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2008年5月12日 (月)

きれーなにほんご

きれいな日本語意識高まる 旺文社の小中高校生調査 - MSN産経ニュース

そりゃあ、綺麗な方が良いかどうか、と訊かれれば、肯定するんじゃないか。見事な誘導に見えるけど。「きれいな日本語でなくともよい」、という訊き方とか。こういう場合に、「何を訊かれているか解らない」から答えない、なんてのは、私みたいなへそ曲がりくらいでしょう。
しかも、検定を受ける人達は、平均よりも言葉の用い方について関心が高い、という推測も出来ますね。

「きれいな日本語を話していると思う」という質問に「はい」と答える人がいるんだね。驚き。言葉について意識が高い人は、要求水準が上がるから、肯定しないんじゃないかな。肯定する人は、余程の自信家なのか…。

それからね。
言いたい事が伝わるかどうかは、言葉の選択の仕方と相互作用してるんじゃないの?

「歌が巧ければ、声が良くなくても構わない」、という質問みたいだ。

旺文社のニュースリリース(PDF)⇒~旺文社「第5 回ことばに関するアンケート」集計結果~
小・中・高校生 約10,000 人が回答 「きれいな日本語を使おう」 意欲高まる

こういう性質のアンケートで、経年の割合の変化を単純に比較して、意味があるのかなあ。

って、

あなたは、日本語が乱れていない方が、言いたいことを相手にきちんと伝えられると思いますか?

こういう質問もちゃんとあるのね。て言うか、Q4とQ5が…。Q5は、「乱れていない」なんだね。ややこしい。「乱れている」という概念は、直前の質問にある「きれい」の反対なんだよね? ここで言う「乱れていない」と「きれい」は、同じ意味なの?

あなたが日本のことをまったく知らない外国人に、一つのことば(一語)で日本を紹介するとしたら、
どんなことばを使いますか? あなたが日本をイメージすると思うことばを、一つだけ挙げてください。

全く知らない人に、一語で紹介するのは不可能です。富士山とかなんとか、それで説明するのは、相手が日本を知っている、って事じゃないですか。まず日本行きのチケットを渡すべきだ。

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「社会論」カテゴリの記事

コメント

1語で日本を…の部分を読んだとき、最初、「日本は○○の国です」の○○を補うような言葉というイメージではないかな、と思ったんですが、アンケート結果見るとやっぱり富士山とか出てきてますね。

「日本は○○の国です」路線で考えてみると、
日本は水の国です。
日本は火山の国です。
日本はエコノミックアニマルの国です。
日本はアニメの国です。

色々、出てきますけど、ちょっと考えすぎたみたいですね。^^;

投稿: えり | 2008年5月12日 (月) 15:12

こんにちは、皆さん。

 なんて言うか「言葉が乱れている」というのを言葉の問題として捉えているとたぶん理解できないんじゃないかなと思います。言葉の共通性の到達範囲という概念の方が乱れているのじゃあ無いかと考えています。

 例えば、上に媚びる上司が居たような時にその上司に「ポチ」ってあだ名を付けたとするでしょ。でもって「上手い!」なんて言う共鳴する人との会話では「あのポチが、また社長に・・・」とか言っても互いに理解出来るし、その上司を良く思っていない部分もまた同時に伝わるわけで、言葉としては、単にその上司の名前で話すよりも伝達内容は多くなっているのね。つまり、できるだけ沢山の情報を伝えるという意味では、きれいな言語となるわけです。

 問題は、そのあだ名に共鳴出来ない人やそのあだ名でその上司が浮かばない人とかにも「あのポチがさ」とやるという部分ね。これは言語として意味をなさなくなってしまうから、「乱れた言葉」になってしまうわけです。実のところこういう言語の共通性の到達範囲の概念があやふやに成っているだけのような気がするんですね。

投稿: 技術開発者 | 2008年5月12日 (月) 16:22

えりさん、今日は。

アニメの国、ゲームの国、地震の多い国、とか。
ああ、武道の国、というのもありますね。

質問文をそのまま受け取ると、知らない人に説明するのですから、固有名詞を出しちゃダメなんですよね。浸透している文化とか、成員の特性とか、地形や気象の特徴とか、じゃないと。

------

>技術開発者さん

私は、今と昔でそんなに変わっているのかなあ、って考えています。
言葉の乱れとか、きれいな日本語、とか、正しい日本語、なんかは、本気で考えると、凄まじく難しい問題だと思います。本当は、「きれいな日本語って何?」という所をこそ考えなきゃならないと感じるんですよね。それこそ、メタに考える。

私なんかは、「綺麗な言葉を使いたい。でも、綺麗な言葉って良く解らない」、という感じですし(笑) でも、直感的には「きれいだな」、と思うのはある。でもそれが普遍的かというと、そうでは無いだろうな、と。

言葉の美しさを何をもって判断するか、というのもありますね。音の響き(それをどう数量化する)? 体系の論理構造が整然としている? 過去に優れた文学作品が生まれたという事実(じゃあ、「優れた文学作品」とはどういう意味)? 水がより良く反応するもの?(冗談です)、等々。

なんか、考えていて、訳が解らなくなってきました(笑)

投稿: TAKESAN | 2008年5月12日 (月) 17:36

旺文社のリリース拝見しましたが絵に描いたような牽強付会ですね。「ドン引き」は正しいか間違っているかっていわれても。お好み焼きは正しいけどもんじゃ焼きは間違っている、とでもいうのでしょうか。

