« 全然解っていない人 | トップページ | トライ »

2008年9月21日 (日)

調べてみた

PSJ渋谷研究所X: 国土交通省にも神戸市にも「水伝」汚染?を読んで、私も「ゲーム脳」で調べてみました。

肯定的に採り上げているものだけ載せます。

○ac.jp

帯広ひまわり幼稚園>通信『ゆりかご』

比較的穏当にも見えるけれど、ゲーム脳については疑い無く受け容れている様子。

過保護・過干渉・TVゲーム (めるへんの森幼稚園【園長室から~園だより】)

 三つ目に、「TVゲーム」についてだが、TVゲームをしょっちゅうやっている子は、大脳の前頭前野といわれる知性や情緒を司る部分の発達に影響がある、ということを多くの脳学者が指摘している。いわゆる「ゲーム脳」といわれる現象だ。特に、暴力や戦争を扱ったゲームは、子ども達の仮想体験によって、「暴力や死」に対する抵抗感を少なくし、命の尊厳への想像力を失わせる。人々に求められる想像力とは、他者の気持ちや立場を考え、理解することができる力ということだ。そのことからも、幼児期にこそ豊かな想像力を育てることが大事で、そのためには童話を聞かせたり絵本を読んでやることが有効だと考えている。
 なお、中学生くらいまでは、ゲームをさせてはだめだ、ということを主張する学者もいることを付言しておきたい。

典型的な受け容れ方。”この演題としてあげた「過保護」「過干渉」「TVゲーム」の言葉を、私は子どもを育てるうえでの「三大悪」と、独断的に決めつける。”だそうです。

ウェブの囲碁対局にはまる(@沼津高専電気電子工学科

一応、批判があった事も書いてあります。でも、コンピュータ・ゲームへの強烈な偏見が…。

情報系大学生の心理的特性理解と指導、援助技術に関する研究(2) ~「デジタルホーリック」の概念と属性の検討を中心として~(@東京情報大学総合情報センター 電子文献サービス

画面脳の人とかanomyさんのような視点ですかね。ゲーム脳に肯定的、という訳ではありませんが。

テクノストレス等の概念とゲーム脳を安易に結び付けてはならない、というのは私が何度も書いている通りです。

帝京科学大学附属図書館 - 図書館だより 第23号 2003.1.17(@帝京科学大学附属図書館

見事にゲーム脳本を鵜呑み。書いた方のプロフィール⇒小川家資 | アニマルサイエンス学科 | 生命環境学部 | 帝京科学大学

あーゆす12号2頁(@京都文教大学図書館

タイトルが、「感性を磨く ~ゲーム脳にならないために~」。

現在の人間は感性が失われて云々、という言い方は結構見るのですが、果たしてそれに、どれほどの根拠があるのでしょうね。それこそ直感でしょう。

テレビゲームが子供に与える影響についての一考察 ~ゲーム脳を中心に~(@国際学院埼玉短期大学)       

論文(卒論かな)の概要。

『ゲーム脳』とは一体何なのか。「人間らしい感情や創造性をつかさどる大脳の前頭前野の活動が、テレビゲームをするときに目立って低下する」という記事を読み、今の子供たちの脳に異変が起きていることがわかった。

記事を読んで解ってはいけないと思います。全体的に突っ込み所満載だけど…。取り敢えず、ゲーム脳論そのものについてきちんと調べれば良かったのに。

こんな本読みました(その5)(@のぞみ幼稚園(高松市)

原典を読んでこの感想というのは、ゲームへの先入観が働いているのかなあ。ゲーム脳本は、かなり解りやすい破綻なのですが、途中で脳の生理学についての教科書的な記述を挟んでいたりするから、そこら辺は巧妙かも。

子どもの身体活動を考える~体ほぐしの運動から~welcome to nao's Home Page筑波大学 体育専門学群 運動学体操方法論研究室

運動の量の不足が心身に好ましく無い影響を与えているのでは、というのは確かに尤もらしい。でも、飛躍してはいけないのです。

 すでに数多くの識者が指摘しているように、こうした小さな画面の中に身をおく遊びが、感受性豊かな子どもたちの心や体を様々な形で蝕んでいることは否めない事実である。最近話題の「ゲーム脳」は、その恐ろしさを示す事例のひとつ。この造語を考え出した森昭雄によれば、長時間、ゲーム漬けになっていると、意欲、判断、情動抑制など、人間らしさを保つために重要な働きをする前頭前野が平常時から機能しなくなってしまうという。「キレる」子どもたちを生み出している背景には、テレビゲームに浸り続ける子どもたちのライフスタイルがあると警告する。

