統計学史
図書館や本屋を見てまわって思った事なのですが。
統計学の歴史をまとめて書いた本って、あまり多く無いように感じるんですが、これって気のせいでしょうか。統計解析の方法を紹介する本は唸るほど見かけるのだけれど…。
統計の勉強をしていると、色々な解析方法や理論があるのを知って、ではそれが歴史的にどんな流れで、どのような要請によって発見され、また編み出されたのか、という所も勉強したいな、と思う訳ですね。
で、図書館や本屋に行って探すけれど、たとえば独立したコーナーがあるくらいの量は無い、という印象。
需要はあると思うんですけどね。いや、単に私が探せていないだけかもですが。
何か良い本があれば、教えて下さい。
と、ただ教えて、というのはあれだから、私がこれまで読んだものをご紹介。
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統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀 著者:デイヴィッド サルツブルグ |
↑再読中。これは面白い本だと思います。
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R.A.フィッシャーの統計理論―推測統計学の形成とその社会的背景 著者:芝村 良 |
↑バリバリの学術書。値段見たら、結構するのね…。図書館で借りたから気付かなかった。
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確率の科学史―「パスカルの賭け」から気象予報まで 著者:マイケル・カプラン,エレン・カプラン |
↑確率の本だけど。これ、読んだっけ……記憶が曖昧。
amazonで見つけた、未読の本達。
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ナイチンゲールは統計学者だった!-統計の人物と歴史の物語- 著者:丸山 健夫 |
| 統計学史 著者:小杉 肇 |
| 多変量解析の歴史 著者:安藤 洋美 |
統計学史の本はいくつかヒットしましたけれど、最近刊行されたものは、あまり無い模様。
そして、国会図書館で検索しようとしたらメンテナンス中というオチ。
WEBページでまとまったものがないか、と調べたけれど、見つからないなあ。古い本だけれど、往時の事を知るという意味で、これなんかは参考になるかな⇒統計科学の三十年
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コメント
エントリで出されている質問への応答にはならないんですが、私も100年位前、それからそこへの伏線になっている事項に最近興味が高まっているので、ちょっと考えを述べさせてください。その考えというのは、過去について知りたいことの中味は「統計学史」というもので与えられるものとは違うような気がすることです。
掲示板の方で、有意水準5%はフィッシャーが決めたんだろうという人がいましたが、私はそうとは言い切れないように「感じ」ます。フィッシャーの研究室は計算機を使ってどんなt,F値についてもp値を計算できたでしょう。ギネスビールのゴセットの研究室もきっとそうでしょう。ところが多くの実務家は数表をもとに判定していたはずですので、その数表がどうやって作られ利用されていたかのあたりも洗ってみないと、またはフィッシャーの実際の発言を押さえないとその結論は受け入れがたいです。こういうのは歴史の問題であるとは思いますが、学史というより「雑学」、統計学の教科書の彩りとしてあればあったでいい(ただし入れるなら確かな知識である必要がある)ものと思います。
ウェブなんかで見ていると、正規分布というものの知識が獲得されるにあたって、どうもラプラス、ルジャンドル、ドモアブル、ガウスというビッグネーム達が天文学の誤差を扱う時にexp(-t^2)の定積分を扱ってたことが関係しているらしいんですよね。私はその辺がどういうものかを知らないので、できたら知りたいなあと思っているところです。知らなくても実務にはとりあえず困らないわけですが、知らないで「統計学」の教科書を書く人がいたら糾弾駆逐された方がいいのではないかという気がします。こっちは直接「統計学」の教科書に書かれていなくとも、(おそらく)本筋に立ち戻ろうとする際に必要なものでないかと思います。昔の人の基本的な文献(またはその翻訳)とその解説に必要に応じてアクセスできるようになっているのが理想でしょう。
どちらの場合も歴史を検討・研究する人の活躍が期待されますが、必要とされるのは「統計学史」のジャンルの本ではないように思いました。