投稿: とらこ | 2008年5月12日 (月) 19:17

とらこさん、今晩は。

わたし的には、宮腰氏の、
▼▼▼引用▼▼▼
「これ」という日本をイメージすることばがない

前回「富士山」だけが18.2%で、二桁の数値を示しましたが、今回はかろうじて二桁を保った11.4%。2位は
「和」の7.9%、3位は「東京」の5.7%。ベストスリーは前回の2位と3位とが入れかわっただけです。「ありがとう」
が4位に、「こんにちは」が8位に、「おはよう」が28 位に現れたのは、人と人とのつながりを大切にしようとする世
相の反映で喜ばしいことですが、価値の多様化などといって、焦点が定まらず浮遊しつづけるこの国の姿が
「これ」という日本をイメージすることばを子どもたちに与えていないのかもしれません。
▲▲引用終了▲▲
こことかに、ガクっときました。あの質問内容の回答の解釈として、無理矢理なんじゃないかなあ、と。日本をイメージさせる言葉の答えが、そこまでの認識を反映している訳じゃ無いでしょ、と。

こういうのって、言葉の問題もさる事ながら、「調査」の問題でもあるのですよね。どのようにデザインするかとか、結果をどう考えるか、という所をきちんとしなければならないのに。

投稿: TAKESAN | 2008年5月12日 (月) 23:27

言葉が綺麗とか綺麗じゃないとか、になにかしらの基準がある、と云う発想がいまいちぼくには感覚的に分からないのですよね。あるひとがあることを表現するために使う言葉が、一回性的に「綺麗」である例にはいくつも触れていますが。

時代の推移に磨かれた、クラシックで洗練された日本語、と云うのはあるのかも、とか思いますが、これもどう考えてもぼく個人の感じ方を超えるものではありませんし。
ちなみにぼくは意識しないととても古臭い日本語を使ってしまいがちだったりします。多分そう云うのを「綺麗」だと思ってるんですね。

投稿: pooh | 2008年5月13日 (火) 08:15

まあここで意図しているのは、「馬鹿、阿保」などのいわゆる「汚い」言葉を使わないとか、文法的に間違っていない表現を指しているとは分かっていますが、どうも「方言」もきれいな日本語ではないと考えているようで、それはどうなのかなと思います。

それはともかく、一語で自分の国を表現しろといわれてもねえ。
じゃあUSAはどんな感じなんでしょうか?(アメリカ人なら即答できる?)
大体この質問、きれいな日本語とは関係ないですよね。お遊びで入れたんでしょうか(なら分析なんかするなよ)。

投稿: Noe | 2008年5月13日 (火) 09:19

poohさん、お早うございます。

私も、これは綺麗だと直感する言葉や文章はあるのですが(ちなみに、私は、「綺麗」という言葉がとても綺麗だと思ってます)、それが普遍的なものであるとは、全然考えていないのですよね。そこをきちんと考察しないと、独善的になる虞もありますし(自分が「綺麗だと思わない」言葉を用いている人に対して不寛容になる。ああ、水伝と一緒だ…)。

かと言って、何でもありの相対主義(相対主義=何でもあり では無い)ではいけないのですけれど。

ああいうアンケートでは、Aという「綺麗な言葉を使っていると自覚している」人と、Bという「綺麗な言葉を使えているとは全く考えていない」人が、同じような言葉遣いをしている可能性があるのですよね。自覚の問題だから、「綺麗な言葉」のハードルをどのくらいの高さに設定しているか、という所も関係しているでしょうしね。※そもそも、言葉が綺麗か否か、という価値判断だから、ハードルなんて単純なものでは無いですし。

------

Noeさん、お早うございます。

多分、方言と共通語が混在しているのを、整合していない、だから間違っている、あるいは綺麗で無い、としているのでしょうね。

日本を一言で表現するなら、「日本」しか無いですね。

投稿: TAKESAN | 2008年5月13日 (火) 10:59

TAKESANさん

そうですね
1.もともといい加減な調査
2.無理やりな解説
3.始めに結論ありきの報道

と三拍子揃っていると思います。調査には言語の専門家は勿論統計の専門家も関与していなさそうだし(つまり適当にやっただけ)、解説は『価値の多様化などといって、焦点が定まらず浮遊しつづけるこの国の姿』これが言いたいのかなーと思うけどもうちょっと「言いたいことをきちんと伝え」ていただかないと「価値の多様化は気に食わんといいたいのか?」と勘ぐりたくなるし、そして「きれいな日本語」を何も考えずによしとする報道って水伝かと思ってしまいます。(あ、今TAKESANさんの新しいコメント読みました。ご指摘の通りです)。始めから終わりまでいいとこないですね。

投稿: とらこ | 2008年5月13日 (火) 11:39

とらこさん、今日は。

何か言いたい事、主張したい事があって、それに合うように恣意的に解釈している、という感じですよね。

実際、綺麗というのは価値判断だから、それが良いかどうかと問われれば、良いと言うのはほとんど判りきってますよね。肯定しなかった人は、質問の意味が解らなかったとか、曖昧だから答えようが無いとか、そういう理由があるかも知れません。「はい(そりゃそうだ)」、「わからない(単に”きれい”と言われても)」というような。

このアンケートは、あんまり綺麗じゃ無いですね。乱れてるし。

投稿: TAKESAN | 2008年5月13日 (火) 12:36

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