科学と哲学
私が、哲学的な問題には立ち入らない、と何度か書いたのは、もしそこに入っていくとすると、広く深い議論にならざるを得ないから、なんですね。哲学の人は科学をよく勉強しなくちゃならないし、科学の人は哲学をよく勉強しなくちゃならない。その上で、実際の科学の方法と哲学の概念との関係を考えたりする。
加えて最近は、科学を哲学的に考察する場合、単に「科学哲学」では無く、科学哲学・科学史・科学社会学 等を含んだ総合的なものとして、「科学”の”哲学」と言われたりもするようで、いずれにしても、非常に広範囲で、しかも深い議論が必要とされる訳ですね。
それで、ありていに言ってしまうと、この場でそれを仕切るには、私にはちょっと力不足であるな、と。
実は、関心はすごくあるんですよね。元々哲学の本を結構読んだりもしているので。でも、今は実証科学の方法を主として勉強していこうと思っている時期でして、実験科学や統計学方面にウエイトを掛けている所だったりします。
これは、以前の自分が、「科学」を知らず、しかも、哲学をほんの少し眺めただけにも拘らず、実証科学に批判的であった、という苦い経験から来ています。
科学を勉強するにつれ、哲学の人達はこう言うけど、科学の人達は普通に踏まえてるじゃない、と思う事が、かなりありました。もしかすると、中途半端に哲学をやった人の的外れな科学批判、に当たってしまった、のもあるのかも知れません。
考えてみれば当然でもあるんですよね。科学者で科学哲学的な思索を深めた人も沢山いるのですし、それが科学の方法にフィードバックされないと考える方に無理がある訳で。心理学方面だと、方法的な対立が色々あったりして、科学哲学と絡めて論じられる本も結構ありますね。
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