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2009年3月10日 (火)

勉強の機会

田部勝也さんへレス書いてたら長くなったので、エントリーに。よく書く「勉強」シリーズ。個人の経験に基づいた考えに溢れています。

※昨日書いた事(「実証」や「実験」について知っているのが望ましい、という話)について、いつそういうのを勉強するか、という話題です。

・望ましいのは学校(時間的に余裕がある。先生という専門家がいる)

・それが適わなかった人は、本やWEB

となるかと思います。私はものすごく後者ですね。

と言いますか、一応この国では、ある程度は、誰でもいつでもどこでも勉強は出来なくも無い、という状況は保てているかな、と。勉強が出来ないという場合、「機会」よりも、「心理社会的嫌悪感」が効いてきそうです。もちろん、「時間」が大きな障壁になる、という場合もあるでしょう。

学校教育という最高の機を逃したら、後は、ネットのやり取り、図書館で本を読む、詳しい友達に聞く、夜間・通信教育(通信講座・放送大学等)、セミナー(QCや実験計画のやつは、企業研修なんかで結構ありそうな感じです)。

ものっすごく個人的な事を書きますが、私は実は、「学校で教えてくれない○○」というのをキャッチフレーズにするのって、かなり嫌いだったり。実は学校ではめちゃくちゃ大事な事やってたのに、見もしなかったんだよね、というのが私の実体験に基づいた感想と言いますか。←私がいかに「勉強嫌い」だったかは、このブログに鬱陶しいほど書いてますね…。

後、実験に関しては、確立された知識体系における現象が成り立つか確認するというデモンストレーション的なものが主流なのだと感じます。誤差をきちんと取り扱うデザインを学ぶのは、大学以上が一般的ですよね。だから、

 ・実験計画
 ・社会調査
 ・疫学

辺りは高校までに考え方を教えるのがいいんじゃないかと思っています(教科に組み込むというかたちででも)。

専門知識と言っても、高度のレベルで無い限り、導入から超絶難しいという事もそんなに無いでしょうから、詳しい友達に訊いて楽しく趣味的にやる、というのでいいと思うんですね。RPGの攻略を突き詰めるのと本質的な所では繋がってると思います。

問題は、そういうのを堅苦しい「勉強」と捉え過ぎて遠慮したり構えたり、という事かな、と。(勉強は、「難しい」からやらないと言うより、「嫌い」だからやらないケースが多くある、というのが持論です。もちろんレベルにもよりますけど)

好きなものを徹底的に突き詰める、というのも良いと思います。それに関連するものもどんどん調べる。そうすると、大概の物事は底の方でなんらかの関連を持っているので、あらゆるものが繋がって、勉強していく事そのものが楽しくなってくる訳ですね。そこまで行ければ理想。でもそれがスタートライン。

もちろん、「いつ身に着けるべきか」、という問題だと、早い方が望ましい、というのは一般的に言えるのですが、それと共に、社会に浸透させる、のも重要ですよね。要するに、「知らない大人達」が沢山いるのだから、その人達も皆勉強しましょう、という。※私は「勉強」を、滅多にネガティブな意味で使いません

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このブログを見て下さい。コメント欄で、親切で知識豊かな皆さんが、色々教えて下さっています。これってすごい事ですよ。時間的にも空間的にも、20年前には絶対不可能な事だった訳で、利用しない手は無いですね。

後、『学習科学とテクノロジ』という本が興味深いので、オススメね。

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「科学論」カテゴリの記事

コメント

こんにちは、TAKESANさん。
お書きのところを読んで、ほとんどの学生が高校で確率分布(分散とか標準偏差とか)を習わずに卒業するという現在の状況は、かなりよろしくないように思えてきました。後で忘れてしまうにしても、一度習っておくという経験は大事なのに。

投稿: ウッちょん | 2009年3月10日 (火) 18:10

ウッちょんさん、今晩は。

確率や統計の考えというのは、本当に重要だと思います。世論調査一つとっても、それらの理論が背景にある訳ですものね。
(細かくて恐縮ですけれど、分散や標準偏差は、確率分布では無いですよね。)

私は20歳過ぎてから中学数学を勉強しなおしたのですが、そういう人が、気軽に聞けたりする機会が沢山あればいいなと思っています。勉強し直したいと思った時にすぐに出来る、という。

投稿: TAKESAN | 2009年3月10日 (火) 19:16

ところで、今は、確率・統計は、どのくらいまでやるのでしょう。科によっても違うとは思いますけれど。
私はどこまで習ったかな……多分、統計は習って無いような。普通科では無かったから、数学は微積分すらやらなかったですねえ。

投稿: TAKESAN | 2009年3月10日 (火) 19:21

塾屋で働いていた経験からしますと……、

おそらく大多数と思われる「大学受験に必要な部分だけやる」高校ですと、

・単純な試行の確率
・独立な試行の確率が積で計算できること
・反復試行の確率が二項係数で計算できること
・期待値の求め方

ここまでです。ここで終わっている場合、「分布」という言葉は出てきません(←個人的にココ重要と思います)。

一応、教科書には分散・標準偏差や、標本からの推定、正規分布、2変量分布あたりまで載っているのですけど、これらは数学BあるいはCの選択単元でして、多くの高校では扱わず、また大学入試でもあまり出題されないようです。このことは文系・理系問わずどの学部入試でも同じと考えていただいて構いません。

>分散や標準偏差は、確率分布では無いですよね。

ああ、すみません。ウッカリです(^_^;
これらは「分布」一般に関するタームでしたね。私のときはこれらを「確率分布」の単元ではじめて学習したように記憶しています。

