好き嫌い
有線やラジオから流れている曲を聞いて、お、これいいかも、と思ってたら、実は自分が嫌いな歌手の歌だった、というのが判明した時、何とも言えない気持ちになりますですね。
自分は、この歌手の歌が好ましく無いと感じて、この人の歌はちゃんと聞き分けられて、嫌いだと感じるものだと思ってたのに……的な。
別に、嫌い(好きになれない、とか、でもいいんですが)である状態を続ける必然性は全く無いのにね。嗜好の方向性が変わったとか、自分が聞いてきたのがたまたま合わなかったとか、色々理由は考えられるはずで。
自身の認識に一貫性を求めたがる、という心理はあるかも。そう簡単に姿勢は変えられないぞ、みたいな。
歌じゃ無くてもね。アニメ観ていて、お、このキャラの声優は上手いぞ……と思ってたら、実は、自分が下手だと認識していた人だった、とかね。
先入観ってのは、固い殻みたいなものですな。
「何とも言えない気持ちになりますですね。」とか書いてますけど、今は、大分思わなくなりましたですね。おお、実はこんなに良かったのか、となったりします。
少しは大人になったのかな…。そうなって感じたのは、あれは嫌い、これも嫌い、と言っているのを聞く方は堪らんだろうなあ、という事。結構、「自分はこれが嫌いであるのを知らしめたい」と言わんばかりの人、いますね。嫌いなら、話題に出さないのが一番なんですけどね。自分はこれが嫌いで、それには一般的に正当な理由があるのだ、というのを力説したいのでありましょう。
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コメント
こんばんは。
何かを評価するとき、好き嫌いを最初に持ってくる人が多いのですが、実は一番最後に持ってくるのが良いのではと思っています。
特に学生の作品などを評価する時は、好き嫌いを前提にしてはいけません。教員の主観の押し付けになってしまいます。ある一定の水準に達していると思える作品であれば、まずはじっくりと向き合って、最後の最後に好きかも、嫌いかも、という判断をするようにしています。
とか言いながら、好き嫌いで判断してしまうこともあるのですけどね。
投稿: corvo | 2009年2月 3日 (火) 01:06
先入観が強いと、結果的に損をしたり。
ぼくはある一時期から、なんとなく自分の嗜好性を意識して拡大していくようになりました。そのほうがいろんなものを楽しめてお得、みたいな。
そのうえで結局好き嫌いは生じるんですけどね。
投稿: pooh | 2009年2月 3日 (火) 08:08
こんにちは、皆さん。少し無茶を書いてみますね。
陽明学では「色を好み、臭を悪む」なんて言うんですけどね。綺麗な何かを見たら自ずと目が惹きつけられる様に善を為し、嫌な匂いを嗅いだら自ずと息を詰めるように悪から遠ざかる境地を目指すんですね、これが「知行合一」なんです。
なんていうかな、心を磨き練った先にはこういう境地があると信じるのが陽明学の徒であるわけです。
投稿: 技術開発者 | 2009年2月 3日 (火) 08:40
皆さん、今日は。
他人の作品を評価し、それを外に向けて発表するのは、なかなか難しいものですね。本質的には、好き嫌いとは完全に切り離す事は出来ないでしょうし、また、自分が好きなものは一般的に評価されるべきものでもあるのだ、という思いも持ってしまいがちですね。
私自身、好き嫌いの激しい人間ですが、この場においては、基本的に、好きなものにしか言及しなかったりします。
若い頃は、興味が無いものには全く目を向ける事をせず、何でもかんでも嫌っていましたね。自分が興味あるものこそがよいものだ、という感じで。
何にでも理解を示す的態度をとる、というのとは違いますが、余計なバイアスをなるべくかけないようにしていきたいですね。
投稿: TAKESAN | 2009年2月 3日 (火) 11:39
たしかpoohさんのところでも同様のことを語ったような記憶がありますが、物凄く好きになる前段階として物凄く嫌いになると謂うプロセスもあるように思います。
自覚的な既存の趣味嗜好に合致するから好きになると謂う場合と、まったく自分の思惑や想像力を超え既存の傾向から逸脱した異質なものとの出会いがあって、或る程度の葛藤を経て受容する場合があるように思います。
後者の場合、最初の出会いの瞬間は異質なものを排除しようとする心理機序が働いて、強烈な不快感を感じることが多いのではないでしょうか。
そこで快不快のアンビバレントがあって快が克つ場合もあると謂う図式なのか、それとも強烈な不快感を何とか宥める為のスタビライザーとして好きになるのか、その辺はわかりませんが、自分の経験的に謂うと、物凄く好きになる場合には前段階として物凄い拒絶反応があるケースが結構多いですね。
投稿: 黒猫亭 | 2009年2月 3日 (火) 14:18
黒猫亭さん、今晩は。
以前大嫌いだったけど今は好き、という人はやっぱりいますね。芸能人とかでも。
その心理の変遷には、実に色々の事が絡んでいるのだろうな、と振り返って思います。視野が広がった、というのもあるかも知れません。そうなると、なんであそこまで嫌いだったのだろうな、って感じたり。
私自身は、そういう風なプロセスは、それほど多くは無いようです。今はどちらかというと、特に惹かれないものにはそもそも関心を向けない、という感じでしょうか。
投稿: TAKESAN | 2009年2月 4日 (水) 00:16