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2009年4月 3日 (金)

脳科学

「脳科学」って語、誰がいつ頃使い出して広まったのでしょうね。

私は、脳科学という語より「神経科学」という語を先に知ったし(いや、正確には憶えていないのだけれど)、学術的にもそちらを使った方が良いのかな、と思うので(学際的な分野である事も含ませたいですし)、なるべくそちらを使うようにしているのですが(「脳科学」を使わない訳じゃ無いけど)、どうなのでしょう、専門家の間で「脳科学」という表現は、どういう風に捉えられているのだろうか。

大「脳」洋航海記 » Blog Archive » 「KY脳科学者が主人公のドラマ」?でvikingさんが、

そもそも、「脳科学者」(こう自称するのは茂木某だけなんですが・・・僕は「認知神経科学者」としか名乗るつもりはないので)

と書いておられるので、改めて考えたのでした。

これだけ脳科学という語が流布されたので、神経科学を専門とする学者が、他人に訊かれて「脳科学」をやっている、と説明するケースもあるのかも知れませんね。

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「科学論」カテゴリの記事

コメント

とりあえず理研の脳科学センターは前世紀からあるはずですよ.
えーと…
1997年 理化学研究所 脳科学総合研究センター 設立,だそうです.(http://www.brain.riken.go.jp/jp/about/index.html)

研究者が「脳科学者」を自称するかどうかは知りませんが…
んー,松本元さんは脳科学者と名乗っていたのだろうか?

投稿: たかぎF | 2009年4月 3日 (金) 01:32

ちょうどそれができる頃に、フロンティア計画とかいって、重点的な領域を決めて外国の研究者との交流も含めて莫大な研究費をあてよう、というのがはじまった記憶があります。そのテーマのひとつが「脳科学」だったような。伊藤正雄なんていう名前が思い出されます。あと単にごっちゃにしてるだけかもしれませんが中曽根康弘とか。昔の学会誌や岩波の「科学」なんかを見れば当時の様子がわかるかもしれません。

投稿: ちがやまる | 2009年4月 3日 (金) 04:01

『脳科学の新しい展開 』http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/400005791X.htmlのような本もあり、CiNiiでの検索結果を見ても80年代には雑誌記事や書籍で使われているのは確かです。
最も、ここ数年のひどく普遍化・万能化した脳科学のニュアンスとは違いますが。

投稿: 町田 | 2009年4月 3日 (金) 06:30

言葉として初めに使われたのはいつか、には関心はありませんが、直感的には"brain science"の和訳のような気がします。"molecular biology"みたいな大きな動きがあって、それをプロデュースしてる人たちもいたわけでしょう。そういうレベルの人たちがどう動いていたか、というのも、歴史という視点からは確認しておきたいですね。Natureとか遡ってみればわかるようなことでも。

投稿: ちがやまる | 2009年4月 3日 (金) 08:14

こちらでは初めまして。リンクをいただくたびにちょくちょく拝見しております。

ご指摘の件ですが、追記の形で補足説明を入れておきました。お読みいただければ幸いです。

投稿: viking | 2009年4月 3日 (金) 08:44

皆さん、今日は。

これは大変ありがとうございます。参考になります。vikingさん、補足説明して頂き、深謝。

脳科学という語自体は、結構以前から使われているのですね。なるほど。

私としては、今どう使っていくかという観点では、vikingさんが書かれている、
▼▼▼引用▼▼▼
というのは、神経系に関する研究が必ずしも(中枢である)脳だけをターゲットとしているわけではないからです(末梢系についての研究もまだまだ非常に盛んです)。
▲▲引用終了▲▲
http://www.mumumu.org/~viking/blog-wp/?p=2637
ここに尽きると思います。

それにしても、「Terms」のページは、激しく便利ですね⇒http://www.mumumu.org/~viking/blog-wp/?page_id=216

昨今「脳科学」という語は、一般にも大分認知されていると思いますが(どの程度かは把握してません)、やはりこれには、川島氏や茂木氏の影響が大きいのでしょうね。あれだけマスメディアに露出したので。特にモギケンさんは、「脳科学的には」をマシンガンのように連発しますし。

投稿: TAKESAN | 2009年4月 3日 (金) 11:40

そのうち専門家から「脳科学?No科学だよ」とか言われるようになったりして。
・・・・・・すいません。言ってみたかっただけですm( )m

投稿: | 2009年4月 3日 (金) 22:05

梨さん、今晩は。

用法:森昭雄氏のはNo科学

とかですね。森氏の標榜を踏まえるなら、No神経科学 になりますですね。

投稿: TAKESAN | 2009年4月 3日 (金) 22:33

脳科学という言葉自体は悪くないと思うんです。神経科学とはやはり違っていて、神経は脳だけじゃないということのほかに、脳は神経だけじゃないということもあるでしょう。
なんというか、生命科学という言葉と似ているというか。
 
