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2008年9月 8日 (月)

フィジカル2

見物人の論理: サッカー界はなぜ鈴木桂治を見逃したのか/追記。

「柔道の強さ」はイコール「フィジカル面の強さ」なのか - カイ士伝

フィジカルという概念についてコンセンサスを形成すると、スムーズに議論が進むかも知れませんねえ。

多分、元々の発言は、フィジカルという語で、基礎的にな体力測定で得られるようなものと、いわゆる体格を含めたものを指していた、と思うんですよね。

で、それの差をカバー出来るか、という話。つまり、サッカーという競技で高度なパフォーマンスを達成するには、「エネルギー的体力」の因子がどのくらい寄与しているか、というのを考える。
そうすると、サッカーのような競技構造の場合には、「サイバネティックス的体力」の因子が大きく関わっていると考えられるから、それによってカバー出来るのでは、という考察も出来る。

まあ、そういう事かな、と。

※「エネルギー的体力」、「サイバネティックス的体力」は、孫引き引用。引用元:渡邊・臼井 『保健体育』 原典:大築 『たくみ』
引用元によると、猪飼が、行動体力を「エネルギー的体力」、「サイバネティックス的体力」に分けた、との事。

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高岡英夫氏の「鍛錬」シリーズを読むと、色々勉強になると思いますよ。あれは、疑似科学的論理がほとんど入っていないし、とても良いシリーズです。

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コメント

リンク先を拝見すると、フィジカルなる言葉を対人コンタクトにおける強さ・巧さの意味で使っているようですね。

母校(静岡県立清水東高校)のサッカー部名物監督だった勝沢先生が、「サッカーは格闘技」とおっしゃっていたのを思い出しました。

が、

実際には、弱いチームは対人コンタクト以外の、「ボールのない部分」(オフ・ザ・ボール)の動きがメタメタでして、そういうチームを受け持つことになった指導者はまずそちらに目が行くのかもしれません。

とはいってもある程度のレベルになると対人コンタクトの弱さは致命的になりかねませんね。

レスリングなどの、対人コンタクトが必要な(というか欠かせない)スポーツの指導者とJFAがどういうふうに手を結んでいるのかは確かに気になるところです。

(少しカミングアウトすると、わたしはスポーツクライミングという一種の壁登り競技の運営に携わっています。かつてレスリング日本代表がトレーニングの一環としてこのクライミングを取り入れたということがありました。日本のスポーツ界における横断的連携というものをはじめて知った事例でありました。日本のスポーツ界にはもともとこういう種目の壁を越えて連携する風土はあるように感じています)

一方、元日本代表選手の談話として読んだことも思い出しました。かつて日本代表と(その当時世界を席巻していた)オランダの「アヤックス・アムステルダム」が対戦したときのことです。日本では屈指の屈強なDFとされていた選手が、世界的スーパースターで、見かけは細身であったヨハン・クライフのボールを奪取しようとしたとき軽く吹っ飛ばされ、日本代表の選手が目を丸くしたそうです。

当時の写真を見るとクライフは現日本代表選手より華奢な身体つきをしています。ボール捌きが天才級の選手は、対人コンタクトにおける身体の使い方もまた達人であったということなのでしょうか。

投稿: あがたし | 2008年9月11日 (木) 17:44

あがたしさん、今晩は。

大変興味深いお話、ありがとうございます。面白いです。

「サッカーは格闘技」というのは言い得て妙だと思います。
○○は格闘技である、というメタファーでスポーツを表現する事はありますが、心理的なあり方についての共通性を指す場合も多いですね。でも、サッカーのように直接的に身体がコンタクトする競技では、より具体的な次元で共通しているものと思われます。

ある競技のレベルを上げるために他の身体運動文化と交流するのは、積極的に進めて欲しいですね。

ただ、下手をすると、元々の競技に必要な運動の整合性が崩壊してしまう、という危険性もあるので、注意したい所です。武術の稽古によってスポーツで復活したという、桑田選手のような事例もありますが、あれは、武術がどのくらいパフォーマンス向上に寄与したか、というのをよく考えるべきでしょうね。ともすれば、武術は他の身体運動文化より優れていて、それを学べば専門種目のパフォーマンスも向上する、と錯誤するかも知れませんので…。

そのクライフの話は実に示唆的だと思います。
大まかには、身体運動は、身体資源と制御という面に分けられると考えられますが、比較的小柄な選手が体格に勝る選手を翻弄したという事は、身体制御に優れている、という見方が妥当でしょうね。

宮本武蔵の教えに、「漆膠の身」というものがあります。漆のようにトロトロになり、膠のようにべたりとくっつく、という武術の身体操作のメタファーですね。
これは、全身の筋肉を弛緩させ、相手に「預ける」ようにして合理的に使っていくのを示しています。身体資源に恵まれない場合、身体のパーツをより細かくかつ組織的に運用する、というのが重要です。
全身の筋肉が全体的に持続的に収縮していると、身体を固定する事に筋肉を使ってしまっている訳ですね。ですから、時間的・空間的な筋収縮の配分(高岡氏は、「使用筋配分」と記述していたと思います)がポイント。

サッカーは、フィジカルコンタクトを行いながらボールをコントロールする、という複雑精妙な運動が要求されるものでしょうから、そこはまさに、格闘技や武術と共通しているだろうと思います。
参考:http://www.ultimatebody.jp/rensai005.html
※高岡氏の主張には、疑似科学的論理も含まれますので注意