投稿: ちがやまる | 2009年2月 9日 (月) 11:58
ちがやまるさん、今日は。
仰る部分も含めて色々まとめた本があれば助かる、と思っています。確かにそういうのは、いわゆる○○史、というのとはちょっと異なるのかも知れません。
有意水準5%に関しては、色々の文献やサイトで紹介されているものの、そこら辺を詳しく追っているものは、見かけた事が無いですね。
一番良いのは、統計系の学術雑誌を参照する事なのでしょうけれど。あるいは、ピアソンやフィッシャー、ゴセットなどの原典を探して読む、とか。
でも、そうなると、エントリーの趣旨とはずれちゃいますね。専門外の人間が参照出来るような単行本はないだろうか、というものだったので。
正規分布については、上掲の、『確率の科学史』に、ある程度詳しく書いてあったような気がします。ちょっとうろ憶えですが…。
後、品質管理方面の歴史も調べてみたい所です。
K. ピアソンの伝記的論文を発見。シリーズもの⇒http://ci.nii.ac.jp/naid/110004829664/
投稿: TAKESAN | 2009年2月 9日 (月) 16:41
http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20050820
こちらによると、
▼▼▼引用▼▼▼
先日も芝村良「R. A. フィッシャーの統計理論」(九州大学出版会[2004])のpp. 51に「今日においては、有意水準は5%および1%に設定されることが慣例となっているが、(中略)そうした有意水準の設定の根拠がフィッシャーによってconvenientやpreferという主観的な表現を用いて説明されていた」とはっきりと指摘してあるのを見つけました。
▲▲引用終了▲▲
との事です。
芝村氏の本、つい昨日、図書館で再読したのですが、後半をパラパラめくっただけなので、この箇所には気付きませんでした。参考文献もあると思うので、今度、もう一回読んでみよう。
投稿: TAKESAN | 2009年2月 9日 (月) 16:52
http://www.hs.hirosaki-u.ac.jp/~pteiki/research/stat/qa/qadiff.html
▼▼▼引用▼▼▼
有意水準の5%はFisher RAがローザムステッド農地試験所に勤務したとき,20年のうちに1回偽の報告をし,これくらいのことは“まれ”であると考えたことに由来する。
▲▲引用終了▲▲
参考文献は無し。
投稿: TAKESAN | 2009年2月 9日 (月) 17:03
私が最近読んだ本では
確率と統計のパラドックス ~生と死のサイコロ~
スティーヴン・セン/著 松浦 俊輔/訳 青土社
がいちばん面白かったですよ。
全体としては、医療分野の統計の話ですが、様々な統計史上の重要人物を、エピソード的なものを交えて順に歴史を紐解く感じでして、医療分野の門外漢の私も「統計史」の本として読めました。
「それが歴史的にどんな流れで、どのような要請によって発見され、また編み出されたのか」という要望にはうってつけかも。
何より、ずっと寝転んで読めたほど、読みやすくて面白い文章で、「構えなくても読める」点で非常にオススメです。
...という記憶があります(図書館で借りた本なので)
投稿: Judgement | 2009年2月10日 (火) 01:05
破壊の天・・・Jさん、今晩は。
あ、それ、地元の図書館にあって、いつか読む本リストに入ってた本です。確か、ここでzororiさんが紹介されたのだったかな(記憶違いでしたらごめんなさい)。
読み物としても面白そうですね。次図書館に行ったら借りて来よう。
投稿: TAKESAN | 2009年2月10日 (火) 01:45
あ、「史」の本じゃなくて、エピソードにもとづいた統計学入門の本ということなんですね。
http://www.kbs.med.kyoto-u.ac.jp/Senn.pdf
投稿: ちがやまる | 2009年2月10日 (火) 04:18
ちがやまるさん、今日は。
書評、読みました。面白そうですね。て言うか、佐藤氏の文章は読ませますね(「しまりす」しか読んだ事無いですけど)。
医療統計方面にクローズアップして、色々なエピソードを紹介したり、歴史的な流れを追ったりした本、という感じかもですね⇒http://www.seidosha.co.jp/index.php?%B3%CE%CE%A8%A4%C8%C5%FD%B7%D7%A4%CE%A5%D1%A5%E9%A5%C9%A5%C3%A5%AF%A5%B9
投稿: TAKESAN | 2009年2月10日 (火) 12:01