投稿: ウッちょん | 2009年3月10日 (火) 20:11

なるほど、参考になります。

私がやったのも、多分その辺りまでですね。ほとんど憶えていないというのが、自分の勉強のさぼり加減を示している訳ですが…。あ、期待値はよく憶えてます。単語を知った事だけ。

ああ、BとCでやるのですね。自分はIIの途中まで(微積分の手前。多分三角関数辺り)だったんですよねえ。明らかにやらな過ぎですね。かと言って、含まれたとしてもやって無かったでしょうけど…。

ちなみに、二項係数による確率計算を初めて少し理解したのは、大村平さんの本でだったのですが、解った時は、感動しました。ああいう感動が数学で出来るのを知ったのは、大村さんのお蔭ですね(大袈裟で無く)。学生時代は、ご多分に漏れず、と言うか、「数学なんて何の役に立つのだ」病でしたので…。

投稿: TAKESAN | 2009年3月10日 (火) 22:34

ああそうだ。大事な所を書くのを忘れていました。

勉強の機会と言えば、いわゆる人力検索サイトもなかなかのものですね。
知恵袋なんかで、心理学やら統計やら、驚くほど丁寧で明快、しかも適切な回答が寄せられているのを見かけます。
もちろんこの場合、適切な回答がもらえるかどうかが不安定、という欠点がありますけれども(その点を考えれば、評判の良い掲示板で質問するのもいいですね)。

投稿: TAKESAN | 2009年3月10日 (火) 23:39

 私の先輩(大学教員)が、研究に必要になって、割と新しい分野のとあるテーマを勉強するため、院生と一緒に集中講義に出席しての感想が「講義というのは効率の良い学習形態だと改めて認識した」でした。

投稿: apj | 2009年3月11日 (水) 20:54

apjさん、今晩は。

なるほど、それは興味深いです。
意欲溢れる学生が多いと、講義も盛り上がって、講師への質問もどんどん出ますしね。そういう場合には特に、とても効率的なものになるだろうと思います。

投稿: TAKESAN | 2009年3月11日 (水) 23:53

そういえば、新しい学習指導要領が公開されてましたね。
高校数学での統計の扱いはだいぶマシになるみたいです↓。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/index.htm

私は素直に喜ばしいことだと受け止めています。

投稿: ウッちょん | 2009年3月13日 (金) 15:26

ウッちょんさん、今日は。

なるほど。PDFファイルから、ちょっと引用してみます。
▼▼▼引用▼▼▼(数学I)
(4) データの分析
統計の基本的な考えを理解するとともに,それを用いてデータを整理・分析し傾向を把握できるようにする。
ア データの散らばり
四分位偏差,分散及び標準偏差などの意味について理解し,それらを用いてデータの傾向を把握し,説明すること。
イ データの相関
散布図や相関係数の意味を理解し,それらを用いて二つのデータの相関を把握し説明すること。
〔課題学習〕
(1),(2),(3)及び(4)の内容又はそれらを相互に関連付けた内容を生活と関連付けたり発展させたりするなどして,生徒の関心や意欲を高める課題を設け,生徒の主体的な学習を促し,数学のよさを認識できるようにする。
▲▲引用終了▲▲

▼▼▼引用▼▼▼
第5 数学B
1目標
確率分布と統計的な推測,数列又はベクトルについて理解させ,基礎的な知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し表現する能力を伸ばすとともに,それらを活用する態度を育てる。
2内容
(1) 確率分布と統計的な推測
確率変数とその分布,統計的な推測について理解し,それらを不確定な事象の考察に活用できるようにする。
ア確率分布
(ア) 確率変数と確率分布
確率変数及び確率分布について理解し,確率変数の平均,分散及び標準偏差を用いて確率分布の特徴をとらえること。
(イ) 二項分布
二項分布について理解し,それを事象の考察に活用すること。
イ正規分布
正規分布について理解し,二項分布が正規分布で近似できることを知ること。また,それらを事象の考察に活用すること。
ウ 統計的な推測
(ア) 母集団と標本
標本調査の考え方について理解し,標本を用いて母集団の傾向を推測できることを知ること。
(イ) 統計的な推測の考え母平均の統計的な推測について理解し,それを事象の考察に活用すること。
▲▲引用終了▲▲
確率分布と推測統計がまとめて数学Bに入っているんですね。推測統計は、現過程では数学Cに含まれるのかな。一般的な統計の入門書程度の内容が一通り押さえてあって、良いですね。

全くどうでもいいんですが、ふと本棚を見たら、旧過程の数学Bの参考書がありました。確率分布は二項分布までが範囲ですね。

投稿: TAKESAN | 2009年3月13日 (金) 18:34

TAKESANさん、取り上げていただき有難うございます。

現行課程およびその前の課程でほぼスルー対象だった「統計」を“必修”の数学1に持ってくるというのはかなりの大英断だったはずで、これを決断した人は「もっと評価されるべき」だと思います。

この課程で授業を受けられる高校生たちが羨ましいです(「四分位偏差」って何だ?と思ったのは内緒です)。

投稿: ウッちょん | 2009年3月13日 (金) 23:43

数学基礎でも統計は入っているみたいですが、かなりさらりとやるようですね。数学Iで、分布の特性値や相関係数まできっちり習う、というのは、とても良い事だと思います。「生活と関連付けたり発展させたりするなどして,」という部分、実用性も意識されているのが見て取れますね。

四分位偏差は、箱ひげ図なんかで使われたりしますね。箱ひげ図最強。

数学Bの充実はかなりのものですね。確率分布を習うなら、推測統計の基本まではやっておきたい所。それをきっちりと入れているのは良いと思います。

投稿: TAKESAN | 2009年3月13日 (金) 23:57

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