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2011年11月18日 (金)

科学コミュニケーション――噛み砕け

科学の事について(科学に限らないけれど)、それをあまり知らない人向けに書く時に心がけている事。

  1. 専門用語を、なるべく日常的な言葉に言い換える。
  2. 「聞いてパッと解る」ような書き方にする。

1は、出来るだけ身近な表現を使って、専門用語の意味内容と大きな違いが出ないように言い換える、という事。「査読」を「論文の審査」にするとか。

2は、漢語(でいいのかな?)をあまり使わないようにする。あるいは、聞いた時に頭の中でいくつかの候補が出て、どの意味かな……となるようなものでは無くて、パッと認識出来るような書き方をするとかです。銀河英雄伝説のアニメを観ている時の感じを思い出すと良いでしょう。私は、数分に一回、言葉の意味が解らなくなりました。
たとえば、「機能低下」を、「働きが低下する」と書いたり、「働きが落ちる」みたいにするとかですね。
聞いて解るような文は読んでも解りやすいし、実際に読んで聞かせる時にも重要になる、というのが持論です。

それを実践したのがゲーム脳Q&Aですね。

たとえば、科学について書いた文書の内、これは、あまり専門知識に明るく無い人にも読んでもらいたい、というものを採り上げて、上記のような観点から書き直してみる、というのも試みてみる価値があるんじゃないかと思います。

前にもどこかで書きましたが、私は電子書籍で、「概念」という言葉を一度も使いませんでした。科学の話をすると当たり前に出てくる言葉ですが、これって結構、そっち方面に興味の無い人にはとっつきにくいものです。使えばテキストを節約出来て簡単なんですけど、「興味を持ち始めの人に読んでもらう」場合には、簡潔である事よりも、少々冗長なくらいが良いと思うのです。大切な所だけど意味が取りにくいが故にその語の部分だけ飛ばす、みたいな読み方ってありますからね。そこら辺も考えておくのは無駄では無いと思います。

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コメント

素人としては、専門用語の不適切な使用をみつけることを、ダメな論者にひっかからないために使っているので、その護身術が封じられるのも困ります。原発について語っている人が「放射線」と「放射能」を区別していなかったりとか、裁判について語っている人が「弁護人」と「弁護士」を混同していたりとかをみつけると、その時点でただちに見限ることができて、便利です。だから、専門用語をまったく使わないで話す人は、逆に警戒の対象になります。

専門用語を適切に取り扱えないのはその用語の表す概念を理解していないことの現れなので、この護身術はダメ論者の検出にかなり有効です。一般に広く不適切に使用されている専門用語のリストを作ればよいので、労力もそんなにかかりません。

投稿: かも ひろやす | 2011年11月19日 (土) 07:35

かも ひろやすさ、お早うございます。

やり方としては、

専門用語を使わずにまず「概念」を説明

その概念についている名前を説明

みたいなやり方もあると思います。教科書などだと、専門用語と概念が一緒に説明されていて、初学者ではすぐ許容量を超えてしまうので、初めに概念および、概念間の関係を押さえさせて、それについている術語を教える、というのは一つの方法かなと。

大村平さんなんかはそういう風な書き方をしているので、「一切専門用語を使わない」と「バリバリ専門用語だらけ」の中間で上手くバランスをとっている気がします。

このエントリーで書いたのは、そうですね……書き手が充分な知識を持っている者で、初学者に解りやすい文を書く、というシチュエーション前提で言っている、という感じではあります。

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余談ですが。
「エア御用」(これは術語では無いですが)にしろ「欠如モデル」にしろ、まともにやる気があるのか、としか思えないくらいに、用法が雑ですね。言葉の意味の共有をせずに一体どんな実りある議論が可能なのか、私には全く解りません。こんなのは、スポーツの議論をする時などにも共通する当たり前の話だと思うんですが、「自分の独自解釈の”欠如モデル”」についてそれぞれ言っていて、同じ「欠如モデル」が、概念Aを指したり概念Bを指したりして、話が噛み合っていないというか。

その時に、「取り敢えず専門用語は措いて」概念や意味内容、あるいは対象としている現象をそのまま記述して検討する、というのをやれば、よほどスムーズに話が進むのにな、と思ったりする訳です。「欠如モデル」だと、一旦それを使うのを止めて、どういう現象について言っているのかをまず説明してその現象はどうなのか議論する、と。

取り敢えず専門用語を使わずに説明する、というのは、実はこの辺の理解がちゃんと出来ているかを確かめられる一方法でもある気がします(専門用語を使って説明してるバージョンと使って無いバージョンが比較出来る時に)。

投稿: TAKESAN | 2011年11月19日 (土) 08:13

たとえば内田麻理香氏。

https://twitter.com/#!/kasoken/status/137501032732307456
▼ 引  用 ▼
「欠如モデル」というレッテル張りについて言いたいことは山ほどあるけど、博論の一部に組み込んだのでTwitterでは黙っておく…。
▲ 引用終了 ▲
言 え ば い い の に

そんな悠長に構えている場合なんですか、科学コミュニケータが?

知らなきゃ黙る、というのは一つ慎重で妥当な判断になる場合はありますが、科学コミュニケーションに関わる者が、少なからず混乱を生んでいる用語について、こんな仄めかし方をして、一体何になるというのか。

しかも、”「欠如モデル」というレッテル張り”てどういう意味なんでしょうかね。こんだけ色んな人が使っってる情況で、どういう人達が「レッテル張り(一般にネガティブな意味を付与される)」として用いているのか、と。まさかSTSな人達に投げている訳ではあるまい。

投稿: TAKESAN | 2011年11月19日 (土) 08:19

たとえば、私でも、科学論関連の論文を複数見て欠如モデルの定義を拾っていく、という作業をしましたが、その程度の事もしていない人は沢山いるでしょう。要領よくやれば2時間もかからないものなのに。
この言葉が厄介なのは、

・多義的である(もしかすれば、いくつかは誤っていて、分野的に、これだ、という定義はあるのかも知れない)

・中心的な定義があるとして、それが想定するモデルを実際に科学者集団が持っていたのか、という論証があまり見えない(調べ不足?)

こういうのがぐちゃぐちゃに混じり合って議論されている所。しかもこんなの、落ち着いて考えれば難しい話では全然無いのに。簡単なのに、基本的な事をしないから、おかしな様相となっている。

投稿: TAKESAN | 2011年11月19日 (土) 08:26

たとえば、田中幹人氏がtwitterで比較的丁寧に説明していたのを見たけど、ここは一つ、「欠如モデルとは何か」というのを今改めて説明する文が、STSな人達複数から出ても良かろうと思う。
誤解の連鎖というのは、早めに止めようとしないと際限無く続くので。

今まで説明不足だったから誤解されても仕方無い所がある、みたいに言う人もいるけど、「ならやれば」と思う訳ですな(私はここ最近、ずっとそれを書いている)。

投稿: TAKESAN | 2011年11月19日 (土) 08:34

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