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2011年7月20日 (水)

「害がある」

害がある。

非正統的な療法を批判する際に使われる表現。○○には害がある。あるいはそれに似たものとして、○○は有害だ、とか。
この言い回し、大まかに考えて2つの意味を持つ、というのは押さえておいた方がいいでしょう。つまり、

1)それ自体が好ましく無い方向の作用をもたらす。

与えるものが直接害を与える事です。毒物とかそういうの。医療の話だと、ある病気にこれが効く、と称しているものに、実は(薬理学的な作用の結果としての)害がある、といった場合。効くと称して販売されたものが健康被害を生む事例がありますね。

2)適切な処置を受ける機会を奪う。

そのものが物質として悪影響を与えなくても、適切な対処をする事を拒ませる。たとえば、ある病気に罹った人がいたとします。そして、その病気に有効であると判っている治療法□□があるとします。で、その人に対して誰かが、この病気には○○が効くから使うと良い、と勧めた場合、その○○自体に直接的悪影響を及ぼす作用が無くても、「□□を受ける機会」を奪う事があります。その病気が軽症であったり自然に治る類のものなら結果的には重大な事にはならないかも知れませんが、適切な療法を行わないと命に関わる、といったものの場合には、大きな問題になります。

「害がある」という言い回しを用いる際には、これらの意味が付与され得るという多義性を念頭に置いておく必要があります。そうで無いと、やり取りが噛み合わない事がある。たとえば、「ホメオパシーには害がある」と言った場合。批判する側は、2)の観点から、スタンダードの医療から忌避させてしまうという意味で「害がある」と主張する。対して庇う側、あるいはホメオパシー問題を過小評価する人は、レメディは砂糖(色々材料はあるが)玉だから「害は無い」ではないか、と言い、それで噛み合わなかったりする。

モンスターハンターでたとえると、リオレウス希少種と交戦中、体力10くらいの状態の人に、「これで体力が回復するぞ!」と毒テングダケを与えるのが 1)の意味で「害がある」。「これで体力が回復するぞ!」と にが虫を与えるのは 2)の意味で「害がある」。

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