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2009年3月19日 (木)

ヒューマノイド

最近話題になっている、産総研のヒューマノイドですが⇒産総研、女性型ヒューマノイドロボット「HRP-4C」を発表~ファッションショーにも登場予定

やはり注目すべきは、その重量でしょうか。あまり詳しくは無いですが、43kgというのは、かなり軽いのでは?

ハンド部には、大きさを人間サイズとするために、人差し指から小指までが1個のモータで4本同時に屈曲する構造を採用した。

ああ、やっぱり手も可動するみたいですね>A-WINGさん

人間が主観的に力を抜いた状態だと指は屈曲しているので、そのようにした方が、よりリアルに見えて、プレゼンテーション的に良かったのではないかな、と思いますが、どうなんでしょうね。

 「人間に近い形状を追求しつつ、気持ち悪くないデザインを追及した」という外観デザインにおいては、2種類のデザインを検討した。極力人間に近づけるものと、ロボットの胴体に首を載せるドール系のデザインである。前者ではリアルさを追求しても不気味な印象を与えてしまい、後者ではどうしてもおもちゃ的な印象を与えてしまう。そこで産総研ではリアル系とドール系の折衷案を採用した。メタリックなスーツはテクノロジーを強調し、違和感の解消を実現できたとしている。

ネット上の反応では、いわゆる「不気味の谷」という言葉が散見されますね。これまでのものからすると、大分「不気味さ」は軽減されているように、個人的には感じます。といっても、あくまで相対的な評価であって、画像や映像を見ると、やはり「気持ちの悪さ」というのは覚えますね。

どのような先行研究があるのかは知らないですが、どういう因子が「不気味さ」に関わっているのかを調べるのは面白そうです。

人間の動きに関する論理をおおまかに分類する事が出来るでしょうか。高岡英夫氏の身体意識論における概念、「ストラクチャ」、「モビリティ」、「クオリティ」が援用出来そうです。解りやすい言葉にすると、「形状」、「動き」、「質感」とでもなるかな。

以下、私の主観による評価。※不気味さを感じさせるのは何か、という考察なので、こういうロボットが開発された事についての批判的な評価では全くありません。て言うか、よくこれだけのものを作ったな、と驚嘆しているのであります

頭部の造形自体は、相当精巧に出来ていると思います。アングル・タイミングによっては、かなり「人間らしく」見える。たとえばこれ↓

Face_2
これは、いかにも人間ぽく見える部分を見計らって動画からキャプチャしたものですが、どうでしょう、かなり違和感が無い、と私は思います。考察すると、画像が不鮮明である事が、却って人間の肌の質感に近い感じを与えているのではないかな、と。リンク先に、とても鮮明な拡大画像がありますが、それは、鮮明であるがゆえに、実際の人間の肌との違いが際立つ、という事なのでしょう。ここら辺の、肌の質感の再現という所は、3DCG方面でも研究されているものだろうと思います。シリコンが素材との事ですが、コスト的にも、現状はそれが最良のものなのかも知れませんね。下手にリアルに再現しようとするのもよろしく無いのかも。

で、動きを実際に見てみると、やはり違和感がものすごい。もちろん、人間と較べて、という事で、このロボットがよく出来ている、というのは間違い無いと思いますが、それは措いといて。何ゆえ違和感があるか、というのをちょっと考えてみます。

まず、顔面が一部しか動いていない、という所。実際の人間の顔の解剖学的構造は、頭蓋骨の上に表情筋がへばりついているようになっていて、それが収縮して表情を作る、とういものですから、顔の一部が動けば、他の部分も微妙に動いていく訳ですね。で、このロボットは、8つのモーターで表情を作り出しているとの事。私が思うに、そのメカニズムの相違が、観察者に直感的に違和感を形成せしめているのだろうな、と。現状では、制御の面でも駆動のメカニズムの面でも、これくらいが限界なのでしょうね。素人考えでも、たとえ人工筋肉のような良い素材があったとしても、実際に表情を作っていく制御は難しそうです。

次に気がついたのは、「動作の重さ」ですね。モーター駆動であるがゆえに動作が等速度的である、という所が、そういう印象を与えているのでしょうか。これは全身の運動でも言えますが。試しに、表情のアップの動画を4倍速で再生したら、幾分リアルに見えたように思います(気のせいである可能性大)。等速度的で全身各部が同時に動かないのが、「機械的」な印象を与えるのやも知れません。これまた、人間的な動きを実現させようとすると制御が大変だ、という事なのでしょうけれども。

