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2008年8月31日 (日)

立ち方

武術における良い立ち方の説明。

まず、一般に見られる立ち方(クリックで拡大)。

Stand1

(あ、上に変な線が…。切り取りミスった。)

よく見られる姿勢ですね。周りの人を観察してみて下さい。ほとんどこうだと思います(静止時)。

重心が前に出ているのですね。で、それを支えるために、腿の前が働いて、後は弛緩している(慣れれば、同様の姿勢でも前側の力はある程度抜ける)。

肩は後方に引いて、いわゆる「胸を張る」、という体勢になっています。腰も入り過ぎていて、強く緊張しています。

次に、武術的な姿勢(クリックで拡大)。

Stand2

上の一般的な姿勢の逆ですね。

重心は後側にあり、それを大腿後面の筋肉で支えている。腰は中立。入り過ぎず反らさず。手の上に箒を乗せているようなイメージかな、理想的には。

肩は、落ちつつ若干前に出ます。基本なので、このまま固めるのはダメ。たまにいます。そうでは無くて、三角筋等が弛緩しているから、ある程度前に落ちる訳ですね。場合によっては「猫背」に見えます。達人の身体を見ると、不思議な事に、横から見ると猫背っぽいのに前から見ると真っ直ぐ、という印象です。それは、猫背というのが、上体全体が丸まっているのに対し、達人の姿勢は、脊椎は真っ直ぐでありながら肩甲骨や鎖骨が前に出ているために、丸まっているように見えるから、だと考えられます。

ところで、日本武術には、姿勢に関する要訣はそれほど多くは無いと思うのですが(全く無い訳では無いですね。柳生流の剣術や、五輪書にも、記述はある。弓道の要領でも見た事があります)、中国武術には豊富ですよね。含胸抜背・虚領頂勁・沈墜肩肘・尾呂中正 等々。これは、全く素晴らしい発明であろうと思います。

ポイントは、何故この姿勢が良いか、という所ですね。それには、バイオメカニクス的な合理的説明が求められるでしょう。あるいは、武術の構造(いつでもどの方向にでも対処出来ねばならない)からの要請も関係してきます。解りやすい所では、大腿後面の筋肉を効かす、腰背部の過緊張を防ぐ、等があるでしょう。過緊張を防ぐというのは、要らない筋肉は弛緩しておく、という事です。それは即ち、働かせるべき時に働かせるよう準備しておく、という意味でもあります。無駄に収縮していた場合は、それを一旦弛緩させたりしなければならないし、また、その収縮自体が拮抗的な運動を行い合理的運動を阻害する場合もあります。

先人は、これらの色々な面を合理的・経験的に認識したのでしょう。よくマンガなんかで、「立ち方を見れば実力が解る」、と言いますが、あれは大袈裟な表現では無く、こういったメカニズムを一瞬で総合的に捉え、情報処理して、(直感的にしろ分析的にしろ)「立てている」と認知する訳です。

参考文献:高岡英夫氏の本とか

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「武術・身体運動」カテゴリの記事

コメント

上のミクさんは、重心のマークの位置が、ちょっと前になってますね。少し後に脳内で修正して下さい。

投稿: TAKESAN | 2008年8月31日 (日) 02:35

もちろんこの画像も、上の論理を踏まえて作りました⇒http://seisin-isiki-karada.cocolog-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2008/08/18/aikiage_2.jpg

投稿: TAKESAN | 2008年8月31日 (日) 03:08

こんにちは。

>肩は、落ちつつ若干前に出ます。

私、こういう姿勢になってます。小学生のときに水泳やってたせいだと思うんですが(今はまったく泳げない)、猫背に見えるのでイヤでした。だから、たまに服を作るのに採寸してもらうと、いつも「肩幅広いですね!」と言われます。

投稿: A-WING | 2008年8月31日 (日) 13:18

A-WINGさん、今日は。

横や後から見ると丸っこいのに実は綺麗な姿勢、というのは、メジャーに行った後の野茂英雄氏がとても解りやすい例かと思います。

彼は、背中の筋肉が柔らかく大きく発達しているので、後から見ると、ふわっとしていますね。でもそれは、背骨のポジションが歪んだまま固定しているのとは、恐らく全然違います。これは、投手に必要とされる運動の特性から、そうなったのだろうと思います。

肩を後に引いている、というのは、僧帽筋等を無駄に緊張させている、という事でもありますので、合理的な運動を阻害するのですね。理論的には、普段そのような姿勢を取っても重要な部分では柔らかく使える、というのは不可能では無いと思いますが、メリットが全く無いですし、それにはメカニズムを理解している必要がありますしね。持続的な筋収縮は、生理学的にもよろしく無いだろうし。

投稿: TAKESAN | 2008年8月31日 (日) 13:52

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