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2011年3月26日 (土)

想定の内と外

改訂 原子力安全の論理 Book 改訂 原子力安全の論理

著者:佐藤 一男
販売元:日刊工業新聞社
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再び佐藤氏の本から引用します。別所でも引用した部分です。

(略)だから、例えば、「シビアアクシデントを考慮に入れていない設計は不十分である」というような主張を時々目にするが、これは少々矛盾したものの言い方である。おそらく言わんとしていることは、「設計の範囲、すなわちDBEで包絡している範囲が狭過ぎるから、もっとこれを広げて、これまでシビアアクシデントになっているところも、設計の範囲に入れるべきだ」ということなのだろう。そういうことなら、これはもちろん十分検討すべきことである。このことは、前に安全審査の範囲について述べたところと同じである。 更に、「安全設計上想定された手段では」というところにも注意して頂きたい。これはつまり、設計において明確な目的を持って予め用意した対策では、炉心の冷却や反応度の制御ができなくなっても、もしそれ以外の手段が見つかれば、事故の進展を少なくともある程度は制御できるかもしれないということになる。これもまた、次に述べるアクシデント・マネージメントの、一つの礎地になっているのである。
佐藤一男 『改訂 原子力安全の論理』P208・209 より引用

報道でも「想定外」の言葉が踊っていますが、その語がどういう意味で用いられているか、その意味するであろう所を押さえておくのは重要でしょう。概念の把握がずれていれば、議論も噛み合わなくなる虞がありますので。

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