直観を補強するような情報のみ重要と捉えて補強の材料に使う、という心理もあるのだと思います。これは社会心理学の領域でしょうけれど。

まあ、こういう人には何を言っても無駄でしょうが。
https://twitter.com/#!/fuuasumma/status/142078081467826176

投稿: TAKESAN | 2011年12月 1日 (木) 19:50

管理人さま

いつも冷静で、それでいて健全な批判的な視点を失わない文章を書かれるかただな、と拝見しておりました。

この件について詳しいわけではないですが、私も触発されて調べてみました。

http://www5.cao.go.jp/statistics/report/22followup/22followup_2.pdf

この文書のp3にこのように書いてあります。

「東日本大震災後の統計調査の在り方について、調査を実施することが極めて困難になっている地域があることを踏まえた対応をする必要がある」

被災をされた地域では、病院も体制が整わず忙しいと聞きます。
そのような中で、日常の仕事だけでも忙しく、不自由も多々あるであろう被災地の方がたに、大量の調査をすることは問題だというのが政府の考え方なのだと思います。

このような配慮すら、浅はかな人には「陰謀」に見えるのかもしれませんが、現地の方が大変な状態であるのに官僚主義的に毎年と同じ調査を求めるような杓子定規な対応をとらなかった政府の態度のほうがまともと思います。

投稿: 一読者 | 2011年12月 1日 (木) 23:04

一読者さん、今晩は。

情報を教えて頂き、ありがとうございます。大変参考になります。

リンク先より、少し長めに引用します。
▼ 引  用 ▼
公的統計は、被災地の復興に向けた施策の企画・立案をする上での基礎データを提供するなど重要な役割を果たすものであるため、被災の実情に関する統計の着実な提供が求められている。一方で、被災地の住民が厳しい環境の下での生活を余儀なくされていることも十分考慮する必要があることから、統計調査を実施する場合には、当該調査の
必要性、有用性等について地元住民に対し十分に説明することが必要である。
このような状況を踏まえ、平成 23 年4月8日に統計委員会の樋口委員長は、「東日本大震災への対応についての統計委員会委員長談話」において、東日本大震災後の統計調査の在り方について、調査を実施することが極めて困難になっている地域があることを踏まえた対応をする必要があること、調査結果の公表に当たっては、特別な取扱いをした場合の情報の開示、記録の保存等が必要であることなどを発表している。また、総務省政策統括官(統計基準担当)においても、平成 23 年4月 15 日に委員長談話と同趣旨の通知を各府省に発出するなどしている(「東日本大震災を踏まえた統計調査結果等の情報提供に当たっての留意事項について」)。さらに、政府統計の総合窓口(e-Stat)においては、平成 23 年4月 21 日から「東日本大震災関連情報」のコーナーを設け、各府省等が東日本大震災の関連で講じた措置をインターネット経由でまとめて閲覧できるようにしている。
▲ 引用終了 ▲
(改行を調整した)
この基本的な方針によって、調査の性質などが勘案され、私が本文中で示した文書の内容に繋がっている訳ですね。
このように具体的に書かれていれば、少し疑問に思うくらいの人ならば、そういう事か、と落ち着いて考え直すきっかけとなりそうです。

もちろん、仰るように、これすらも陰謀的な論拠とする(尤もらしい事を言って隠蔽しようとしている、等)人もいるでしょうね。どうやらそういう人々は、現在白血病を発症している人が激増しているという懸念を持っているが故に、速やかに調査すべしである、と認識しているようですから、後回しにしている事自体がとんでもない事だと映っているのだと思われます。そういう人に理解してもらうのは、なかなかに難しそうですね(これの直後のエントリーはそれを考えて書きました)。

お褒め頂いた所については、大変恐縮です。
自分自身、ついうっかりやってしまう事もありますし、どのくらい注意出来ているかは心許無いものがありますが、情報の扱いや批判的思考は意識して行なっていかなければならないと考えております。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 1日 (木) 23:52

嫌な予感が当たりつつあるか…。
本文中の検索結果と同様↓
http://realtime.search.yahoo.co.jp/search?p=%E6%82%A3%E8%80%85%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%80%80%E7%A6%8F%E5%B3%B6&ei=UTF-8&md=t

欲を言えば、なぜ福島と宮城が除外されているかについての詳細な理由が(具体的にこれこれこういう被害があり、当該調査から除外するとした、というような)、県のサイトや厚労省にあれば良いのですが(既に昼調べた)、さすがにこういう風な噂の広まりなど想定しないだろうから、そう都合良くはいかないか…。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 1日 (木) 23:57

うーん、まずい。
紹介しているのが、はなゆー
https://twitter.com/#!/hanayuu/status/142215820381134848
きくちゆみ
https://twitter.com/#!/kikuchiyumi/status/142194956092715008
の各氏など。
これは想像以上に波及するかも知れない。

「除外されている」というだけならそれは事実だから構わないけれども、あの人達は、他のメッセージを明に暗に付与して拡散するから、非常に厄介。
除外する、という情報だけからは、それが悪どい行為と判断は出来ないし、他の合理的な解釈が可能な場合には、それをきちんと検討しておかなければならない。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 2日 (金) 00:06

案の定、あの人も。
https://twitter.com/#!/tokaiama/status/142194193043947520

ネガティブな方向に予測をしてそれが当たってしまうというのは、最悪なものがありますね。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 2日 (金) 00:12

一目でエントリーの主旨が解るようにタイトル替えました。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 2日 (金) 00:18

