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2008年9月27日 (土)

身体意識関連論文1

CiNii等で見つけた「身体意識」関連の論文を集めてみようと思います。英語では、body awarenessとかbody imageとか。

カテゴリーに、「身体意識」を新たに作りました。

CiNii - 女子短大生の身体意識教育の必要性 : 直立姿勢・運動時の「中心軸」の意識が齎す効果

高岡英夫氏の「センター」の概念などをヒントにして、センターを意識させた結果どういう効果が現れるか、というのを調べた研究。

突っ込み所は結構満載。バイオメカニクス的な解析で無く主観の報告で良いのか、とか、デタラメの「センター」を意識させた対照群を作って比較した方が良かったのではないか、とか、心理的な効果は心理測定尺度を用いなくていいのか、とか、報告の結果をそのまま中心軸の意識の効果として構わないのか、とか。

「美しい姿勢」の定義を、もっと厳密に検討した方がいいんじゃないかな、とも思いますね。バイオメカニクス等の観点から、色々考察出来るでしょうし。

皆さんも突っ込んでみて下さい。

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コメント

お早うございます。

論文ちょっと読んでみましたよ。

ひとつ不明な点がありました。
N値って何でしょうか?

論文は比較的読みやすかったと思いますが、全体的に曖昧かな?って印象を受けました。

例えば、重心軸をどのような身体システムで感知できるのか?
これ、結構まじめに考えると難しいと思うのです。
さらに、その重心軸からのズレを感知するシステムも考えなくてはなりません。
さらに感知できることを証明できたとして、どのような反応(筋骨の働き)で中心軸と重心軸を一致させるか? ずれた時はどのような動きで元に戻すのか?
仮説でも良いから提示してほしいものです。

美しい姿勢と言うのも?です。
頭の様子から言って、中心軸と重心軸の一致のことを言ってるのでしょうか?

仮にそうだとしても、どのような時に中心軸と重心軸が一致とみなせるかについても定義するべきだと思います。
なぜなら人間は動くからです。
立ってるときでも揺らぐとみなすのが妥当でしょう。

例えば、立ってる際の揺らぎの中心を中心軸(中立軸)とし、それが重心軸と一致するときのことを言うのか?
あるいは、頭頂と会陰を結ぶ線が重心軸と一致すること(静的に・・・要するに不動)を中心軸と重心軸が一致するとみなすのか?

ぱっと読んでみましたが、これだけ疑問が思い浮かびました。

投稿: 州知事ハンター | 2008年9月27日 (土) 05:49

州知事ハンターさん、お早うございます。

 >N値

表中にある「N」の事ですよね。各カテゴリーの頻度だと思います。普通は大文字のNは、母集団サイズを表すはずだけれど…。

重心位置の感知のメカニズムの解明というのは、恐らく物凄く難しい所で、認知科学等の知見も踏まえて考えられるものなのでしょうね。

元々高岡氏の理論自体が、仮説的な体系ではあります。いわゆる「フルクラムシフト」の理論というものですね。
ただ、仮説とは言っても、支持線と重心線をずらして運動を行っていく、という理論的考察なので、運動を行う原理としては、注目出来るものだとは思います。

件の研究は、ひとまずメカニズムはブラックボックスにして、「中心軸の意識」が心理的・バイオメカニクス的にどういった効果を及ぼすかを調べる、というものですが、それにしてはいかにも詰めが甘いですね。
メカニズムの解明は棚上げするにしても、効果の測定や中心軸の意識が「出来ているか」どうか、などを、もう少しきっちりと考えなくてはならないでしょう。

高岡氏の考えだと、「美しい姿勢」というのは、高度なフルクラムシフトが実現されている姿勢、とでもなるでしょうか。高岡氏が用いた比喩を出すと、掌に箒を立てる遊びで、なるだけ箒を動かさないよう手を微細にコントロール出来るのが「良い姿勢」にあたり、ふらふら大きく手が動いてしまったり、また、箒が動かないように柄をぐっと握ってしまうような状態を、「良くない姿勢」とする、という事ですね。

そして、論理必然的に、そのような「良い姿勢」を実現するには、全身の筋肉が弛緩し、姿勢維持に必要な筋肉が適切に緊張―弛緩を繰り返さなければならない、となります。悪い姿勢は、肩から手にかけてぎっちり力を入れると箒をコントロール出来なくなる、というのをプチ実験すると体感出来ますね。そうなると、柄を握って動かないようにするしか無くなります。

フルクラムシフトとは、支持点と重心落下点のズレを感知し支持点をシフトさせて姿勢を維持し、あるいは移動運動を作っていく、という論理ですが、そこでは、重心の位置を細かく感知し、かつコントロール出来るか、というのが重要です。
従って、本当は、フォースプレート等を用いて、そういう能力が出来ているか、中心軸を意識させればそれが向上するか、というのも調べていくべきでしょうね。重心のコントロールというのは、比較的簡単に調べられるでしょうし。

件の論文は、概念の定義がとても曖昧だな、という印象です。参考文献を踏まえろ、という事かも知れませんが、それにしても説明不足で、著者が果たしてどこまで理解出来ているのかな、という疑問も出てきます。

