メモ:現象の解釈と統計の適用範囲
ある人は、超能力があり、コインを投げて連続して表面が出せる、と豪語しています。
さて、それを確かめるために、実験を行う事にしました。
その人は、10回連続で表を出しました。もし、コインの表裏が同じように出るとすると、実験によって同じ結果が出る確率は、0.1%程度でしかありません。
自称超能力者氏、勝ち誇ったような顔をしています。
さて、この実験から、自称超能力者氏は実際に超能力を会得している、と言って良いでしょうか。
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※メモです。仮説検定の手続きをまとめてみました。間違いや不備があったら、指摘頂ければ嬉しいです。
統計的検定の手続き。
ここで確かめたいのは、コインの面の出方が偶然に任されていないか、という事。
そこで、コインの面の出方は偶然である、という仮説を立てる。
その仮説の元で、10回コインを投げる実験を行った場合、何回表が出るか、という確率が求められる。つまり、まず、表が出る確率が0.5であると仮定して、10回中x回表が出る確率は○○%、という風に。
実際に実験を行い、もしコインの出方が偶然だとしたら、実際行った実験の結果がどのくらいの確率で起こる事なのか、という所を計算する。もし、表が出る確率が0.5だったとして、コイン投げ実験で10回中10回表が出る確率はどのくらいか、というのを考える。
そこで得られた確率を見て、初めに立てた仮説(コインで表が出る確率は0.5である)を棄却するかどうか判断する。つまり、その確率が低かった場合、「これは、初めに立てた仮説が間違っているのだ」と判断する、という事。仮説を棄却するかどうかのラインは、前もって決めておく。普通は、5%や1%が用いられる。
自称超能力者氏の実験の場合は、10回中全部表だったのだから、表が出る確率が0.5%の場合に10回コインを投げて全部表である確率は、約0.1%だったのだから、仮説を棄却するラインがたとえば5%だった場合、「コインで表の出る確率は0.5」という仮説を棄却する。
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統計的検定の手続き。+補足
ここで確かめたいのは、コインの面の出方が偶然に任されていないか、という事。
そこで、コインの面の出方は偶然である、という仮説を立てる。帰無仮説。まず、否定したい仮設を立てて、それを否定する事によって、コインの出方が偶然で無い事を論証する、という方法。ここでは、帰無仮説:P=0.5 対立仮説:P≠0.5
その仮説の元で、10回コインを投げる実験を行った場合、何回表が出るか、という確率が求められる。つまり、まず、表が出る確率が0.5であると仮定して、10回中x回表が出る確率は○○%、という風に。帰無分布:帰無仮説の元での検定統計量の分布。ここでは、P=0.5 n=10 の二項分布。
実際に実験を行い、もしコインの出方が偶然だとしたら、実際行った実験の結果がどのくらいの確率で起こる事なのか、という所を計算する。もし、表が出る確率が0.5だったとして、コイン投げ実験で10回中10回表が出る確率はどのくらいか、というのを考える。
そこで得られた確率を見て、初めに立てた仮説(コインで表が出る確率は0.5である)を棄却するかどうか判断する。つまり、その確率が低かった場合、「これは、初めに立てた仮説が間違っているのだ」と判断する、という事。仮説を棄却するかどうかのライン有意水準(危険率)は、前もって決めておく。普通は、5%や1%が用いられる。背理法的なやり方。つまり、初めに仮説(帰無仮説)を立て、その仮説の元での、検定統計量の実現値の出現確率(有意確率:p値)を求め、それが低い確率であった場合に、これほど低い確率の事象が起こったという事は、仮説が間違っているからだ、と判断(帰無仮説を棄却)する。
自称超能力者氏の実験の場合は、10回中全部表だったのだから、表が出る確率が0.5%の場合に10回コインを投げて全部表である確率は、約0.1%0.5^10だったのだから、仮説を棄却するラインがたとえば5%だった場合、「コインで表の出る確率は0.5」という仮説を棄却する。
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さて、自称超能力者氏が10回コイン投げをした結果、10回表が出ました。そして、その結果によると、偶然、つまり、表の出る確率が1/2であるとはちょっと考えにくい、と言って良さそうです。
では、この結果から、自称超能力者氏が、実際に超能力を持っている、と判断して良いかどうか。
良くありません。
何故なら、偶然とは考えられないようなコインの面の出方が見られた、という現象は、「投げた人に超能力がある」、という以外の解釈が可能だからです。
