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2008年6月 9日 (月)

言えるか否か。想定問答

ニセ科学という概念に疑問を持つ人には、次の問いを投げ掛けてみると良い、と思う。

  • 「科学的に認められている(妥当である事が”確かめられた”)」という主張は可能か。
  • 「科学的に認められていない(まだ”確かめられていない”)」という主張は可能か。
  • 「科学的に認められていない(今”確かめられている途中である”)」という主張は可能か。
  • 「科学的には否定された(妥当で無い事が”確かめられた”)」という主張は可能か。

ニセ科学という判断そのものを否定するには、上の全てを否定しなければならない。そうするにはどういう立場を採らねばならないかは、言うまでも無い。

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実は、もし、ある人と議論になった場合に、どういう風に論を展開しよう、と戦略を練っていた時に、上のような問いを発して議論を進めようと思いついたのでした。結局、特に議論にはならなかったので、ここに書いておきます。

想定問答

「ニセ科学という概念があるという事は、”科学”を定義出来るという事か」

「その前に質問。あなたは、”科学的に認められている”という主張は可能であると考えるか」

「考える」→次へ  「考えない」→そもそも科学の話が出来ないので、終了。

「では、あなたは、”科学的に認められていない”という主張は可能であると考えるか」

「考える」→次へ  「考えない」→「科学的に認められている」という主張が可能であるのに、認められないという主張が不可能だと言うのは、矛盾する。終了。

「では、あなたは、”科学的に認められていない”ものについて、”科学的に認められている”と誤った主張を行う事は可能である、と考えるか」

「考える」→次へ  「考えない」→これは結局、誤る事はあるか、という話なので、否定出来ない。終了。

「では、あなたは、”科学的に認められていない”にも拘らず、”科学的に認められている”と主張や周知されている説が存在し得る、と考えるか」

「考える」→次へ  「考えない」→主張が可能なのに説が存在し得ないと言うのは不可能。終了。

「では、あなたは、”ニセ科学”という概念を否定出来ない事になる」

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余談。

「認められていない」という言葉、注意深く見るべき。

それは、「まだ確かめられていない」・「今確かめている途中」という意味で用いられる場合と、「否定された」という意味で用いられる場合がある。文脈を考慮して読み取る。論者によっては、「否定された」という表現を嫌う(科学の文脈では「否定」と言って構わないが、厳密かつ慎重な言葉遣いを心掛けたい)ために、代わりに使う事もあるだろう。

認められていないって事は、まだ証明される可能性はあるんでしょ、と言い返されるかも知れない。けど実は、「あり得ない」とほぼ同義で使われる事もある。「ゲーム脳は科学的に認められていない」、という風に(そもそも、ゲーム脳は定義どころか、何を示しているかがかなり不明確だから、「あり得ない」とか「否定されている」とかが言いにくい、という面もある)。水伝辺りには、こんな慎重な物言いをする人は少ないかも知れないけれど。

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