余談ですが。
こういう、身体の運用法に関しては、中国武術は恐るべき、巨大で精密な体系を創り上げたと思います。日本武術では、それを大部分、「気」の概念でカバーしているような印象がありますが、勁の概念を用いる中国武術のシステムには総体的には及ばないかな、という印象。

日本武術でも、無い事は無いんですけどね。新陰流柳生派の伝書や宮本武蔵の伝書、あるいは、夢想願流の松林左馬之助の伝書などには、身体運用についてもある程度具体的な事が書かれてはいます。

投稿: TAKESAN | 2008年9月11日 (木) 19:30

TAKESANさん、こんにちは。

サッカーの話題となれば一言。
クライフは私の神様です。
いろいろな伝説もありますが、フィジカルに関しては、3歩でトップスピードになれる、だったでしょうか。
みなさんも言われているとおり、フィジカルの定義は難しいと思いますし、プレーしていた側からすると、うまく言葉にできないこともたくさんありますね。
自分より大きい選手に勝っちゃったときも、経験とか感覚だったりして、理由を説明するのが難しいです。

それじゃあどんなフィジカルが必要かとなると、サッカーの場合は、ポジションとかプレイスタイルとかによる違いもあります。
巻誠一郎という日本代表のフォワードがいますが、彼がサッカーを始めたのは、高校からです。高校2年までは、アイスホッケーと兼ねていたそうですから、フィジカルが優先したプレーヤーの例ではないでしょうか。あと浦和レッズの岡野選手。足の速さだけと言っても過言ではないでしょう。
逆に、名前は出せませんが、100mを13秒台という元日本代表のフォワードもいますし、高校生でJリーグにデビューした某選手は、腹筋が数回しかできなかったという話もあります。
それでも、プロになれるわけですから、フィジカルが第一ということはないでしょう。

私は、高校のときに少しの間、西ドイツ(当時)でアマチュアのサッカークラブで練習をさせてもらったことがあります。
そこでは、サッカーの練習が終わった後も、ハンドボールやバドミントンをしました。上半身を鍛えるためだそうですが、これがみんな巧い。クラブには、テニスでジュニアの州チャンピオンになった小学生もいましたが、彼の夢はサッカー選手でした。
テニスのボリス・ベッカーも確かサッカーかテニスかで迷ったと言う話があったかもしれませんが、日本でスポーツのトッププレーヤーが複数のスポーツをするなんて考えられませんでした。
あがたしさんが書かれていますが、今は、スポーツの壁を越えて練習をするようになってきていると思いますが、当時は、本当に驚きました。
西ドイツでは、いろいろなスポーツの基礎となる体力をつけて、それから技術、最後に戦術と身につけていくようなことだったと思います。
ですから、サッカーも中学生くらいだと、日本の中学生のほうが巧いくらいですが、高校くらいから一気に引き離されるという印象でした。

もう一つ、ある日フィールドアスレチックに誘われました。私は、日本の遊具のあるのをイメージしてOKしましたが、これがトンデモない。
シュバルツバルトと呼ばれる森の中を、約20Kmほどランニングするのです。そして所々に鉄棒などがあって、ここで懸垂を20回なんて書いてあるのです。
文字通り、フィールドでアスレチックをするのです。
確か8時頃に出発してお昼頃にゴールにつけたと思います。まだ体力には自信がありましたが、本当にヘトヘトになりました。
ところがドイツの人たちは、本当に楽しそうなんです。日本では、多くの人がスポーツは見るものになってしまっていますが、ドイツではするものなんです。スポーツに対する、意識の違いを見せつけられたように思いました。

余談ですが、私は中学の時、サッカーと兼任で1年ほど柔道をしました。友達に誘われたのですが、これが意外とサッカーに役立ったと思っています。
受け身とか、低い姿勢でのあたり方とか、うまくは言えませんが、そんなところです。
柔道の経験があれば、少々のことでは、怪我をしなくなる、そんな気がしまた。
やはり、複数のスポーツをするのはいいんですね。

投稿: ドラゴン | 2008年9月13日 (土) 16:20

ドラゴンさん、今晩は。

サッカーに詳しい方のコメントを頂けるのはありがたいですね。

巻選手がサッカー始めたのは高校生からなんですか。それは知りませんでした。面白い話ですね。

ドイツでのエピソードも興味深いです。

少年期に複数のスポーツを拘り無く行う、というのは良いかも知れません。ただ、上にも書いたように、すでにプロ級の人がそういう事をすると、場合によってはパフォーマンスのバランスを破壊するのも考えられるので、運動の根本を改善させるようなトレーニングに取り組むのも肝要かと思います。最近は色々ありますね。インナーマッスルに注目したトレーニングとか。大腰筋も知られるようになったり。

重要なのは、全身の筋肉の無駄な緊張と解く事ですね。そうすると、綺麗にバランスが取れて重力を上手く活用出来、エネルギーの消費の効率も良い。
本来、「フィジカル」というのは、筋力や持久力と共に、これらを複合した概念なのでしょうね(そして、それらは相互作用する)。

で、余計な筋肉を弛緩させると言うと、「力は抜いている」と返されたりするんですね。しかしながら、主観にかかわり無く緊張は起こるのですね。それの解りやすい例が、「肩凝り」です。つまり、無意識のレベルで筋収縮のあり方は規定されている。それを改善するのが重要。だから、「自分の身体が固まり切っているのを”意識”する」所から始めなくてはならないのですね。武術や楽器演奏などで「脱力」というのが重要だと言われる所以です。

投稿: TAKESAN | 2008年9月13日 (土) 19:04

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