この現象で考えると、超能力がある、という以外に、ある可能性があります。そうです、「コインにイカサマがある」、という可能性。ですから、まず実験前に、ここのチェックを徹底的に行い、可能性を排除する必要がある訳ですね。まあ、そこの所をちゃんと描写しとけよ、という突っ込みは覚悟の上です。
結局、何が言いたかったか。
統計学的方法というのは、適用する範囲をちゃんと弁えて用いなければならない、という事です。この超能力実験の例で言うと、コインの面の出る確率についての評価、という部分にしか使えない訳ですね。じゃあどうしてそうなったか、というのは、その他の知識や現象の意味合いをきちんと考えていかなくてはならないのです。
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コメント
そもそも超能力の有無の調べるのにコインを見てもしかたがない、という指摘をしてみます(^^;)
専門教育を受けてないのでよくわかりませんが、被験者とコインの間の、熱や光といったエネルギーを調べるのが、適当ではないでしょうか。
投稿: A-WING | 2008年7月27日 (日) 09:32
A-WINGさん、お早うございます。
そもそも本文の書き方に無理があったりします。超能力を調べる、という目的がちゃんとあるんだから、なんでコイン投げなんだよ、とか、なんでイカサマコインを投げる余地があるんだよ、とか(笑)
超能力的に、「コインで表を出し続ける」っていう現象がどういう能力によるものなのか、というのも考えたり。やっぱ念動力なんですかね。サイコロで出る目を当て続ける、という場合は、予知能力でしょうけれど。
投稿: TAKESAN | 2008年7月27日 (日) 09:52
どうも(^^)
手続きの説明の部分は、実験の組み立て方とか、どこを見るか、とかが、わかりやすくて良かったです。
予知能力については、以前、宇宙誕生からの現象をすべて計算し、今何が起きるかについて最も確からしい答えをはじき出す人、という話を思いついたことがあります。
一生かけて確立を計算し、最後にコインを裏表を当てて死ぬという大河ロマンです。
投稿: A-WING | 2008年7月27日 (日) 10:39
こういうのはどうでしょう。
ある人は、超能力がありスプーンを念力で曲げると豪語しています。
さて、それを確かめるために、実験を行う事にしました。
その人は、見事スプーンを曲げました。もし、スプーンに仕掛けがなく、物理的な外力も加えられていないとすると、実験によって偶然スプーンが曲がる確率は、量子論的な計算をすると、0.000000・・・・・・・・・・・・・・・・・1%程度でしかありません。
自称超能力者氏、勝ち誇ったような顔をしています。
イカサマかどうかを検証するのに、イカサマではないという前提を持ち込んでいるわけですね。
投稿: zorori | 2008年7月27日 (日) 10:53
連投失礼します。
統計的仮説検定というともっともらしく響くけど、そもそも、その手法を用いることが妥当かという問題が有るわけですよね。
イカサマを検証するのに、科学者は適任ではない。なぜなら簡単にだまされるからだ。マジシャンやイカサマ師が適任であるというのは昔からよくいわれることですね。もちろん、イカサマ師並みの科学者もいるわけですけど。
投稿: zorori | 2008年7月27日 (日) 11:06
>A-WINGさん
ラプラスの魔、的ですね。
その計算能力を、コインの出る面を当てるというのに使うのが、何とも人間的ではありませんか。
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zororiさん、今日は。
統計的方法というのは、あくまでツールであって、たとえば差が有意であったりする事が、それ自体で何らかの役に立つ、というのでは無いのですよね。
注意深く書かれた本では、そういう部分について、念が押されていますね。
私は大村平さんの本に多大な影響を受けているのですが、大村さんも、統計によって得られた結論は、現象的にどういう意味を持っているか、という所を併せて考えなければならない、と書いておられます。
やはり、餅は餅屋で、マジック的な方法に関しては、専門家の間で培われたコツがあるのでしょうね。マジシャンは、いかに人の認識を誤らせるか、という所に全力を注いでいる訳ですし。
だから、ジェイムズ・ランディのような方が貴重なのですよね。
一見超常的に見える現象を見るのだから、科学屋と奇術屋が連携する必要があると思います。
マリック氏が、「ブラインドテスト」という方法を仄めかして超能力的なものを肯定する発言をしたのは、とても残念でした。そういうのは、懐疑主義者を必ず参加させなければならないのに。
投稿: TAKESAN | 2008年7月27日 (日) 12:39