また毎日か
27 毎日のゲームと子ども3 - アルファ’s blog(仮
新教育の森:子どもとゲーム/3 脳への影響は未解明 - 毎日jp(毎日新聞)
アルファさんのブログにコメント入れようと思ったのですが、毎日の記事への意見として、エントリーにします。
専門家の意見を都合良く持ってくると印象が誘導される、という良い(悪い、か)例ですね。
小泉氏の意見の部分には、「3.熟達化によって熟考の必要が無くなった段階」(1と2はアルファさんのブログを参照して下さい)、という読み方も出来る訳ですが、それは、ゲームをある程度知っている人でないと読み取れない部分ですよね。知らない人は、ゲームは概ね熟考しない、と言っているようにも見える。
津本氏の場合は、「相手の表情等を見ないコミュニケーションが発達を遅らせる可能性がある」、という一般的な論理から(これはある程度妥当だと思います)、ゲームもそういう可能性がある、と言っている訳ですね。この意見自体は、それほどおかしなものでは無いと思いますが(可能性がある、という意見なのだから)、しかし、この文脈で書かれると、「流れ」で読んでしまう。それに本来、ゲームはコミュニケーションツールでもある訳ですね。複数でやるゲームなど、いくらでもあるのです。もし、一人遊びが出来る可能性があるものの悪影響を言う、という事なのであれば、読書等も同様に捉えるべきなのですし。
それにしても、ゲーム脳をまた紹介するとはね。ニセ科学ですよ、あれは。記者は、そのニセ科学性に対して、あまりに素朴過ぎるでしょう。
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この記事へのコメントは終了しました。
コメント
さすがに理系白書ブログにコメント書きましたよ。まああっちも絶賛炎上中なので、コメントが埋もれる可能性大ですが。
この記事のシリーズは、まんたんウェブにも掲載されているので、もしこの第3回も載ったら、各メーカーはまんたん出入り禁止にすべきでしょうね。
あとその前に、任天堂はWiiニュースチャンネルでの毎日新聞との提携を解消してもらわないと。
投稿: ゲイムマン(府元晶) | 2008年7月24日 (木) 19:33
ゲイムマンさん、今晩は。
ああ、炎上してるんですね。今は読んでいないので、知りませんでした。
記者は何してるんでしょうね、本当に。ちょっと調べれば、一瞬で解る事なのに。ああいう風な紹介をするのが中立だと思い込んでいるのかも知れないですね。
ゲーム脳を公平に扱うとは、ゲーム脳がニセ科学である事を紹介する、という事でもあります。それははずしてはならない訳で。
投稿: TAKESAN | 2008年7月24日 (木) 20:46
私もあちらを覗いてみて,びっくりしました。
某記事の問題が,飛び火したのですね。しばらくこちらの問題を真摯に考えて貰える余裕は無さそうです。ただでさえ,そういったところ,齟齬が多いのに。
ゲイムマンさんの仰るとおり,ゲーム脳の取り扱いや科学の認識問題といった話など,埋もれてしまうでしょう。
投稿: complex_cat | 2008年7月24日 (木) 23:36
毎日は、今かなりややこしい時期ですからね。
痛いニュースなんかで採り上げられてますね。尤も、ダメな批判も一杯ありますが。
ちょっと心配なのが、坂元章氏の論が都合良く使われているから、坂元氏自身が不当に評価されてしまうのではないか、という所です。以前、そういう事がありましたので。
坂元氏のような、科学者として最高度の認識と慎重さ・冷静さを持った研究者を誤って評価するのは、全くよろしく無い事です。
投稿: TAKESAN | 2008年7月25日 (金) 00:27
こんばんは。
「なんとかしてゲームを悪者にしたいが、まだ決定的な証拠が見つからない」と主張しているかのようですね。
なんというか、いまだにゲームを異質なものとして受け止めているようで逆に違和感を覚えます。
投稿: thotc | 2008年7月25日 (金) 01:21
thotcさん、今日は。
新しい記事では、オンラインゲームへの没入が書かれています⇒http://mainichi.jp/life/edu/mori/news/20080725ddm002100067000c.html
確かに、オンラインゲームは対人コミュニケーションをそもそも含むもので、一般的なゲームとはまた違った見方をする必要があるのですが、それにしても、この書き方はどうかと思います。
突然死なんて、ゲームと直接の関連があるとは限らないんじゃないかな。それも、数十時間連続でプレイするという、完全に常識から逸脱した例ですし。それ(長時間やる事)をゲームの依存性ゆえ、と言う事も出来るかも知れませんが、それでも、突然死がゲームによって、と即主張出来る訳ではありませんし。
投稿: TAKESAN | 2008年7月25日 (金) 13:14
第4回ですか。今書いている途中です。
>突然死なんて、ゲームと直接の関連があるとは限らないんじゃないかな。
たぶん死因はエコノミークラス症候群なんじゃないかと考えています。
ちなみに森昭雄は『ITに殺される子どもたち』で「おそらく前頭前野への血行がひじょうに低下してしまい、自己コントロールができなくなってしまったのでしょう。」とのこと。
投稿: アルファ | 2008年7月25日 (金) 14:05
アルファさん、今日は。
死因に関しては、医学的に色々な見方が出来るのでしょうね。それをゲームの影響と考えるのは、気が早いと思います。物凄く極端な例ですし。むしろ、長時間同じ姿勢を採り続ける事、のように一般化して考える方が重要だと感じます。
もちろん、どのくらいの頻度かとか、亡くなった方の既往歴とか、そういう所も調べるべきでしょうね。
投稿: TAKESAN | 2008年7月25日 (金) 14:23
番外編⇒http://mainichi.jp/life/edu/news/20080728ddm004100003000c.html
最大限好意的に見ると、両論併記を心掛けているのかな、とも感じます。
以下、突っ込み所。
だから、「死んでも生き返る」と考える事自体は、そんなに変な事なの? それと、それは本当に、ゲームの影響なの?
