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2008年6月12日 (木)

マスメディアの反応

秋葉原の事件に関して書かれたWEB上の記事を、調べてみました。

ここでは、ゲーム等のサブカルチャー、あるいはインターネットに言及していたり、「識者」と呼ばれる人のコメントが載っているものを、ピックアップしました。※ゲームという単語が入っているものも貼ります。「ゲームのような」、というアナロジーを用いて犯人の心理を推測している記事もありました。

新聞社の記事なので、その内削除されるものもあると思います。

社説 - [秋葉原通り魔]動機の解明を急ぎたい : 南日本新聞

 さらに、インターネットの携帯電話サイトの掲示板に犯行を予告する書き込みをしていたという。その内容は「途中で捕まるのが1番しょぼいパターンかな」などとゲームを楽しんでいるようだ。人を殺すことへのためらいがまるで感じられない。

自身の状態をゲームに擬えていた、というのはあるかも知れない(単なるアナロジーだから)。だが、「ゲームを楽しむ」というのと同様の心情であっただろうか。

福井新聞 - 論説(6/10分を参照)

仮想現実と孤独がミックスしたような世界で現実とのギャップを感じたとき、私たちが想像もできない行動に出る。

意味がよく解らない。

福井新聞 - 越山若水(6/10分を参照)

最近相次ぐ無差別殺人に、生身の命とゲームの命の区別も付かないのかとがく然とする。

区別がつかないのに、何故生身の人間を狙うのだろうか。違いが判別出来ない、というのでは無く、重み付けの話か。

東京新聞:現実の世界で生きているようで、実は携帯サイトの掲示板の世界…:社説・コラム(TOKYO Web)

匿名化を広範に許すネット社会では自分の行為に対する倫理的判断が麻痺(まひ)状態になる。作家の柳田邦男さんはこう分析している。思いやりの心の摩耗と言ってもよかろう。自分はどうか。心に尋ねている。

この文脈で匿名性云々を出す意味が解らない。

福島民報 | 論説・あぶくま抄:無差別殺傷 動機解明を(6月10日) 

子どもはテレビゲームでの殺傷場面に慣れ親しむあまり、仮想現実と現実との区別がつきにくくなるケースもあるという。

ケースもあるという、とする根拠は? その前に、仮想現実と現実との区別がつきにくいというのは、どういう状態なのだろうか。本当に虚構と現実の区別がつきにくいという状態なら、全く文脈が異なってくるはず。

さきがけonTheWeb|北斗星(6月10日付)(秋田魁新報社)

▼凶器はダガーナイフだった。ダガーとは英語で「短剣」を意味する。過去に欧米で決闘用に使われ、アニメゲームにも頻繁に登場する武器という。男がアニメマニアだったかどうかは不明だが、どこかおぞましいものを感じる

アニメやゲームに頻繁に登場する、と言い切れるかも疑問だが、「男がアニメマニアだったかどうは不明」というのは何を意味するのか。そうだったと判明した場合、アニメやゲームと凶器の選択が密接に関連していた、という事か。

【秋葉原通り魔事件】凶器のダガーナイフ 高い殺傷力 - MSN産経ニュース

ダガーナイフは、有名なゲームソフト「ドラゴンクエスト」などにも“アイテム”として登場、ゲーム好きの面を見せる加藤智大容疑者(25)をひきつけた可能性もある。

ダガーと聞いて『ドラゴンクエスト』を思い浮かべる人が多いほど、当該ゲームにおいて「ダガー」などという語は頻出しないと思われる。出てくるだけでよいのなら、無数のゲームが挙げられる。そもそも、『ドラゴンクエスト』では、武器のグラフィックはほとんど登場しない。武器の構造的な特性も同様。

※他ページからのリンクは、「【秋葉原通り魔事件】凶器のダガーナイフ ドラクエの“アイテム”にも」となっている。

Sknc

「ダガーナイフ」銃刀法改正も検討へ : 秋葉原無差別殺傷 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で使われた「ダガーナイフ」は、人気ゲームで主人公が使う武器として登場するなど、若者の人気アイテム。