科学的思考を鍛えたはずの人々がこのような飛躍に陥っているのは、対象についての先入観・無知が関係しているのでしょうか。

理想学園 ひかりのいずみ幼稚園 つみき幼稚園:テレビゲーム(@理想学園 ひかりのいずみ幼稚園 つみき幼稚園

ゲーム脳と『脳内汚染』のコンボ。

幼児教育に対する意識が強いが故に、というのもあるのかも知れません。「しかし、上記両著によって、テレビやビデオ、特にテレビゲームが子供の心と脳を蝕んでいることがはっきりと分かりました。」と書いています。つまり、科学者の御墨付と看做しているようなものですね。ゲームの悪影響が科学的に明らかにされたのだ、と。ニセ科学が存在するという事実を知らねば、そうなるのも仕方無い部分があるのかも。

学長式辞(@東京学芸大学-TOKYO GAKUGEI UNIVERSITY-

感性の重要さを説く人が、非常に不寛容である場合があるのは、興味深い所です。

 急速な技術進歩や生活様式の変貌によって、これまで人間が積み上げてきた経験則は次第に忘れ去られ、無化されます。便利さと安易さの中で、人間生活にとって重要な側面が捨象され、人間形成の上の大きなゆがみが指摘されています。例えば最近話題になったゲーム脳など一つの典型かもしれません。テレビゲームをやりすぎると、精神活動を司る前頭葉の機能が低下し、認知症というのか痴呆症というのか、それと同じ脳になるという指摘です。
 「見るとは、像を殺すことである」。ドイツの劇作家ハイナー・ミュラーはこう言いました。見ることは、像を、イメージを殺すのだろうか。いや逆だろう。見ることによってイメージは豊かになるのではないか。普通はそのように考えます。しかしそうではないと言うのです。今はまさに映像の時代、ビジュアルの時代です。見ることは大きな比重を占め、そこから啓発されること大です。しかしよくよく考えてみますと、見ることによって、与えられた像やイメージは、思考や想像の回路を経ることなく、そのままインプットされた形で固定化されてしまいます。見た印象が強ければ強いだけ、その直接性に大きく規定されます。その結果、多様に想像し、自らの像をイメージすることが出来なくなるでしょう。

大学の学長式辞でこれは、頂けないなあ。想像力というものについてもっと想像した方が良いのではないでしょうか。

http://www.kogakuin.ac.jp/mado/mado134.pdf※PDFファイル(@学園広報誌「窓」 | 工学院大学

附属中学・高校の入学式での、校長の式辞の模様。完全に鵜呑みにしています。科学的に解明、と言っていますね。入学式でねえ…。

http://www.taiiku.tsukuba.ac.jp/sc/5_1/01/intro.html(@筑波大学体育系Web

こちらも、体育教育を重視する立場から、ゲーム脳に肯定的な内容が書かれています。子どもがキレやすいか、とかは、総体的な傾向の話で、本来疫学的な方法等によって解明すべき事柄なのですが、強く主張している割りにはそこら辺に無頓着なように見えますね。

基調講演「親が変われば子が変わる」※PDFファイル(@学校法人 浦山学園 | TOPPAGE

来ました、「親学」。

 これは朝日新聞が取り上げたものですが、ゲームにずっとのめりこんでいる子は、その書いた絵の中に、キャラクターと実際の家族が混在している。つまり、仮想と現実が一緒になってしまっている。最近、モリアキオという方の「ゲーム脳の恐怖」という本が出ました。小さい頃からずっとゲームにのめり込んでいる子は、前頭ぜんやという頭の中の人間らしさを扱う、激しい情をコントロールする場所があるんですが、その機能の低下を起こしてしまう。そこで、ムカつき、キレるということが起きてんだということを詳しく書いています。

典型的な、「仮想と現実の混同」論。

2005年4月のあらきけいすけの研究日誌

もしこれが、 ビデオ・ゲームに熱中してフィジカルな体験の時間が奪われている結果だとするなら、 この未経験のまま年をとる状態を「ゲーム脳」と呼んでも良いかもしれない。

