ミクで武術:抜刀
MMDで、初音ミクさんが抜刀をしている動画を作ろうとしています。
が、
難しい。
シンプルな運動だけに、ごまかしが効かない。再生してみると、違和感が物凄い。これは難儀です。
静止画なら普通に見られますが、動きを繋げるのが厄介。
ちょっと画像を載せてみましょう。めり込んだりしている部分がありますが、あんまり気にしないで下さい。
構え。少し左脚がおかしい。刀の角度はもう少し水平に近くて良いですね。重心の位置も甘い。
踏み込み途中。右肩を入れながら前側の足を踏み込みます。重心の上下動を押さえる。つまり、体幹の操作を行い、また、腸腰筋の収縮によって股関節を屈曲させる。そうすると足が浮き(釣竿を手許でコントロールするようなイメージ。膝を伸ばそうとは絶対しない)、前に身体が倒れ込む。
抜刀。右肩を入れ、左肩を後にずらす。正中線を保ったまま行う。つまり、肩鎖関節を柔軟に使い、他の骨や筋肉がつられて動かないようにする。左右に力が広がっていく感じで。あるいは、両肘で当身を行うような感じです。
横から。これは、ゆっくりやった時のものなので、抜刀して、前足が着地した後に(完全に後では無い)後足と腰を開いています。速くやる時は、前足と後ろ足の動きはほぼ同時。身体が浮く感じ。動き方によっては、実際に浮く(両足とも接地しない)場合もあるかも知れません。当然、足が浮くのと重心が上がらないのが同時に成立しなければなりません。まっすぐ歩いていたら、いきなり、両側を壁に阻まれた、身体の前後の幅の分しか隙間(はきっちり自分の真正面にある)の無い空間が現れた、というようなイメージを持つと、解りやすいでしょう。壁にぶつからないようにするにはどうすれば良いか。
こんな感じです。なんか、抜刀の講座みたいになりましたが。
ちなみに、私は抜刀は100%独学(人に直接習っていないという意味)なので、そこはご了承下さい。
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コメント
このソフト欲しいですねぇ。フリーとはなんとも魅力的ですが、今ちょっと忙しいので葛藤中。
この作業は動画編集に繋がる所がありそうですねぇ。とっても大変そうです。が、出来上がりを楽しみにしてます。
投稿: 知己 | 2008年7月15日 (火) 05:55
うーん,これは凄いな。抜刀術が独学というのが驚きました。剣は分からないので,ギャラリーにしかならないのですが・・・
武術界だけでなく,いろいろな分野で,表現される型が人が出てきてそうですね。
投稿: complex_cat | 2008年7月15日 (火) 06:23
知己さん、今日は。
これは面白いです。使いやすいし。
モーションキャプチャを使えば楽なのでしょうけれど、手作業でモーションつけると、自分の動きを分析する事になるので、勉強になりますね。
------
complex_catさん、今日は。
摸擬刀でやっている程度なので、本当は、独学と呼ぶのもおこがましいのですが…。
参考にしたのは、黒田氏のビデオと、後は自分の元々の武器術の動きですね。結構相性がいいんですよ。
このツールで、バレエの振り付けをする、というのもあるようですね。
後、ニコニコ動画には、八極拳の套路もありますよ。作った方は武術の経験者では無いみたいで、動画投稿サイトを観察して作ったのだそうです。よく出来ていると感じました。て言うか、その動画で、MMDの存在を知ったのでした。で、これは使える、と(笑)
私は、細かすぎる所も見てしまうので、どんどん細部に手を入れようとして、結局全然進まないのです…。
上の動画にブクマしてみました⇒http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.nicovideo.jp/watch/sm3813206
投稿: TAKESAN | 2008年7月15日 (火) 13:43
速い抜き付けをケータイで連写してみたのですが、やっぱ形がかなり変わっちゃいますね。1秒もかからないので、動画にはしにくい(笑)
投稿: TAKESAN | 2008年7月15日 (火) 13:45
>作った方は武術の経験者では無いみたいで、動画投稿サイトを観察して作ったのだそうです。
分かります。力作ですが,残念ながら,肝心の勁道に関わる動きが皆無です。・・・重心移動をどのように瞬間的に生じさせて強力な拳を打っているのか分からないので致し方ないです。太極拳の二路にある独特の纏絲勁に,それに似た用法がありますが,八極独特の踵の入れ方,足の親指の接地の仕方,下半身など弄るところが多すぎて修正は大変ですが,全くの初心者の動きとして陥りやすい問題が全て出ていますね。その意味でシミュレーションのレベルは見事です。
肘法でミク嬢は軀をよじるような動きをしていますが,これで威力が出るわけではないことはご存じだと思います。少年マンガが格闘技やスポーツ分野で広めた一番の誤解は,遠心力という一番粗悪な力の出し方が,一番威力を発生させる動きだという部分ですね。
バッティングでもそうですが,腰を回転させて打っているようで,腰を強力に回すには,下半身がそれに反発できるだけの力を与えているわけで,結果的に腰の回転そのものだけが力の発生源ではなかったりします。
・・・という具合に,套路の修正をバーチャルにやれるかどうかなという部分でかなり興味深いソフトですね。
発勁を3Dシミュレーションできるようになれば,もの凄く面白いですけど,90年代のスパコン並みにパソコンのCPUパワーが上がったこととフリーでこれだけのソフトが出てくるということから,武術のバイオメカニクス的解析が,手元に来る可能性を垣間見られます。人の体の動きのシミュレーションがどんどん進めば,インフラに依存しないところでいろいろ研究が可能かも。いや,面白いです。
投稿: complex_cat | 2008年7月15日 (火) 18:36
▼▼▼引用▼▼▼
重心移動をどのように瞬間的に生じさせて強力な拳を打っているのか分からないので
▲▲引用終了▲▲
そうなんですよね。昨日の素振りの動画を作る時も、そこに苦心しました。単にフレームを落とすだけでは人間の動きとは認識されないし、そのまま全部等速度的にすると、仰るようになってしまうので、難しいです。一応、踏み込みの瞬間の部分に、それらしき所を入れてあります。
今まで、3DCGを用いたアニメやゲームの格闘シーンを見て、そこら辺の所が足りないと、常々思っていました。なんとか再現出来ないものかと考えて、今やってみています。
それにしても、自分の動きを細かく認知する必要があるので、とても勉強になりますね。
実は以前、色々調べてみた事があるのですが、簡単な動作解析程度なら、個人でもたった数十万で出来るかも知れません。モーションキャプチャなんかも、安いのは十数万であるようです。学術研究レベルの精度を求めなければ、充分に使えるのではないかと思います。
動画からモーションキャプチャデータを取得するソフトもあって、実に興味深いです⇒http://www.privatestudio.co.jp/index.php?page=07
Wiiなんかでも、重心の位置は計測出来たりしますしね(バランスボードで)。あれは、自分の重心の運動をフィードバック出来るので、結構使えるんじゃないかと思っています。もちろん、きっちりとした測定をするなら、もっと高級なものを使うべきでしょうけれど。
自分の動きを3DCGで再現したり、バイオメカニクス的に解析したりするのが、野望だったりします(笑)
投稿: TAKESAN | 2008年7月15日 (火) 19:44