歩行運動については、膝の屈曲角度が大きく歩幅が非常に小さい、というのがポイントなのでしょうね。方向転換の部分は、よく出来ているなあ、と思いました。さすがに、人間がやるような一瞬の転換は難しそうですが。それと、腕のスイングが乏しい。腕をやたらに動かしたら、バランスを取らすのが困難なのでしょう

それと、これは3DCGのモデルでもよく見られるのですが、腕が若干後方に伸展されたまま静止している、というのがありますね。これ、何か理由があっての事なのでしょうか? 実際に何気無く立ってみれば解りますが、主観的に力を抜いて立ったら、腕は「垂れ下がる」のですね。リンク先の画像を見ると、(横から見て)肘が正中線よりかなり後方に位置していますが、これは、「努力」しないとならないと思います。普通は、歩きの途中の局面で、腕が振られた結果として現れる訳ですね。敢えて後方で静止させる必要は、構造的にも無いように感じますが、どうでしょうか。※ここら辺を踏まえて見ると、産総研:プレス・リリース 人間に近い外観と動作性能を備えたロボットの開発に成功←ここにある画像と動画(「動画:12秒」の動画)の方が、より「それらしく」感じるのではないでしょうか。ここの方向転換の動画は、腕がぷらんと振られていて、実にそれっぽい。1.3~1.5倍程度で再生してみると面白いです。

後は肩甲部の構造ですね。実際には、腕は肩甲骨に繋がっていて、肩甲骨は鎖骨で胸骨に繋がり、かなり自由に動けるので、腕振りの時には、ここら辺が丸ごと運動していく。尤もこれは、実現させようとするとあまりに複雑なので、オミットしている、という事なのでしょう。

「腕が長い」という意見が見られましたが、リンク先にもあるように、腕も長いし、手も大きいみたいですね。ぴんと指が伸びているので、尚更そういう印象があるのでしょうか。さらに、指に比して掌部分が長い、というのもあると思います。これまた3DCGでたまに見られて、違和感を覚える所ですよね。

どうでもいいですが、「顔のアップ。電源オフの状態のため口は少し開きぎみ 」の画像が、菅野美穂さんにしか見えないのでありました。

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コメント

こんにちは。

手は、穴の開いたゲンコツと差し替え、なんて仕様ではなかったようで(笑)
ワイヤかなんかで引っ張って曲げてるみたいですね。

顔は、ややタレ目で離れぎみ、そして下ぶくれぎみで、意志の強さを感じさせないデザインであることから、不気味さが薄いのでしょう。
いわゆる美人顔というのは、実は男顔に近く、意志の強さや、どうかすると攻撃的な印象を与えます。

胸部と腰部を縦に割って関節させれば、動作が大きくなってさらに人間味が増すと思うんですが、そうなっているロボットはまだ観たことがないので、難しいんでしょうかね。

あと、スイッチが切れると口が開く、というのは、かなり人間くさいですね(笑)

投稿: A-WING | 2009年3月19日 (木) 14:47

A-WINGさん、今日は。

私、余裕で差し替え式だと思ってました(笑)
もしかすると、手の可動のデモンストレーションもあったのかも知れませんね。

顔のデザインは、色々工夫されたのでしょうね。職員の顔をベースにしたようではありますけれど。

▼▼▼引用▼▼▼
そうなっているロボットはまだ観たことがないので、難しいんでしょうかね。
▲▲引用終了▲▲
でしょうね。制御的にも構造的にも困難なのかも知れません。

私も気を抜くと、よくスイッチが切れますよ(笑)

投稿: TAKESAN | 2009年3月19日 (木) 16:30

こんにちは。

なんだかお盆の上に生首乗せてるみたいです(^^; 

お芝居やアニメーションの方法論で、動作は顔(というか目)が身体の行き先を捉えるところから始まるものだ、と言ったりすることがありますが、このロボットの場合は頭が動作と関係なく在る感じですね。

投稿: About | 2009年3月21日 (土) 00:28

Aboutさん、今晩は。

やはり、顔、とりわけ「目」は、とても重要な所なのでしょうね。それだけに、それらしく制御していくのは難しいのかも知れません。逆に言うと、その辺を上手く作れれば、飛躍的にリアルになるのだと思います。でも、下手に再現しようとすると、異様になってしまうんでしょうね。

投稿: TAKESAN | 2009年3月21日 (土) 00:56

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