ダガーというゲーム中のアイテムが人気なのか、実際のダガーナイフが人気なのか。人気だからダガーがゲームに使われるのか。ゲームに使われているから実際のダガーナイフも人気なのか。そもそも、ゲーム中で注目されるアイテムとしてダガーが位置付けられているなど、ゲームユーザーの立場からすると全く考えられないし、聞いた事も無い。若者にダガーナイフが人気だという話も初めて目にした。

人気ゲームで使われている=それ自体が人気  には全くならない。

文章が読解不能。

asahi.com(朝日新聞社):使用ナイフは人を刺す武器用 規制は一部 秋葉原殺傷 - 社会

 ゲームでも武器として登場し、若者にも人気がある。

読売の記事と同様。「人気」とはどういう概念なのか。

○ZAKZAK(夕刊フジ)

秋葉原無差別殺人、男の素顔…ロリコン、スピード狂

秋葉原無差別殺人男のオタク執着…独特のこだわりも

アニメやゲーム、オタク等の言葉をネガティブな印象に誘導している。情報として書くべきものなのか疑問。

凶器のナイフ6本所有…福井市の軍用品販売店で購入

ダガーナイフは、中世ヨーロッパの騎士が身につけていた両刃のナイフ。俗に言うドスなどに近いサイズ。大ヒットゲーム「バイオハザード」で敵キャラを倒す武器として登場。キャラクターの成長を楽しむロールプレイングゲームの草分け「ドラゴンクエスト」では、ゲーム内の仮想ショップで自由に購入できる。

 加藤容疑者が犯行当日に友人に送った萌え系ロールプレイングゲームにもダガーナイフに似た両刃のナイフが登場していた。

ゲーム内だから「仮想ショップ」なのは当たり前。そもそも、ゲーム内の店で武器が購入出来るなど、大部分のRPG(ロールプレイングゲーム)に共通している事だ。意味不明な言葉の使い方。

萌え系のRPGとは何だろうか。「ダガーナイフに似た」、とすれば、どうとでも言えるのでは。諸刃の短剣ならば、全部似ていると言える。鞘付きの短剣等は、よく出てくる。

「自己愛強すぎる」加藤容疑者“心の闇”専門家が分析

秋葉原殺人男“女”と劣等感「幸せ者は死んでしまえ」

少ない情報から犯人の心理状態・精神構造を論じている。推測の域を出ない。心理臨床においては、様々な検査・面接等の方法を組み合わせて用いて対象にアプローチしていく。それも、妥当性や信頼性を科学的な手続きによって確認した方法によって、である。

このような、「識者」による心理の分析もどきが、果たしてどれほど有用なものとなるだろうか。ある特徴を持っている人が何かをしたとして、その特徴を持っている全ての人がそうである、とはならない。また、「何かをした」のはその特徴を持っているからだ、と断定は出来ない。

こういった分析は、様々な前提・仮説が全て正しい場合に成り立つ推測であって、それ以上のものでは無い。偶然当たる事もあるし、全く合っていなくとも、情報が少なかったという言い訳が出来る。

本当に真摯に考える人ならば、「情報が少なくて何も言えない」、となるはずだろう。「ネット事情に詳しいジャーナリスト」が、何故精神分析のような発言をしているのだろう。

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コメント

前エントリとどちらにコメントしようか迷ったのですが。

SFCのリメイク版DQ3でアサシンダガーが登場した時には「FFか!」なんて思ったものですけどね。

ネット、匿名云々は2chの話とつなげたいのかな。
しかしここまで様々な報道でネット、アニメ、ゲームとの関連に触れているという事実には驚きました。mixiニュースのタイトルを見て気になってはいたのですが。まとめおつかれさまです。

投稿: dlit | 2008年6月12日 (木) 05:58

今回の事件をつぶさに観察しての推測ではなくて、元々、記者が抱いていたゲームとかナイフへの先入観を書いているだけに見えます。

事件前から書いてあった原稿の固有名詞だけ変えれば出来上がりという印象でした。

投稿: zorori | 2008年6月12日 (木) 09:42

こういう記事を視る度に思うんですが、こういうのって個々の記者や媒体固有の思想とか主張が動機じゃないんだと思いますね。なんでこういう適当なことを書くのかということを考えてみると、最大の理由というのは「記事として成立させる」という必要性じゃないかと思います。

