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2011年5月13日 (金)

マンガでも学ぼう

マンガでわかる構造力学Bookマンガでわかる構造力学

著者:サノ マリナ,原口 秀昭
販売元:彰国社
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今まで読んだ「マンガでわかる」系の本の中でも屈指の物である、と思いました。
内容としてはごく初歩の部分の解説で、数理的な解説はそれほど無いので、得られる知識の量としてはさほど多くはありませんが、とっかかりとして、あるいはいくつか本を読んだが概念が上手く把握出来ないのでおさらいをする、という、私のような初学者にとってはとてもありがたい類の本です。入門書であっても情報の量が多過ぎて、数ページ読むにもへとへとになる物ってありますしね。

画は、この種の本としては丁寧に描けている方だと思います(所々不安定ですが)。オーム社のシリーズを除くと(ここのは概してクオリティが高い)、これを載せるなど正気か?と思わされるような、形状が破綻したような物も散見されるのですよね(工学の本なのに図が狂ってるのもたまに見かけるという)。

マンガと解説部分との噛み合いも、かなり上手く出来ているように思います。前にも似たようなことを書きましたが、単に「人物が描かれてある図解の多い参考書」でしか無いのもありますよね。本書はそうで無く、マンガを読み慣れた人の目をよく意識しているように感じます。特にストーリーが深く複雑でワクワク読ませる、という風では無いものの、キャラクターの立て方の描写などが工夫されています。それもそのはず、と言うか、作者自らがマンガの専門学校で勉強してネームを書いたそうな。興味深い事ですね。

個人的な感想としては、いくつか眺めてきた構造力学の本の中では段違いに易しい物だと思います。そのかわりに理論の詳細や精確な説明がオミットされている所もあるでしょうが、上にも書いたように、とっかかりの本としてうってつけではないかな、と。

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