ただ、それだけに、実体が曖昧になって、いろいろな妄想がくっつきやすいものでもあるのでしょう。まあ、これはもうしょうがないのかな、と。
 
最近の「脳科学ブーム」はやっぱり「脳科学者」という肩書きが現れたことと関係ありそうです。

投稿: きくち | 2009年4月 4日 (土) 02:11

 この分野を離れて久しいのですが、
・神経生理学
・神経生物学
・脳生理学
といった呼び方をよく見ておりました。
 脳科学だと、漠然としすぎていて曖昧すぎるように思います。

投稿: apj | 2009年4月 4日 (土) 02:40

ことばに対するイメージだけいうと、「神経生理学」というとHodgekin,HuxleyとかSakmann, Neherて感じ(関係者に配慮すると田崎一二とか)。「神経生物学」というと線虫や蝿をはじめ比較生物学の視点が入ってる感じ。おもに19世紀ころから物理学的な視点・方法で切りひらかれてきた経緯をもつ「生理学」が擁するテーマはひじょうに多彩ですが、ここへ来て解剖学生化学等との壁がとりはらわれてきて「~(研究対象そのもの)学」「~研究」という感じになってきてるようにおもいます。ただ分野の呼び名なんてよほどの迷惑でもない限りは看板かかげてる人たちが好きにやってればいいことじゃないかと思います。

投稿: ちがやまる | 2009年4月 4日 (土) 06:04

apjさん

曖昧なんですが、曖昧にしたくなる気持ちはわかるんですよ。理解したいのは神経の生理だけでもないし、心理だけでもなくて、「脳のはたらき」そのものなんです。
その意味で「生命科学」に似ていると思います。もちろん、その分野の内部ではいろいろと小分けにされているのだけど、あくまでも「全体像」を知りたいのだという意志があるわけね。
 
生命科学であれ脳科学であれ、それが対象とするはずの「生命」や「脳」という言葉がなにを語っているのか、あまりはっきりしないところが特徴で、たぶん「それは何であるかを知りたい」という分野だと思うんですよ。
その意味で、「神経をやります」というのとは違うんでしょう。

いや、もちろんそれは僕の考える理念であって、内部にはいってみると、「脳科学っていうとお金がもらえるから名乗ってるけど、やってることは神経科学で、それ以外は興味ない」なんて人もたくさんまじってるんでしょうけど

投稿: きくち | 2009年4月 4日 (土) 11:42

皆さん、今日は。

脳科学、と言うと、脳イメージングを見て云々、という非専門家以外にも直感的に解りやすそうな、神経科学のごく一部分を想起させる概念として一般に流布されてしまった、というのが何となくありそうな気がします。
特に脳という中枢神経の働きに着目したものを脳科学と言う事そのものは良いのかも知れませんけれども、現状の広まり方を見ると、あまりに意味が狭められたものとして認知されているのかな、と。茂木氏や川島氏等の影響かな、と推測されますが。

何やら、脳の働きを見さえすれば人間の行動の大部分が説明出来ると思い込まされる、といいますか。

ところで、私の記憶だと、一頃は、「大脳生理学」という言葉がよく使われたように思います。それだと意味が狭くて、何となくいかめしい感じだから、よりシンプルで一般的な「脳科学」という語が広まったのかな、なんて社会心理学的な事に思いを馳せたり。

投稿: TAKESAN | 2009年4月 4日 (土) 13:10

ちがやまるさん
 >関係者に配慮すると田崎一二とか

たざきさんの日記でも、時々お名前が出ていますね。

投稿: TAKESAN | 2009年4月 4日 (土) 13:20

クラゲの下村先生もそうですけど、ひとつの幸せな人生のありようじゃないでしょうかね。<<田崎先生

ことばの使い方については私は原則きくちさんに賛成です。「生理学」の方に話が進まない方がいいな、と思っての前回の書き込みでした。「大脳」といわれると、たとえば「脳幹」は外れてしまいますよね。その他網膜はどうなんだ、交感神経節は、とか。いわゆる「中枢」の機能を果たしているからこそ、「全体のしくみ」を把握するのにはぼかした言葉が必要になるのでしょう。

投稿: ちがやまる | 2009年4月 4日 (土) 14:30

思うに、そういった一般的あるいは広範な概念を指す言葉として用いられるものだったものを、逆にものすごく狭くしてしまったのが(意図的では無いかもですが)、マスメディアであったり、メディアに露出する「脳科学者」なのかな、と。脳画像から行動をも説明出来るものだ、という短絡的なものだと誤解させたり。

そのような現状を鑑みると、敢えてそれを使わないというのも理解出来ます。こういうのって、語が学術的な領域を適切に指しているか、というのと、社会的にどう認知されているか、という面とを両方考えるのが良いのでしょうね。

投稿: TAKESAN | 2009年4月 4日 (土) 14:48

さっき たざきさんの日記を見て、田崎一二博士が亡くなられたのを知りました。

http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/d/0904.html#01

上のコメントは、この事を知らずに書いたものです。大変失礼いたしました。

投稿: TAKESAN | 2009年4月 4日 (土) 22:57

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