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2011年11月16日 (水)

マンガでダーウィンを読む

マンガ「種の起源」 (マンガで読む科学の名著シリーズ) Book マンガ「種の起源」 (マンガで読む科学の名著シリーズ)

著者:田中 一規
販売元:講談社
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マンガ形式で、ダーウィンの半生と進化論の説明を描いた本。

大変読みやすく、解りやすい本でした。画風やギャグのセンスは古いので、そういうのは好みが分かれるでしょうが、昔からマンガをよく見る人は、懐かしい感じで読めるでしょう。

ただ、私は生物学や進化論の勉強がそもそも不足しているので、記述がどこまで正確なのか、という判断が難しい所。色々書評を見てみると、概ね好評なようですが(Amazonレビュウに、手放しで賞賛、的なものがあったので、それは排除した)、出来れば関連の知識に通じている人の意見をうかがいたい所。c_Cさんや梨さんや黒影さんやNATROMさん辺りの。

もし、学術的な正確さが確保されている、というものであれば、これは進化論への導入としてかなりお勧め出来るのではないか、と思うのですが、いかがでしょう。

2011年11月24日追記:コメント欄にて、complex_catさんに大変参考になる解説を頂きましたので、ご覧下さい。

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コメント

これは読んでないのでわからないです。
僕が進化生物学に関する本を薦めるときは北村雄一氏か長谷川眞理子氏の本を薦めることが多いですね。

投稿: | 2011年11月16日 (水) 01:50

梨さん、お早うございます。

結構面白い本だと思ったんですが、意外に書評があまり無くて、どう紹介したものかな、と。

北村氏は、信頼のおけるライターとして評判が良いようですね。
長谷川眞理子氏はやはり鉄板な感じですね。

投稿: TAKESAN | 2011年11月16日 (水) 09:00

とりあえず読了しました。
 中学生や入門書としては読んでもいいかなを思います。理由は,教科書的に使われる書籍からの図説や資料をそのまま載せているから。

 しかし,参考図書に中原氏とその系列のトンデモ系(それ自体は遺伝子や分子生物系などのデータはデッドコピーなので批判はできず教科書的,資料的価値はもちろんあります)が唯一重要なネタ本として載っていたり,米大学の教養書としての書籍を入れたリストで偽装してますが,最新の生物学知見が殆ど見られない(件の問題本著者たちが理解できなかった遺伝子浮動や木村資生氏の中立説他)など,「収斂進化」など用語の扱いや強調すべきポイントががおかしかったり(それはそのままこの人の理解度の問題と関連領域の専門家とのディスカッション経験があまりないことが分かる),鹿の角やウミイグアナの「肺活量」など(これもダーウィンがそう思い込んでそういったのか,代謝や循環系ー心拍数を限りなく押さえて停止まで持っていけるーの生理生態学的知見がある今,ポイント外している著者の問題かよく分からない),マクロ生物学センスが全く感じられない記述がいくつか,いまどきの出版社の仕事としてよく見る,ある意味門外による安易な作りの本で,決して手放しで評価できるものではありません。きつい言い方をすれば,実績のあるパーツのデッドコピーを使ったコレジャナイ・ロボ。もちろん基礎的な勉強はできますが,分野の学問理解のツールとして見ようとする大人としては知っておいたほうが良いかも。
 一方で,中原氏のトンデモウイルス進化論を入れなかった見識と,青年期のダーウィン像は多分この人が描きたかった部分であると分かるし,それなりに評価したいと思いました。個人的には,画力のコレジャナイ感みたいなものはずっとついてまわりました。子供たちは多分気にならないからいいかと思います。
 因みに中原英臣氏は,変異を作り出す要因については,どんなものでも取り込む,たとえ中立説でも並立概念化される統合学説の怪物ぶりとそれ故の批判があること自体には最後まで理解が及ばないというところで,自分の説が「僕の考えた既存の進化論」を超えたぞ論を展開した人です。参考図書リストの図説は,中原氏のボタンの掛け違いが前提になった整理になっているのと,まあ端的に言ってこの本のネタ本なので,外せなかったのでしょう。
 多分,中原氏の仕事を「よく整理されている」と思われたのかもしれない。参考図書に入っている「進化論の不思議と謎―進化する「進化論」 ダーウィンから分子生物学まで (学校で教えない教科書): 山村 紳一郎, 中川 悠紀子, 小畠 郁生:」も類友,類型書です。