ダメですよー。

※あらきけいすけさんがゲーム脳に肯定的、という事では全くありません。そこはよろしく。「ゲーム脳」の再解釈・再定義になっているので、そこは注意した方がいいかな、という事です。あれは森氏の造語だ、というのは押さえとかなくてはならないので。

○go.jp

ヒット数も少なく、肯定的に採り上げているのは特に見当たりませんでした。

○ed.jp(PDFファイルが多いです)

▼http://www.nagasaki-city.ed.jp/nishikita-e/nishikitadayori/h18/gakkou%20dayori/2gou-2.pdf※PDFファイル(@西北小学校

見事に鵜呑み。しかも、結構具体的。こういうのが配られたり、読まされたのだというのを考えると、残念ですね。

ゲーム脳とその予防(@市場小ホームページ

一番最後に、取って付けたような、小さい文字の注意書きがあります。バランスを取ろうという意図からなのでしょうけれど、そうはなっていないですね。

▼http://www.machida-tky.ed.jp/e-machida1/hokensitu/hoken0712.pdf※PDFファイル(@町田市立町田第一小学校

保健室便り。イラストを多用してチェックリストまで作り、凝った内容……って、ダメじゃないか。熱意があるのはいいのだけど…。

▼http://www.miyoshi-yasuda-e.hiroshima-c.ed.jp/19nendo/tayori2.pdf※PDFファイル(@三次市立安田小学校

今年の2月。「サインズ・オブ・タイムズ」というのが何なのか解らなかったので調べたら⇒福音社:サインズ

これはなかなか…。

それにしても、こういうのって、安易にお手玉を奨励したりしてる訳で、それはそれでまずいですね。

▼http://www.tym.ed.jp/sc138/hoken_hp/gakkouhokeniinnkai.htm(@射水市立小杉小学校

ゲーム脳は、小児科医や保健関連の人の支持がよく見られますね。とても安易にメカニズムを前提として、そこからロジックを組み立てています。その前に調べるべき事が沢山あるのですが。

▼http://www.fuchumidorigaoka-j.hiroshima-c.ed.jp/02osirase/01tayori/hotstation/17/hotstation1213.pdf※PDFファイル(@府中緑ケ丘中学校

「恐ろしい話」って…。あんまりですよ。根拠無いのに恐怖を煽ってどうするんですか(もちろん、根拠があると思っている訳だけど)。

▼http://www.onomichi.ed.jp/shigei-j/h19/h19.9gakkoudayori.pdf※PDFファイル(@広島県尾道市立重井中学校

来ました、片岡直樹氏。心を「魂」と結び付けるのは、どうでしょうか。非常に危うい表現だと思います。科学者としてはかなり不用意なような。

メルマガ@かかみはら 第9号(@岐阜県立各務原高等学校

森氏の講演を聴講して書かれたようです。主催は、「岐阜県教育研究会保健部会」。むう…。

高校生くらいになると、何言ってんだよ、的な反応もあったりしそうですが。

▼http://www1.sakai.ed.jp/weblog/data/sakai054/14536/kouhou%20fuyuyasumi061222.pdf※PDFファイル(@堺市立宮園小学校

ゲームを単純化して見ているんだなあ、という印象。子どもがやっているのをもっと見てみればいいのに、とも思いますが、バイアス掛かったまま見ると、暴力描写がクローズアップされたりするかも知れないので、難しい所。

------

取り敢えずこのくらい。実際検索すると解りますが、「ゲーム脳 site:ed.jp」でググると、170件くらいヒットして、ほぼ、ゲーム脳をそのまま受け容れています。キリが無い。

WEBを活用している学校でこれくらいヒットしたので、学校便りや保健室等で、ゲーム脳について肯定的な採り上げ方をしているのは、潜在的にかなりあると推測されます。

それにしても、ゲーム脳はニセ科学ですよ、的な記述が皆無というのは…。しかも、つい最近書かれたものもありますしね。やはりゲーム脳は根深い。こういうのを、蔓延と言うのかな。

------------

えー、感想。

頭が痛い。

|

« 全然解っていない人 | トップページ | トライ »

「ゲーム脳」カテゴリの記事

「社会論」カテゴリの記事

「科学論」カテゴリの記事

コメント

あれ、ed.jpのPDF、リンクが張れて無い。何故?