投稿: TAKESAN | 2008年9月27日 (土) 10:56

ちょっと整理。

▼人間は、重心位置を感知する事が出来る。

→それが出来ないと、人間の身体の形状からして、直立静止が不可能だから。

▼重心の制御が意識的に出来るかを考える。

→フォースプレートに乗ってもらって教示して、意識してコントロール出来るかを調べれば良い。

▼重心の感知と制御がどのくらい細かく出来るかを調べる。

位置の感知がどのくらいの精度で出来るか、というのを見、また、位置の制御、つまり重心を自分で意識して、どのくらいコントロール出来るか、というのを見る。

▼感知と制御の能力が高ければ、顕在意識的に姿勢を制御する能力が高い、と帰結される。

▼「良い姿勢」の定義と被験者の重心コントロールが一致しているかを見る。

------

こういうのは、スポーツバイオメカニクスやリハビリの現場で行われている事だろうと思います。今時は、Wiiを使っても、ある程度は出来るでしょうね(Wii Fitだと、重心の位置くらいは調べられますよね)。
高級なのになると、こういうのとか⇒http://www.gsport.co.jp/p_y_structure.html
これも、様々な学術研究の知見がフィードバックされているのでしょうね。

投稿: TAKESAN | 2008年9月27日 (土) 11:19

TAKESANさん。 こんばんわ。

N値の件、お答えいただいて有難うございます。

wii fitの件
なるほど、その手がありましたか。
顕在意識で重心を操作できるかという調査方法も、なるほど、そうですね。やる必要ありますね。

ところで、wii fitは持ってないのですが、それは床反力の鉛直成分のみ測れるフォースプレートのようなものなのでしょうか?
とすると、wii fitでわかるのは、正確には重心位置ではなく、圧力中心(つまりは支持点)だと思います。いや細かい事で申し訳ありません。
ま、wii fitが床反力の水平成分を測れるなら、重心位置の挙動を計算によってもとめる事は可能だと思います。

まあ、いずれにせよTAKESANさんが仰る様に重心位置の制御能力の測定は容易でしょうね。
せめて件の研究もそのくらいはやってほしいものです。

投稿: 州知事ハンター | 2008年9月27日 (土) 18:32

あ、なるほど。ご指摘ありがとうございます。

えっと、バランスボードの仕組みについては、こちらに詳しい解説がありました
http://wii.com/jp/movies/wii-fit-movie2/
※動画始まります。

http://wii.com/jp/articles/wii-fit/crv/vol2/index.html

すみません、私は知識不足で、こういうメカニズムならどこまで出来るか、よく解っていないです。
仕組みとしては、4つの圧力センサーのひずみを利用する、というもののようです。

下のページを見ていて興味深かったのが、ゲーム用途であるから時間的な部分も重視した、という所でした。1秒辺りの計測回数が少なくてはゲームには使いようが無いから、そこを考えてデザインした、という事のようです。
とすると、ある程度高い時間的分解能が得られる訳で、上で書いたような用途にはかなり使えるのではないかと(Wii Fitには、それを利用したゲームや身体測定が入ってる訳ですね)。

ググってみると、色々応用しているのが見つかりますね。

武術の身体制御のトレーニングにはうってつけかも知れません。

ちなみに、何度も、武術に取り入れられるかも、というのを書いてきてるのに、私はWiiを持っていないというオチ(笑)

投稿: TAKESAN | 2008年9月27日 (土) 19:46

丁寧なご回答有難うございます。
Wiiの仕組みについては勉強になりました。
いや~なんでもありますね(笑)
便利な時代です。

内容を見る限り、Wiiでわかるのは厳密に言えば
支持点位置だと思います。(分布加重中心。上で僕が言った圧力中心と同義)
また動画内に出てきた二足歩行ロボットに使われる6軸センサなら重心位置の挙動を計算するに足るデータを得られます。まあこれは当然です(笑)
じゃなければ、歩けません。

投稿: 州知事ハンター | 2008年9月29日 (月) 06:29

州知事ハンターさん、今日は。

ホント、いい時代になったものです。

Wii Fitでは重心位置の測定となっていますが、それは、大きく運動する事は無いので、支持点を重心位置としても誤差がそれほど出ないから、そうしても取り敢えずは問題無い、という事なのかな。

そういえば、PS3のコントローラは6軸センサーですね。

投稿: TAKESAN | 2008年9月29日 (月) 12:25

たしかWiiの話題が出てたのはここだったかと。

きのうの流れもあってPubMedを見ていたのですが、さっそくWiiを使ってみました(多分ただそれだけ)という論文が出ていました。
「18689607」(数字だけを検索窓に入れてみてください)

投稿: ちがやまる | 2008年10月 7日 (火) 11:10

ちがやまるさん、今日は。

おお、ありがとうございます。

医療分野でのWii利用というのは、盛んに研究されているみたいですね。

こういう、リハビリテーション関連の研究が行われていくのは、大変有意義だと思います。

投稿: TAKESAN | 2008年10月 7日 (火) 13:20

役立つかはわかりませんが、太極拳マスターの動作解析をやってみました、という論文に出会いましたので。
ttp://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pubmed&pubmedid=12893721

投稿: ちがやまる | 2008年11月18日 (火) 19:07

ちがやまるさん、今晩は。

おお、これはありがとうございます。

下肢の筋肉の用い方がポイント、という事みたいですね。

太極拳におけるpush movementとは、どういう動作を指すのだろう…。

投稿: TAKESAN | 2008年11月19日 (水) 00:07

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