▼▼▼引用▼▼▼
それがゲームの影響なのか科学的に証明するのは難しいが、ゲームのやりすぎで朝起きられない子が増えているのは確かだ。
▲▲引用終了▲▲
文の繋ぎ方がおかしい。死生観にゲームが影響しているか判らないが、ゲームし過ぎで朝起きられない子が「確かに」増えている、って、変じゃない?
ちなみに、私は学生時代、毎日2・3時間ゲームしてましたけど、夜は10時前に寝てました。朝早かったりしたし。高校は皆勤だもんね。無遅刻無欠席。
ゲームして、脳だけ疲れて体が疲れず眠れない、ってホント? それって、医学的な根拠ありましたっけ。
馬場氏と浜村通信(←古っ)には賛同。
天野氏は、推測的なロジックを展開し過ぎな気が。
外で遊ぶ環境が少なくなった、というのはありそうですが、実際はどうなんでしょうね。
▼▼▼引用▼▼▼
リアルな体験があればバーチャルは怖くない。五感を伴う体験は意識で理解される記憶とは違う。
▲▲引用終了▲▲
これは、日本語として意味が解らない。適当に言葉を選んでますね。
▼▼▼引用▼▼▼
ゲームよりも、ゲーム以上の面白いリアルな体験ができなくなっていることの方が深刻な問題だ。
▲▲引用終了▲▲
この種の意見、筋が悪いといっつも思う。
ゲームよりも、という事は、ゲームを下に見てますよね、まず。何で、ゲームより面白いものを探させるのが好ましい事だ、というのが前提されるんですか。
それとですね。
ゲームは面白いですよ。むちゃくちゃ。リアルとかそうで無いとか、そういう問題じゃ無くて。面白いから、素晴らしいからやってるんですよ。少なくとも私は、(ソフトにもよるけど)「何となく」ゲームはやらない。それは「作品」。芸術的なレベルのもある。
芸術的とか大袈裟な、と思われた方。そもそも下に見てしまっている、という事です。
ちなみに、だから良いとか、そういう話でもありません。そういうものがあり、それを意識してゲームという文化に触れている、という事実を表明しておきたいだけです。
投稿: TAKESAN | 2008年7月28日 (月) 17:37
この「死んでも生き返る」云々の元教授の書は読みました。
「一度死んだ生きものが生きかえることがあると思うか」
という質問に、対して「生き返る」「生き返ることもあると思う」と答えた子供がいた、ということを問題視し、「昔は死が身近にあったけど、今はそうではなくなった。それが、凶悪犯罪や自殺の増加につながっている」という思い込みを書いただけの書でした(統計などを調べれば、少年による凶悪犯罪や自殺が減っているのは一目瞭然なのに)
「一度死んだら生き返らない」
が唯一無二の「正解」というのは生物学的には正解ですけど、宗教・文化も絡んでくる質問としては、こういう答えがでるのは当たり前で、それを一切考慮しないで、(少なくとも書籍内では)根拠なくゲームや漫画のせいだ、と言ってみたり、で相当に短絡的な本という感じでした。
投稿: たこやき | 2008年7月28日 (月) 18:50
たこやきさん、今晩は。
なるほど。
死生観とか「リセット」については、いつも出てくる話ですよね。
死生観というのは、一筋縄ではいかない話題ですよね。科学から思想・宗教に亘る問題。ですが、ゲーム批判に絡める人はむしろ、それを無理に単純化しているきらいがあるように思います。
私自身は無信仰で唯物論者ですが、だからといって、そのような思想を持つべきだ、とか、その方が好ましいとかは、全く思っていないです。
死んだら生き返る、というのも様々な種類がある考えでしょうし、そのような認識がある事と何らかの事件を起こすような心性に関連があるというのも、推測の域を出ていないのではないかと思います。
投稿: TAKESAN | 2008年7月29日 (火) 00:58