ただ事実をありのままに書いただけでは記事としての面白みに欠けるから、何らかの詳細な情報に基づいて分析めいた付加価値的なストーリーを附ける必要があるわけで、多分ゲームやアニメが悪いというのも、書き手は本気でそんなことを考えているわけじゃないんですよ。

そのままでは何の意味もない各要素を継ぎ接ぎすることで成立する尤もらしいストーリーを語っているだけだろうと思いますね、「ああ、この切り口の三題噺でお話が成立するじゃん」みたいな。そういう意味では、無根拠な偏見やゲーム忌避が動機という想定よりも、実態はもっといい加減で無責任なんじゃないかと思います。

投稿: 黒猫亭 | 2008年6月12日 (木) 11:50

こんにちは。

>黒猫亭さん
>最大の理由というのは「記事として成立させる」という必要性

オタクが、数は増えても永遠のマイノリティであることなど考えると、思慮の浅いアホウな記事でも書けば、「○○がアホなことを書いている」と方々で紹介されるので、単純にページビューを稼ぐことはできるんですよね。で、ページビューが増えれば、広告収入が見込める。

まぁ想像ですけど、「それはない」と言い切れないんですよねぇ、あまりに毎度なんで。毎回批判が出てることは、報道だって知ってるはずですしね。「おまえらカネのためにわざとやってるだろう」って言いたくもなります。

投稿: A-WING | 2008年6月12日 (木) 12:39

dlitさん、今日は。

一応、全国の地方紙も含めて、調べられる限り調べてみました。割合としてはそれほどでもありませんが、全国紙が、やっちゃってるんですよね。

ダガーっていったら、FFの武器ですよねえ。ドラクエでいう どうのつるぎとかこんぼうとか、その辺の感じ。

一つ、犯人の親の会見について書いている記事を見つけたのですが、貼りませんでした。少しテーマからはずれるし、感想を書いてたら、感情が篭りすぎてしまったので。

------

>zororiさん

「ダガー」なんかはそうですね。そして、ことごとく的外れで、場合によっては完全に間違っている。あれくらいの間違い、周りも気が付かないのかな。適当過ぎる。

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>黒猫亭さん

うーん、どうでしょうね。
記者の年代なんかも関係するとは思いますが、「解っててやってる」のと、「本気で思い込んでいる」場合があるんだと思います。それは、新聞記事程度の短い文章からは判断出来ませんけれど、いずれにしても、ダメ記事である事は間違い無いですね。

私は、ゲーム脳や脳内汚染方面を調べて、「本気っぽい」人を結構見てきているので、記者にもある程度いるだろうと思っています。むしろ、全体に対する割合としては大きい訳では無いので、「本気」で周りもおかしさに気付けなかったものが表に出てきた、という見方も出来るかも。

マスメディアがゲーム業界をつぶしたいんだ、的な意見もありますが、それは不明です。はっきり言えるのは、ゲームやアニメのせいであるかのごとき書き方をしている記事がいくつか見られる、という事ですね。そして、影響力が大きいであろう全国紙でそのような展開がなされている。問題です。