えっと、すみません、お手数ですが、アドレスを窓に放り込んで下さいな。

投稿: TAKESAN | 2008年9月21日 (日) 00:13

うわあ。そうか、教育現場にはゲーム脳のほうが親和性が高そうですね……。
暗数というか「ヒットしなかった分」についてはぼくも気になっていて、あえて大仰に言うと「氷山の一角」とかいう表現も思い浮かびます。ゲーム脳や「朝ご飯で学力向上」みたいな話は、保健だよりにもよく出てくるし、また学級だより、学年だよりという発行物も多くの学校が出していますが、そこまで細かく公開している学校は多くありません。
さらに、地域の養護の先生や保健体育の先生をネットワークしている組織が各地にあって、会報を出したり、年に一度ぐらいは研究発表ふうの冊子を出したりしています。そこで「朝ご飯で学力向上」の話を見たこともあるのですが、そういうものをネット上で見たことがありません。

どうしたものかなあ……。

投稿: 亀@渋研X | 2008年9月21日 (日) 07:50

地方大学農学系,上の方でnetから遠い世代だと,学部長クラスでも普通に「水のクラスターが変わる」とか口にされる方がお出でですよ。
 今は,独立行政法人になって,「稼がないと」圧,「地元産業還元」圧が高いので,結果的にグレー・ゾーンの方も,実際お出でになります。最近は,世間知らずでは危ないという意識が生まれてきているので,一時期ほどではありませんが。

投稿: complex_cat | 2008年9月21日 (日) 09:11

亀@渋研Xさん、今日は。

「ゲーム脳」をそのまま使っているもの、というのでも暗数のようなものが考えられるし、その言葉を使わずに、「ゲームをやると脳が壊れる」、という言い方だけする、というのも考えられるので、正確な推定は無理にしろ、かなりの数がある、というのは推察出来ますね。

今年になって書かれたものもありますからね。その浸透はかなりのものだな、と思います。ダイレクトに教育に関わり、子どもの遊びとして欠かせないゲームに絡むものだから、善意によって情報を広める、という人も沢山いるのでしょう。

------

complex_catさん、今日は。

ゲーム脳の場合は、理科系学問についての知識は当然ですが、それと共に、「ゲームへの先入観」というのが大きく働く、と考えています。

保育学のテキストのコラムで採り上げたりしましたからね(PseuDoctorさんの抗議により、次の版で削除される模様)。頭が痛いです。

投稿: TAKESAN | 2008年9月21日 (日) 11:12

こんにちは。
調べてしまいましたか・・・・(笑)

実は私も、まえに某幼稚園のサイトで見つけまして、それからドメインレベルでググったことがあります。
そしたらあまりに大量に出たので、これ全部ツッコミ入れてたら生活に支障がでそうだなぁと恐れをなして、やめました。

以後、地元自治体に出現した使徒、じゃなくて人のみを相手にすることにしました。幸い(?)なことに、今のところ遭遇したのは、鳥取県警主催によるわれらが森昭雄本人による講演一件のみです。「批判は知っているけどいろんな意見の一つ攻撃」を受けて玉砕しましたが・・・

幼稚園がっけこう多いんですよね。あと、保育所や、無認可保育なんかも入れると、もっと増えるでしょう。
ゲームは、保育所のメインサービスである「お遊び」と直結するんで、「早期教育」されやすいかもしれませんね。

投稿: A-WING | 2008年9月21日 (日) 15:29

A-WINGさん、今晩は。

ed.jpだと高校くらいまでがヒットするので、やはりバンバン出てきますね。

幼児教育に関心がある人にとっては、電子メディアの影響というのは無視出来ないものなのでしょう。だからこそ、専門家には慎重になってもらいたいのですが…。

親学なんかとも親和性が高いし、「脳科学」と関連付けられるので、教育現場に蔓延ったのでしょうね。マスメディアの責任も大きかろうと思います。

投稿: TAKESAN | 2008年9月21日 (日) 21:23

TAKESANさん
# いつぞやは乱暴な意訳で失礼しました。

検索とツッコミお疲れ様です。
ずいぶんたくさんみつかったようですね。

A-WINGさん もご指摘の通り、ゲーム脳は幼稚園の年齢層にも食い込みやすいようですね。かくいう石田も幼稚園がらみでゲーム脳に出くわしたりしてます。
まぁ石田の場合は、子供が通ってる幼稚園自体がゲーム脳のデタラメを受け容れてるわけではなくて、幼稚園や PTA の連合会などが、ゲーム脳を真に受けてる程度なので、まだましかもしれません。

