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2009年3月 7日 (土)

社会調査

社会調査ゼミナール Book 社会調査ゼミナール

著者:新 睦人
販売元:有斐閣
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これは良き本。社会調査に関心のある人にとって、参照する価値のある著作ではないかと思います。

ただし、読みやすいと言うか、簡単な本では無いかな。少なくとも入門書という位置づけでは無いだろうと感じます。

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ここから、サンプルサイズ普及委員会的な。

 内閣支持率調査などの場合,母集団は日本人有権者およそ1億人であり,抽出された1000から3000人が標本である。この場合の1億人のような数字を母集団の大きさ(または規模)と呼び,通常はNで表す。1000人や3000人など,抽出された標本に含まれる人数のことは標本の大きさ(または規模,sample size)と呼び,n で表記する。日本ではこの n を標本数,サンプル数と呼ぶ慣習があるが,統計学的には標本の大きさと標本の数はまったく別のものを指す重要概念であり,標本の大きさのことを標本数と呼ぶのは限りなく間違いに近い(木村 2006 : 71 頁)。個人の数のような,標本に含まれる要素・基本単位(element, elementary unit)の数を指すときには,ケース数(the number of cases)や回答者数(the number of respondents)などの単語を用いるほうが誤解がない。英語では sample person, sample unit などの言葉が使われることもあるが,あくまで抽出された基本単位全体で1つの標本(a sample of size n = 1,000, etc.)である。
新・盛山(編)『社会調査ゼミナール』(P94)より引用。著者は杉野勇 ※引用者註:引用部の「a」の強調は、原典では傍点付きだったのを強調表示に替えたもの

おお、これは、サンプルサイズとサンプル数の違いがきちんと書かれていて、いいね。この後の部分も、ちゃんとこの用法が踏まえられて書かれています。

しかーし。

 たしかに標本調査は,ある程度の量のサンプル数を必要とする。また,事例調査に比べると,対象者の数はふつうは多いだろう。けれども,中には対象者の数が200人を超える事例調査があり,それよりも対象者の数の少ない標本調査もある。サンプル数の量としての大小を標本調査の第1の特質から導かれる派生的な特質と考えておいたほうがよい。(P168)より引用 著者は盛岡清志

 ところで,結果を統計量で表現し,また正確な統計的検定を行うには,ある程度のサンプル数が必要となる。調査対象者数(サンプル数)が少なく,したがって回答者数も少ない場合,回答者の中で極端な反応をする者がごく少数いても,全体の結果がそれにひきずられやすいことは容易に想像できる。(P169)より引用 著者は盛岡清志

えー。「サンプル数」を、「サンプルサイズ」の意味で使ってるじゃーん。

こういうのって、しばしば見られますですね。つまり、複数著者の本において、用語の統一がはかれていない。この場合、「サンプル数」をサンプルに含まれる要素の数の意味で使ってはいけませんよ、と書かれているにも拘らず、後の方で、思いっきりその誤りをしてしまってる訳で。読む側としては、読みやすいものでは無いです。サンプルサイズ関連では、同じケースを何度も見た事があります。「重要概念」と書いてあるくらいなのだから、もうちょっと何とかして欲しかったですね。

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