投稿: TAKESAN | 2008年6月12日 (木) 12:49

A-WINGさん、今日は。

確かに、無いとは言い切れないですね。もちろん、どっちかはよく解らないですが。

でも、一応、「本気でやっている」と看做して批判しなくちゃいけない、と考えています。書いた者の意図は解りませんからね。

もし「釣り」の意図があるなら、それ自体悪質ですよね。シリーズの組み方を見ると、ZAKZAKは、わざとやってんじゃないか、と思ったりもします。ゲンダイとかもね。

投稿: TAKESAN | 2008年6月12日 (木) 12:54

こんにちは。今日は仕事に行ってる旦那から「注文したメタルギア、届いたか」とのメールが何度も入り、いいかげん腹が立ったので「うるさい」と返信したキャリンです。

>黒猫亭さん

別エントリーでのコメントへの返信ですが、「まんが水戸黄門」の存在はすっかり忘れていました。「ダイオージャ」は覚えていたのですが…

ところでこれから書くことは、情報を分析したとかそういうものではなく、あくまで私個人が今回の事件で連想したものです。
今回の事件を聞いて連想したのは、いわゆる津山事件でした。エリートからの転落・疎外感・周囲の人間に対する感情(片や村人であり、片や自分が知っている町に繰り出す人達)等のキーワードが似ているように思ったからです。これはもちろん、先に書きましたように、マスコミ報道からの単なる連想に過ぎません。犯罪学の素人が真剣に二つを結びつけるような浅はかな真似はするつもりもありません。
ただこのように、ゲーム以外にも犯罪の形態からして、様々なことを連想させ、考えさせるものがあると思うんですね。それなのになんで何とかの一つ覚えのようにサブカルチャー叩きに走るのでしょうか。

まあ、その方が簡単なんでしょうね。
スポンサーとしての力もそれほど強くないでしょうし。

投稿: キャリン | 2008年6月12日 (木) 18:08

こういう記事を待ってました。全部保存して資料にさせてもらいます(なぜかZAKZAKはhtml系での保存ができませんでした)。

>本当に真摯に考える人ならば、……
まったくもって同意。殺人事件なのになぜネットの専門家に聞くのかわからない。

そういえば講談社系(『日刊ゲンダイ』『週刊現代』)は先月の殺人事件でも犯人をオタク扱いしてましたね。
http://www.j-cast.com/2008/06/03021172.html

投稿: アルファ | 2008年6月12日 (木) 18:16

キャリンさん、今晩は。

あ、今日はMGS4の発売日ですね。

行動を説明する尤もらしい説明、というのは、いくらでも出来るのですよね。
安原さんのエントリーに的外れな非難がありましたけど、問題なのは、「識者」や「専門家」と称される人が、少ない情報からそういう説明を構築する事だと思います。推測なら誰でも出来る訳ですね。
で、専門家というのは、情報を上手く取捨選択して処理する訓練を受けた人達なのですよね。見方を変えれば、情報が無ければ一般の人とほとんど変わらない事しか言えない。

誰でも推測出来る事を「識者」による意見として紹介するのがまずい、と考えています。

サブカルチャーに向かうのは、何故でしょうねえ。

------

アルファさん、今晩は。

まとめとして使って頂ければありがたいです。

ゲンダイやZAKZAKはダメですね。とてもダメ。

しばらく続くでしょうね。後何十年続くかな。

投稿: TAKESAN | 2008年6月12日 (木) 19:08

投稿: TAKESAN | 2008年6月12日 (木) 21:09

突っ込みを入れてみる。
>産経
偶然1983年が引っかかるからってファミコンを入れたようにしか聞こえない。その時の社会問題を次々入れて不安を煽りたいのか。

そんな産経のアンケート
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080612/crm0806121222010-n1.htm
「東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、犯人が使用した両刃の「ダガーナイフ」は、ゲームソフトに登場するものでした。」なんて事前誘導もいいところです。20日の産経新聞が楽しみですね。

>朝日
・アキバ系と底辺の労働者が同じ絶望を抱えているというのか。
・テロに幼稚も成熟したもないだろうと。

投稿: アルファ | 2008年6月12日 (木) 22:41

こんばんは。

以前書いた事と重複するかもしれませんが、私はこうしたマスメディアの対応について一つの仮説を持っていますので、ちょっと、また長くなってしまって恐縮ですが、その仮説について書かせてください。
また、多少不謹慎に思える表現があるかもしれませんが、ここではなるべく感情を排して書いていますのでご承知おきください。

まず、こうした事件を全く利害関係の無い第三者が知った際に、怒り・悲しみ・戸惑いなどの感情が生じますが、それらが収まった後でも、最後まで残る感情は何でしょうか。私は「不安」だと思います。そしてその中身は大きく2つに分けられます。
1.「自分もしくは近しい人が被害者になるのでは」という不安
2.「自分もしくは近しい人が加害者になるのでは」という不安
現在マスメディアが無節操に行っている、でっち上げにも近い原因追求や犯人のカテゴライズ(レッテル貼り)はこれらの不安を解消したいという要求に応えるものなのではないか、というのが私の仮説です。