TAKESANさま 初めまして。
いつも冷静なご意見を感服しながら拝見しております。
私は、医師ですが、医師以外も医療関係者が国家試験を受ける際に、この患者調査について学ぶことが必須となっていました。これらのdataは国民衛生の動向として刊行されていたと思います。
これらは10月のある指定された日に医療機関を受診された全患者さんの調査であり、全ての国民の網羅的調査とは異なります。 これでざっくりどの様な病気で治療をうけている人が多いのかなどを調査し、どの様な疾患で医療資源が使われているかを把握するものです。 病気の発病率をみるものではありません。 被災地では調査の実施が難しいのですから省かれたのは当然です。(ご想像通り大変な手間がかかります)
白血病が増えたかどうかを見るのなら、住民全てを対象とした疫学調査が必要ですので別の調査が必要です。
現行の患者調査では正確には分かりません。
あるいは、がんセンターの先生方がライフワークにしている癌全例登録など別な手段を考える必要があります。
このような調査が進まないのは、(癌全例登録など)プライバシーに関わるところが大きいためです。勿論大きな予算も必要です。
隠蔽云々を疑うかたがたには何をいっても通じないと思いますが、患者調査の目的やその結果の使用目的がわかればあまり見当違いの事を言わなくても良いと思います。
以上、古い記憶を思い出しながら書いております。 現役の医学生、公衆衛生の専門の先生方に間違いがあればご指摘いただきたいと思います。

投稿: eurisko1 | 2011年12月 2日 (金) 08:44

eurisko1さん、お早うございます。

詳しい解説、ありがとうございます。

患者調査等の概要は、群馬大の中澤港氏のサイトにも要領良くまとめられていました。
http://phi.med.gunma-u.ac.jp/healthstat.html

これはつまり、三年に一度に行われる標本調査で、受療、患者の数や率を調べるもので、そもそも緊急的に用いるような類の調査でも無いという事ですね。

もっと詳細な、がんの罹患の数や率についての調査は、全国がん罹患モニタリング集計というのもありますね。
http://ganjoho.jp/professional/statistics/monita.html

やはりここら辺は知識不足ですし、的確に情報収集してまとめるのは難しいものがあります。仰るように、がんや血液、公衆衛生の専門家の方に教示頂ければありがたいです。

実際問題、わずか数ヶ月で罹患・発症した人が激増しているのならば、医療機関から次々に情報が上がってこなくてはおかしいと思う訳ですね。それは今の所無いし、患者調査のような性質のものは、そもそもそういう情況に対応する調査では無い、と。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 2日 (金) 10:33

TAKESANさま
ご質問に直接お答えできている内容では無かったにもかかわらず、早速御返事ありがとうございました。
ある病気の発生率が正確に分かるケースは、世界のレベルでもあまり多いものではありません。
デンマークのように国民全体の疾患、投薬、治療内容まで網羅されたdataがある国は他にはなく、私の知る限りでは、国民規模からやや小さくなりますが、英国や、オーストラリアの一部の州などで、それらが公表されるとレベルの高いjournalに発表され、大きなimpactをもって迎えられます。 デンマークのコホート研究がいつも注目されるのはこのためです。 日本での調査が遅れているのは大変残念ですが、世界でもそういうものであることをみなさまにお知らせしたいと思いもう一度コメントしました。
ある地域の特定の疾患の発生率を調べるのは疫学者・医学者の手弁当の血と汗の結晶で、簡単に手に入るものでもありませんし、政府主導で機械的に行われているわけでもありません。 陰謀のためではなく、単に手が足りない、他に優先すべき予算があるから、他の超大国、大国と言われる国にも手が出ないのです。
久山、端野壮瞥など地域住民のコホート研究がきちんとある本邦は、それでも結構ましなほうなのですが、それらも国立大学が行っておりますが、国家主導の研究ではありません。

投稿: eurisko1 | 2011年12月 2日 (金) 13:56

twitter上の反応など見ていると、どうも調査というものが、さっとやってぱっと結果が出る、というものだと認識しているような意見が散見されます。
社会調査にしろ疫学調査にしろ、より正確な結果を得るには、それなりのコストと時間をかけねばならない訳ですよね。
その辺りに想像をめぐらせるだけでも、落ち着いて考える事が出来るのではないかと思います。

「調査」というものがあった場合、
 ・調査目的
 ・調べたい集団の設定
 ・現実的に調べる事が出来る集団の設定
 ・調査機関
 ・調査期間
 ・サンプルの採り方
 ・指標の作り方
 ・データの解析の仕方
 ・データの解釈の仕方
これらをよく検討して評価すべきであると考えており、ここでもしばしば言及しています。このような見方を備える事が、(いわゆる)科学リテラシーやリサーチリテラシーを鍛える一歩になるかな、と。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 2日 (金) 14:43

定点観測しているけれども、爆発的に広まってはいないが着々と伝わっているという感じ。

まとめブログとかが採り上げたりしたら非常にまずいので、そうならないように願う。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 2日 (金) 22:48

見つけました。
新しくエントリーにします。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 3日 (土) 16:01

投稿: TAKESAN | 2011年12月 3日 (土) 16:32

予想通りではありますが、アルファルファが。
http://alfalfalfa.com/archives/4928653.html

その内ハム速あたりか。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 5日 (月) 12:14

アルファルファは懐疑意見も載せてある。
ハム速の米の件もあるので、他サイトに出るのは注意して見といた方がいいと思う。

投稿: TAKESAN | 2011年12月 5日 (月) 12:16

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