石田は石田の利害関係が及ぶところで、ゲーム脳とか水伝とかに出くわしたときは、できるだけ「それはマズいですよ」って、主催者の人とかに伝えるようにしてます。けど、こういう地道な行動で効果があるのかは、ちょっと心もとない気はしてます。

投稿: 石田剛 | 2008年9月21日 (日) 21:52

http://blog.canpan.info/brains

私が知っている場合の、典型的なゲーム脳肯定論の小学校教諭の例です。
ゲーム脳以外の運動とか学習について考えてる部分まで批判することはないと思うけど。(まあ、嫌なタイトルではありますが。)

あと、「メンタルヘルスの立場」からは、「早寝早起き朝ご飯」には(大人にも子供にも)午前中からキレにくく、判断力や注意力を働かせるようになる、という効能がある
#少なくとも私自身はそういう(=朝食抜きで午前中頭が働かない)傾向があるので、朝食を毎日ちゃんと摂るようにしている)
ので、そういうものをゲーム脳と一緒くたに批判しないで欲しい。

投稿: anomy | 2008年9月21日 (日) 22:25

ゲーム脳+.pdfで検索したことはあるけど、
アドレスレベルで調べることは思いつかなかった……
小中学校の学校・保健だより程度だと思ったら大学の学長式辞まで入り込むとは森昭雄もとんでもないことをやってくれましたね。

10月の健康行動学会の学術大会が楽しみです。

投稿: アルファ | 2008年9月21日 (日) 22:41

anomyさん、こんばんは。

>、「早寝早起き朝ご飯」には(大人にも子供にも)午前中からキレにくく、判断力や注意力を働かせるようになる、という効能がある

「早寝早起き朝ごはん」と「判断力注意力を働かせる」に、明確な因果関係があると言えるか、という点はまだ立証されていないと思うのですが。

「早寝早起き朝ごはん」が出来ていない児童生徒に「午前中キレやすい」傾向や「判断力注意力があまり働かない」という調査結果なら私も見ました。
が、それだけでは因果関係の証明にはなりません。「早寝早起き朝ごはん」が出来ていない家庭環境のそれ以外の要因(例えば精神的な不安定、とか)によるかもしれない、という可能性が消せません。

言い換えれば、「児童生徒に早寝早起き朝ごはんを徹底すれば午前中にキレにくく判断力注意力が働きやすくなる」という命題が真であると立証できていない、ということです。
 そういう傾向があることは私も理解していますが、因果関係が立証できるほどの緻密な研究は出ていないと思います。

投稿: 憂鬱亭 | 2008年9月21日 (日) 23:36

石田剛さん、今晩は。

 ># いつぞやは乱暴な意訳で失礼しました。

あー、いえいえ(笑)

影響度の高さ、で言うと、マスメディアで採り上げられたり、というのがあると思いますけれど、それもなかなか難しいものがありますね。一旦流布された情報は、どんどん蔓延っていく…。発表された当時の業界全体としての対応も良く無かったのだと考えています。

ただ、DSが幅広い年齢層に受けた事等から、ゲーム脳のような説を見聞きしてそのまま受け容れるのは少なくなったりしている可能性も、考える事は出来ますね。

------

anomyさん、憂鬱亭さん、今晩は。

anomyさんが仰る「一緒くたに批判」というのがどういう意味か、今一つ解りませんが、私は両方批判はしています。ただし、ゲーム脳に関してはニセ科学として、朝食の重要性に関しては、グレーゾーンとして、です。同程度におかしい主張として採り上げた事は、私はありません。

ところで、はっきりと朝食の重要性を確認出来る疫学的な証拠等はあるのでしょうか。私が知る限り、まだ議論の余地が沢山ある問題だと考えています。

ちなみに、個人の経験は、良くて傍証にしかなりませんよね。私は1日2食(昼・夜)ですが、3食採るのと変わらないか、2食の方が良いくらいです。そういう経験を主張し合っても、そんなに意味はありません。