まず、原因追求についてです。私達の心はどうしても、因果律的な考え方を好む傾向にあるようです。つまり「原因の存在しない状態」は強い心理的負荷を生じますので、できるだけその状態を避けようとします。その結果、単なる相関関係を因果関係と混同したり、あるいは犯罪被害者の方は「どうしてこんな目に遭わなければいけないのか」という悲痛な叫びを(悲しみとは別個に)表したりします。
原因追求とは本来、再発予防の為のものでなくてはならない筈ですが、マスメディアは営利企業の常として、こうした消費者(情報の受け手)の欲求に応えようとするあまり、原因が明らかでない段階でも何とかして原因を提示しようとする。そしてそれは解りやすい記号的なものであればあるほど良い(不安の解消に貢献する)のです。それが今回は「ダガー」だった訳です。
理性で判断すれば誰でも、ダガーを規制したって犯罪が無くなるとは思わないでしょう。しかし情緒的には一旦解りやすい原因を提示し、次にそれを生贄として血祭りに上げる事によって「自分達にも被害が及ぶのではないか」という内なる不安を幾らかでもやわらげられるのだろうと考えます。

次に、犯人に対するレッテル貼りとそれに引き続くバッシングについてです。これは部分的には「そういう『特殊な人』が引き起こした」という形で原因追求にも関与していますが、その構造は前段で述べましたので省略して、それ以外の要素について述べます。
即ち、この「自分達とは違う特殊な人」というレッテル貼りは原因のでっち上げ以外にも幾つかの効果を持ちます。まず、犯人を一定の層にカテゴライズできれば、その層との接触を避けさえすれば被害を予防できると思えますので「被害に遭うかもしれない不安」が軽減されます。カテゴライズできなければどうやって接触を避ければ良いか解らないので不安は解消されません。従って、なるべく解りやすく、かつ容易に避けられ、更に多くの受け手からなるべくかけ離れているカテゴリに押し込める事が重要になります。オタクはこれらの条件を全て満たしていますので、事実か否かに関わらず、犯人をオタクと同一視するのは消費者の受けが良くなると予想できます。
更に犯人を自分達とは異なる層にカテゴライズできれば、「自分達とは異なる人間によって引き起こされた犯罪」と思い込む事も出来るので「犯人になるかもしれない不安」からの逃避にも役立ちます。
従って、何が何でも犯人は特殊であるという事にしなければならないのですが、その特殊性は「普通の人」がいきなりなる可能性があるものであってはならず、しかも容易に見分けうるものでなければならないのです。

この仮説を補強する為に、もう一つ例を挙げましょう。知人の子を殺害した畠山鈴香の事件は連日ワイドショーを賑わせましたが、少し後で同じように子供を殺害した中国人妻の事件は遥かに小さな扱いでした。これは何を意味しているのでしょうか。
前者は犯人が普通の主婦だった為になかなかカテゴライズが上手く行かず不安が解消されませんでした。そこで彼女個人の事を色々調べて、何とか「普通と違う」部分を見つけ出そうとしていたように見えるのです。
しかし後者は既に「中国人妻」というカテゴリーに入っています。これは見分けるのも比較的容易ですし、しかも自分がそのカテゴリーに入ってしまう可能性もありません。従ってあまり不安を惹起しなかったものと考えられます。

投稿: PseuDoctor | 2008年6月12日 (木) 22:50

>アルファさん

あまりにもひどいアンケートなので、エントリーを上げようと思います。

東さんのは、あまりにもメタ過ぎて、当てはまるのかなんなのかもさっぱりですね。

------

PseuDoctorさん、今晩は。

ダガーという記号は象徴的ですね。そして、それをゲームと結び付けるという離れ業には、驚かされました。狭義の「ダガーナイフ」とはほとんど結び付かないのに。

夕刊フジなんかは特に、オタクと言われるカテゴリーに属する人を叩きたがる、という印象です。受けを狙っているのか確信的なのかは解りませんが、全く不充分な情報で安易に論を展開していますので、いずれにしてもダメですね。

自分達と異なるカテゴリーに属する人間のやった事であると思いたい、というのはあるかも知れません。

投稿: TAKESAN | 2008年6月12日 (木) 23:57

投稿: TAKESAN | 2008年6月13日 (金) 17:20

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