« いたずら | トップページ | 素晴らしい教材 »

2008年10月25日 (土)

出来るかも?

<大阪・中3ひき逃げ>逮捕の中3女子「ゲームで自信、初めての運転」(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

A-WING::Frog is not Blog::リアルだけどリアルじゃないので

情報が少ないので、件の少女について具体的に何か言う、というのは出来ませんが、一般論として。

私らみたいな、ゲームを何十年もやってる人達は、知ってるんですよね。違う、という事を。いかにリアルに近づけるか、というベクトルでもゲームが進歩してきた、メーカーもユーザーもそれを志向した、というのを知っている。

だから、ゲームはリアルを再現しようとする、というのをメタに認識していて、その上で、絶対にリアルとは違う、そこにはどうしようも無い断絶がある、と常に考えてきたんですよね。

グランツーリスモシリーズみたいに、出来る限りリアルなシミュレータを目指すものもあれば、ある種のデフォルメをほどこして「ゲームらしさ」を目立たせ、「ゲームならでは」の面白さを追求する、というものもある。そういうのをひっくるめて「ゲーム」なんですよね。それがその文化の素晴らしい所でもある訳だし。

そういう意味では、少女が至ったような認識は(それが本気かは解らないですが、本当なんでしょうな。取り敢えずゲームのせいにしよう、などという知恵が働くとは考えにくいし、日本でそんな事やっても意味無いし)、まあ、未熟なのだろうな、と。本当にゲームをやって実車を運転したくなる、という人間がいたら、周りが、「お前はアホか?」と言ってやらないといけない訳で。全然違うよ、と。

すごく広く意味を取れば、こういうのも「ゲームリテラシー」と呼べるのかも知れません。

もちろん、私なんかも、別に、最初から理解出来ていたという事でもありませんが。色々学習していくのですね。ただ、今の人達とは、やっぱり状況が違う。※別に、世代の傾向として、どう考えやすいか、と決めているのでは無いです。ゲームは段階的に進歩してきて、ユーザーはそれを見てきた、という事実の話。初めからPSPやDSがあるのと、ファミコンが出てきて狂喜した時代とは、やっぱり違う。

まあ、出来るだけ、楽しみながらも勉強はして下さい、という感じです。

------------

こういう事件そのものについて。

この手の馬鹿は、ある程度の頻度で現れるものだと思います。事故ったら目立つ、というのはあるのかも知れません。私が高校の頃だったか、クラスメイトの(下の)きょうだいが、やはり興味を持って車を運転してしまった、というのがありましたね。きっかけは色々でしょうが。そんなに珍しい事なのだろうか、と疑問には思います。事故は起こさなかったけど見つかってこっぴどく叱られた、という事例は多そう。馬鹿だけど頻繁に出る馬鹿、という感じかな。

理論的には、ゲームは学習の般化という錯覚を起こさせる場合はあるのかも知れません。ゲームにもよるけれど、「シミュレータと誤認される」、というのは、可能性としては、あり得る。別に、絶対運転出来るかも、なんて思わなくても、ひょっとしたらいけるかも……なんて事は、まあ、あるかもね。

リズムアクションをやって楽器演奏出来るかも、と思うようなものですな。学習の般化というのは、構造が似通っていれば起こるのだろうけれど、それでも別物な訳で。別物だから別物ならではの楽しみがある、という認識を持つのがゲーム好きだったりしますが。

ただ、リズムアクションと違うのは、対象が実車である事。これはもう、ゲーム云々というよりは、あんな物体をコントロールする事そのものへの「恐怖」を覚えなくちゃならないと思います。そういう意味で、基本的な想像力の問題のようにも思います。まあ、ゲームを否定する人なら、ゲームがその想像力を欠落せしめたのだ、と言いそうですが。もちろんそんな話はナンセンスですけど。

------------

君は、ゲームをやって車を運転したくなったの? うん、馬鹿だね。その馬鹿さ加減が人を殺すかも知れないんだよ。

|

« いたずら | トップページ | 素晴らしい教材 »

「ゲーム論」カテゴリの記事

「メディア論」カテゴリの記事

「社会論」カテゴリの記事

「科学論」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。

昔、フライトシミュレーターソフトにハマって、ハイジャックを起こした馬鹿がいましたね。

ただ今回の事件の場合、無免許運転・轢き逃げしたのが中3「女子」だったから大きく報道されているのですよね。少年だったらそう珍しくはない。また、「ゲームで運転に自信を持ち、本物を運転したくなった」も女の子では珍しいかも知れませんね。