朝食を採るのが心身の健康度にどのくらい寄与しているか、とか、因果関係が見出されるか、とか、どんなメカニズムがあるか、とか、考える部分は沢山あるでしょう。

------

アルファさん、今晩は。

検索した事はあったのですが、ちょうど良い機会だったので、まとめて見ました。案の定、小学校とかが結構ヒットしましたね。

 >10月の健康行動学会の学術大会が楽しみです。

もしかして、スネーク決行ですか? 期待してます。

投稿: TAKESAN | 2008年9月22日 (月) 00:22

憂鬱亭様こんばんは

朝ごはんはむしろ、低血糖症と関連付けて考えられるべき要素なんですね。
(早寝早起きの対照にある、光る画面を見続ける事による睡眠リズムの狂いとそれによって引き起こされると考えられる)抑うつ状態と低血糖症は何の関係もないし、
ましてやゲーム脳とは次元がまったく違うことです。次元が違うことがわかってるから、「テクノスストレスとゲーム脳を一緒くたにしないでくれ」という指摘には同意したけど、だからこそ、「それはそれこれはこれ」なんですよ。
ゲーム脳を批判する議論は「情報技術の発達による人の生活習慣の変化が良くも悪くも心身に影響を与える可能性」を否定しないでしょ?
#思いっきり脱線するけど、キレやすくなった理由が(食生活の乱れに起因する)低血糖症にある、という説も今ググっただけでもいくつもあるなあ。

投稿: anomy | 2008年9月22日 (月) 00:23

タイミングがかぶりました。上のコメントを参照下さい。

なんにせよ、科学的な研究による根拠が求められる、という事だし、少なくともここでは、ゲーム脳と朝食の話を同じような位置づけで見ている人は、私を含めておりません。

実際、朝食の好影響を過剰評価しているものは見受けられるし、それは批判はすべきでしょう。「正確に評価していない」という部分を。少なくとも、朝食を食べれば学力が上がる、という類の主張は、現時点では行き過ぎたものだと言えます。

投稿: TAKESAN | 2008年9月22日 (月) 00:48

話が脱線しすぎたようです。失礼しました。
低血糖症云々は朝食の好影響の過大評価というよりは朝食抜きの悪影響の過大評価ですけどね。低血糖症そのものは糖尿病の薬の飲みすぎとか、ホルモンバランスの狂いとか、ほかにも原因があるようです。(つまり、朝食抜きやジャンクフードが低血糖症の原因か、と聞かれると「?」となる。一説として唱える人はいるようですが)
#低血糖症⇒メンタルヘルス方面ではこんなものが。
http://www.yaesu-clinic.jp/embarrasses/sugar_syndrome.html
#個人的に思い当たる節があるだけに。
##上記のURLは低血糖症とそれに関連する症状と対処療法について記述しているのであって、食事の乱れが低血糖症を引き起こしているとする記述は見当たらない。

投稿: anomy | 2008年9月22日 (月) 01:13

言えるのは、メカニズムを色々適用すると、尤もらしい説明がそれなりに自由に可能だ、という事です。だからこそ、仮説はデータによってきちんと裏付けられなければならない訳です。科学的研究に必要なのは、そういう慎重さ・謙虚さ であると考えます。

つまり、「自分の認識が間違っている可能性」を自覚して、客観的なデータに結論を委ねる、という事です。

だから、たとえば、どれだけゲーム好きな人でも、きちんとした研究でゲームの悪影響が見られたとしたら、それは受け容れなければならないのですね。

きちんとした論者は、「ゲームに悪影響なんかある訳無い」という主張は否定しますし、現在の科学的な見解である所の、ゲームによっては短期的に攻撃性を高める可能性がある、という論理は受け容れています。好き嫌いや個人的経験といかに切り離して考えるか、それが肝要かと思います。

投稿: TAKESAN | 2008年9月22日 (月) 02:08

>好き嫌いや個人的経験といかに切り離して考えるか、それが肝要かと思います。

好き嫌いや主義信条は個人の好みの問題なので切り離すことが客観性につながりますが「個人的経験」という言葉は気にかかります。
#ここいらがメンヘラーの思想的限界。つまり、「俺が今苦しんでいる現実に苦しんでいる症状(=個人的経験)の正体は何?」って疑問から議論が始まっているわけですから。
もちろん、学者や医者は個人的経験だけで物を見て(診て)はいけません。100年以上昔、陸軍のお医者さんの失敗から歴史として(同様の失敗をせぬよう)学ばなければならないでしょう。
#これも所詮後付けの知識でしかありませんが。