詳しくは,また何かの機会に書きますが,あまり余裕が無いので,今は,そんなところです。

投稿: complex_cat | 2011年11月24日 (木) 11:36

complex_catさん、今日は。

早々に解説を頂いて、大変ありがとうございます。早速本文に追記しておきました。
手放しに勧められる類の本では無く、注意すべき点が結構あるという事で、やはり、基礎的な知識を持たないままに入門書・普及書を安易に紹介するものでは無いな、と痛感した次第です。

投稿: TAKESAN | 2011年11月24日 (木) 12:20

補足です。
 また,「収斂進化」ということばに違和感があったので,生物学辞典で確認しました。基本的に,進化における収斂(現象)と言うべきもので,何にでも「進化」という言葉をつけてわけが分からなくなっている造語は「適応進化」みたいな言葉もありますが(言うとするなら「適応・進化」),「収斂進化」ってのも意味が分からないよ,という言葉です。「相似進化」っていう言葉が変なのと同じです。こういう用語センスも,粗い本の特徴です。
 『収斂[英仏convergence 独Konvergenz 露конвергенция]【同】相近系統の異なる複数の生物が,類似する形質を個別に進化させること.核酸の塩基配列形質から表現型形質までさまざまなレベルで収斂と推定される類似形質がある.遠縁の動物群で類似構造をもつ眼や水生動物の鰓呼吸のように広範な分類群に見られる収斂もあれば,昆虫のカ(双翅目)とカメムシ(半翅目)の吸引口器のように狭い分類群だけに限定される収斂もある.系統学的には,収斂はホモプラシー(非相同)に含まれる.つまり,収斂は,系統解析の過程で,共通祖先から伝わった相同形質としては説明できない派生的形質状態の共有を説明するために想定される形質進化上の仮説の一つである.収斂と並行進化(parallelism)とのちがいは,後者が共通祖先から受け継がれた共通の遺伝的基盤を前提とする個別進化であるのに対し,前者が共通の遺伝的基盤を前提としない個別進化であるという点にある.しかし,両者をデータから識別することはおそらく困難だろう.比較生態学における種間比較法(comparative method)のあるものは,系統樹上で推定された収斂形質を用いて,形質相関や適応の仮説を検証する.』
 相同器官,共通祖先形質/相似期間,進化における収斂現象といった概念については出てくるのですが,収斂が系統を示す情報との対比で進化の存在に気がついていく重要な部分です。ここにその人の理解度が出ています。
 派生形質と共通祖先形質,これはK・ローレンツによる行動学的アプローチでも行動面から系統関係が追えるという次元まで,動物行動学を彼一代で高みに持って行かれた根幹部分です。故に,ノーベル賞受賞者と言えます。
 そして,武術でも二者を見極めることで系統関係が追えます。以前書いたことです。
 ご参考までに。

投稿: complex_cat | 2011年11月25日 (金) 08:20

complex_catさん、今日は。

辞書まで引用して教示頂いて、ありがとうございます。

やはり、しっかり分野の勉強を教科書でやらないと、付け焼刃ではダメですね……。
統計学などの用語の誤用は最近少し解るようになってきましたが(だからめちゃくちゃな用法してるのを見ると、教科書読んで無いのが判る)、どんな分野でも、その辺がきちんとしてるかは重要ですね。

特に生物学関連の用語は色々拡大解釈される事も多そうなので、より気を付けたい所です。

投稿: TAKESAN | 2011年11月25日 (金) 12:33

相似期間☓
相似◯
です。失礼しました。

投稿: complex_cat | 2011年11月30日 (水) 00:27

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