でも、ゲームでの運転に慣れていようがいなくても、今どきのクルマはAT車ですから運転自体は簡単ですよね。どちらかと言うと問題は彼女が「法規走行」しなかったことにあると思います。

投稿: エディ | 2008年10月25日 (土) 04:08

おはようございます。

私は、この事件のポイントは「無知」だと思います。本物の車を運転したことがないから、ゲームとは違うってことを知らなかったんだろうと思います。
また、自分が無知だということも知らない。

この事件、振り返って自分のこととして考えてみると、おもわず顔が引き締まってしまいます。

投稿: A-WING | 2008年10月25日 (土) 10:08

エディさん、今日は。

そうですね。事故を起こしたのが女性だった、というのが、注目された要因の一つかも知れません。それとやっぱり、ゲームは解りやすいんでしょうね。

車両をコントロール出来るという意味での「運転出来る」と、ルールを知ってそれを守って走行させるという意味での「運転出来る」は全然違うのに、それが理解出来なかったのでしょうね。
もちろん、単に車両をコントロールするというのも、「動かす」程度なら、AT車なら簡単だけれど、思う通りに動かしていく、というのは困難なんですよね。

------

A-WINGさん、今日は。

自分が無知である事を知りようが無かったんですよね。実車は、よほど特殊な環境(レーサーとか)でない限り、あの年齢では運転出来ないのですし。
で、それを補うのが想像力だと思います。
やっぱり、知識が無い事と、想像力不足なのでしょうね。「怖さ」を想像するのは特に大事だと思います。

投稿: TAKESAN | 2008年10月25日 (土) 12:05

>絶対にリアルとは違う、そこにはどうしようも無い断絶がある、

諸手をあげて同意です。そもそも遊びというものは、その断絶に立脚するもの、もっと言えば、その断絶を楽しむものなのだろうと思います。限りなく本物に近づけようとすることはあっても、それはあくまでフェイクの面白さであって、本物では意味がない。食品サンプラーを集めて楽しむ人だって、「本物と見まごうようなニセ物」という点がこだわりの原点でしょう。

以前ちょっと言及した奇術マニアの友人も常日頃から、トリックという「合理的な手段」で「非合理な現象」を生み出せるところが面白いのであって、本物の魔法では意味がないと言っています。ま、本物の魔法が使えれば、別の意味で面白いかもしれませんが、それは遊びとは別の世界に行ってしまうわけで。

投稿: ネット沙代 | 2008年10月25日 (土) 12:29

ネット沙代さん、今日は。

そのものでは無いもの特有の楽しさ、というのがありますよね。初めは何かをシミュレートしようとしたのだとしても、その内に、その文化独特の面白さが生まれてくる。

サバゲーマニアとかは、多分、それ自体が好きなのであって、実銃を撃ちたい心理がある、という事では無いですよね。戦闘機マニアは別に、操縦したい訳でも無いでしょうし。
それで、中にはそういう人間も存在はし得るでしょうから、そういうのが出てくると、目立つのだと思います。そして、それが典型だと思われたりする。

そこら辺の面白さや「違い」というのを理解して教えるのが重要なんじゃないかなあ、と。件の少女に関しては、あなたはゲームの事をちっとも解っていなかったんだね、って。

投稿: TAKESAN | 2008年10月25日 (土) 13:49

 ただ、やってたゲームが何であるかが報道されないのが気になってます。
 リアル志向のグランツーリスモみたいなのにはまった挙げ句という話なのか、熱中していたのがマリオカートだったのかで、意味が全く違ってきそう。

投稿: apj | 2008年10月25日 (土) 19:36

apjさん、今晩は。

記事によれば、アーケードゲームらしいですけど、タイトルは公表しないでしょうねえ、この類の話だと。
筐体が実車に(コンシューマよりは)近い、というのがポイントなのかもですが。

投稿: TAKESAN | 2008年10月25日 (土) 21:01

ああ、テレビのニュースだと、少女がプレイしていたレースゲーム、とかいって、タイトルは出さずとも、画像は出したりするか…。

投稿: TAKESAN | 2008年10月25日 (土) 21:04

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/13103/24722885

この記事へのトラックバック一覧です: 出来るかも?:

« いたずら | トップページ | 素晴らしい教材 »