投稿: anomy | 2008年9月22日 (月) 10:20

anomyさん、お早うございます。

いえ、個人的経験を一般化してはいけないのです。「してはいけない」は「一般化」に掛かっていますので、誤解無きよう。

自分のこの経験は何に基づくものなのか、というのを考えていくのは構わない訳です。そこから生まれる研究もあるでしょう。

これはよく誤解されるのですが、一般論を見出すのは別に、個人的経験を軽視する事を意味しません。何を対象とするかで追究の仕方が変わってくる、という事です。主張が、多くの○○は△△である、というものである場合には、沢山の人を調べるしか無いのですね。

投稿: TAKESAN | 2008年9月22日 (月) 10:35

朝ご飯の話はエントリにはなくて、ぼくの投稿ですね。

anomyさん、こんにちは。
ぼくは「成績上位者には朝食をちゃんと食べている児童が多い」という調査結果に基づいて、「したがって朝ご飯を食べれば学力が上がる」式の相関と因果を混同した主張をしたり、「『だから』朝ご飯を食べさせよう」などという保護者への指導をすることを、困ったことだと考えています。
もちろん、朝ご飯は登校前にしっかり摂ってほしいものです。朝食をきちんと摂った場合と摂らない場合で、就学態度や学習効果などに変化があることも否定しません。

前からしばしば話題に上がっていたという意識があったために、つい配慮に乏しい書き方になりましたが、意図するところは上記のようなことです。

うちにも子どもたちがおり、またぼく自身も地域の人間として学校に関わり続けているので、この手の「紛らわしい話」には、ほんとに困っています。

以前、この辺にからんで自分のブログでこんな記事を書きました。よろしかったらご笑覧ください。

食育:相関と因果 その2
http://shibuken.seesaa.net/article/24035836.html

ニセ科学が教育に使われると困る理由
http://shibuken.seesaa.net/article/30850385.html

TAKESANさん、お手数をおかけしました。
すでに出る幕がないような気もしましたが、きっかけを作っちゃった人間として、思うところを書かせていただきました。

ところで、このときは書きながらふと手が止まって、「朝ご飯で」の「で」に上記のような含みをもたせたつもりでしたが、十分ではないですよね。「前にも話題になった」とでもつけておけば、ちょっとは違ったかな。端折って書きたいときってのは、なかなか悩ましいです。

投稿: 亀@渋研X | 2008年9月22日 (月) 11:53

亀@渋研Xさん、今日は。

ご説明、ありがとうございます。

朝食を採る→学力が向上する、というように、因果の向きを勝手に設定するものが見られますよね。もちろん、生理学的な論理として、朝食を採った方が良い、という一般的な傾向はあるのかも知れませんが、学力に即結び付けるには根拠が弱いだろうと思います。

------

ところで、ed.jpでググってヒットしたものの内、ゲーム脳に批判的に言及しているものを探してみました。

私が見つけ出せたのは……2件。

http://www.hyogo-c.ed.jp/~ako-hs/zennichi/course/20080826_taiken.html

http://www.ikoma-h.ed.jp/index.cfm/10,1255,c,html/1255/160HP.pdf
PDFファイル レイアウトが崩れて一部見にくいです。

GJ。だけど、少なさに泣けます。

投稿: TAKESAN | 2008年9月22日 (月) 15:23

憂鬱亭様こんばんは。

私は「朝食抜きで午前中調子が悪いことがある」とは確かに言いましたが、それであっても「朝食を食べれば成績が上がる」なんて言われれば確かに「?」ですよね。

今回は低血糖症と脳機能障害・精神疾患の関係を調べるきっかけができただけでも私にとっては収穫が大きかったです。憂鬱亭様ありがとうございます。

#重ねて書きますが、先にあげた精神科のHPの記述などから見るに、低血糖症がパニック障害やADHD「のような」症状を誘発する(起因する)可能性は否定できません。
ただし、
1)低血糖症が食生活の乱れに起因するのかは不確定だ(これを解明するのは文字通り科学の仕事ですね)
2)「のような」と書いたのは、精神疾患の診断はどうしても誤診の可能性が否定できないからで、そもそも糖分を与えれば改善する病状に対して大そうな精神疾患の診断名をつけることはふさわしいのか?って疑問もあります。
中長期的には「キレる子供を減らすには朝ごはんを食べさせたほうがいい」という結論が出るかもしれないし、出ないかもしれません。こういう物の言い方の場合は、「食生活の乱れが低血糖症の原因になる」というような科学的証明を先にするのが物の順序ですから、今のところはグレーゾーンというところでしょうか。

投稿: anomy | 2008年9月22日 (月) 19:29

 食育基本法の制定と「食育推進基本計画」が進められていますが、すでに、数値目標ありきなんですね。ゼロ・トレランスです。ちなみに食育の「コマ」イラストを考えたのは服部幸應さんですが「キレる食べ物」とかを提唱してこられた人ですね。
http://www.seisaku-center.net/modules/wordpress/index.php?p=304
http://www.gyunyu.asm.ne.jp/news/502_01.htm

「食育推進基本計画」
②朝食を欠食する国民の割合
平成12年度4%(小学校五年生のうちほとんど食べないと回答した者)→平成22年度までに0%、このほか20歳代男性と30歳代男性についても平成22年度までに15%以下にする

朝ご飯は食べたほうがいいと思うのですが、近年になって悪くなったと少年犯罪に絡めて論じることで「家庭の力」が落ちた→「家庭教育」にのみ押しつける構図じゃないですかね。どこかの学校で、朝食サービスなどをしてるなどの話はありましたがそういう方向の話になりにくいかんじです。「朝食欠食」についてさまざまな家庭の事情がありますから数値目標ありきというのはちょっとおかしいなあと思います。食育プロモーションにお金使うよりは、たかだ4%なんだから、福祉とのコストを比較したほうがいいんじゃないかと思います。

給食費未納バッシングについてもそうですが、

給食費のコストに関しては「学校給食を知っていますか」という山田隆一さんという(岐阜県だったかしら?)学校給食センターの所長さんが書かれた本があります。2003年なので数値自体は少し古くなっているかもしれませんが、給食行政の流れはよくわかるのではないかと思います。ご興味があれば。「学校給食は営利目的ではないので、最も安い昼食の代表である。近在市町村の平成14年度を例にとると、月額では3950円、中学校では4200円から4650円である。日額にしているところでは、小学校で220~240円。中学校では250円~270円。たばこ一箱分と比べればいかに安いかよくわかるだろう。副食費にかけるお金は177円50銭。保護者から徴収されるお金はすべて原材料費として給食そのものに還元される。」
 
払える人は払ってほしいですけど、米食推進も安心安全も、地産地消もそれなりにお金がかかるということですね。バッシングしたり、病気にしても始まらないという気がします。

投稿: 安原 | 2008年9月22日 (月) 19:59

anomyさん、安原さん、今晩は。

私はあまり押さえていない分野なので、教えて頂いてありがとうございます。

やはりこういうのは、俗流若者論なんかとも結び付いてしまうから、慎重に考えたい所です。

服部氏については、「こ食」を言い出しているのを見てガクッとなりました。

投稿: TAKESAN | 2008年9月23日 (火) 00:04

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/13103/23886914

この記事へのトラックバック一覧です: 調べてみた:

» 浜の真砂が尽きるとも、世にニセ科学の種は尽きまじ [PSJ渋谷研究所X]
代表的なニセ科学的主張2つについて、公的機関や教育機関が肯定的に紹介している例を調べたところ、ごく簡単な検索で優に百件を超す例が見つかった。 詳細は後述するが、検索対象は一部に過ぎない。また、EM菌など環境教育や環境行政に関連して実際に採り上げられている既..... [続きを読む]

受信: 2008年9月21日 (日) 10:00

» 水伝汚染が広がりつつあるのか? [瀬戸智子の枕草子]
不見識と言うタイトルでTAKESANさんが挙げているエントリー。 中身はううう= [続きを読む]

受信: 2008年9月21日 (日) 11:02

» なぜにゲーム脳は受け入れられているんでしょうかね [Don't be memo]
調べてみた - Interdisciplinary さん あっちに脱線コメントを [続きを読む]

受信: 2008年9月22日 (月) 21:10

« 全然解っていない人 | トップページ | トライ »