究極奥義って胡散臭い表現にもなるよね
人が吹っ飛ぶ「究極奥義」を科学する~『武道vs.物理学』 保江邦夫著(評:栗原裕一郎):NBonline(日経ビジネス オンライン)
ほほー。構成がいいね、この記事。なかなか読ませる。
でも、1ページしか読んでないけど。続きを読むには登録を、かあ…。
私が読んだ保江氏の本についての感想は、科学的にと言っている割りにはそれほど科学的でも無いかな、というものでした。
武術は物理学だけでは解けないからなあ。物理的に考えるにしても、きちんと解剖学や生理学の論理と絡めないと(生体力学)ね。あ、保江氏が、物理だけで解けると言っている訳では無いですよ、もちろん。
合気とは、「実に多様な現象分野が複雑に絡み合った一個の現象総体」(高岡英夫 『秘伝』 1998年8月号内の記事 ”高岡英夫の「合気の運動科学」”より)なのです。それ以外の在り方をしない。一部を切り取って分析しても、完全な「解明」にはならない。まあ、学際的に考究すべき対象である、というのを認識するのが第一歩、だと思います。解明が異様に難しく、そして大変に魅力的な現象である事は、間違い無いです。て言うか、私が死ぬまで取り組むものだし(笑)
合気を科学的に考察したものは、今の所、これが最も優れているのではないかと思います ※この本の前半。後半は慎重に読みましょう。後半の内容は、今の所は捨ててしまっても良いです。未科学と、もっと黒っぽい所が混在しているようなものなので。
![]() |
![]() |
合気・奇跡の解読 著者:高岡 英夫 |
| 固定リンク
「科学論」カテゴリの記事
- メタスパイラル(2011.12.14)
- 主観、主観、ただ主観(2011.12.12)
- 公衆衛生(2011.12.07)
- ひとまずまとめ――患者調査において、「宮城県の一部地域及び福島県の全域について調査を行わない」事について(2011.12.06)
- 科学コミュニケーション――科学語での会話(2011.12.04)
「武術・身体運動」カテゴリの記事
- 主観、主観、ただ主観(2011.12.12)
- 斬り方(2011.11.25)
- 赤池弘次と身体運動とイメージ(2011.10.18)
- 高岡英夫と遠当て(2011.09.28)
- 柳龍拳氏が(2011.09.27)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
これ、書評全文読みましたけど、2ページ目に書いてあることはこのエントリの最終段に書かれていることとだいたい同じでした。
投稿: pooh | 2008年4月25日 (金) 08:37
ご無沙汰しております。
紹介先の方については,知識を持ちません。登録していたと思ったので内容お知らせできるかと思いましたが,勘違いで,私も後の中身を読んでおりません。ちなみに,Oリングの「開発者」も物理学,医学で学位持ちでしたよね。間違いなく達人レベルの宇城憲治氏もハードウェア会社の社長さんでしたが,グレーやブラックを含みますし。
ちなみに,「※この本の前半。後半は慎重に読みましょう。後半の内容は、今の所は捨ててしまっても良いです。未科学と、もっと黒っぽい所が混在しているようなものなので。」
激しく同意いたします。寧ろ,どうして「あれ」が彼の中から出てきたのか,その辺りに興味があります。
投稿: complex_cat | 2008年4月25日 (金) 09:04
poohさん、今日は。
おお、ありがとうございます。
バランスの取れた評論、という事ですね。
この記事の書き手さんの事はよく知らないのですが、きくちさんと、グレーゾーン問題にも触れてあって、おお、よく押さえてあるなあ、と思ってニヤリとしました。
------
complex_catさん、今日は。
やはり、直感に優れているが故に、色々体系を作りたがる、というのがあるのかも知れませんね。本来なら、バイオメカニクスや心理学等との整合性をきちんと確認しながら構築していくべきですが、専門外の事に関しては、つい考察を怠ってしまう、という面があるのだと思います。
『秘伝』を読むと、好き勝手に作られた体系が、一杯見られますものね…。
高岡氏については、やはり、幼少期に親しんだものが影響しているのかも知れませんね。東洋武術や行法と西洋科学と整合させる、という目的があった場合、ニューサイエンス的な方向(もちろんここでは、「意識」概念の過度の拡張の事です)に行くのは、ある意味で解りやすいものではありますね。
尤も、そういう所を差し引いても高岡氏の論は注目に値する、というのが、大変興味深い所ですね。あれほど、「いわゆるトンデモ」的な所ときちんとした科学的認識(私の科学観は、高岡氏に多大な影響を受けて形成されています)が混在している論者も、珍しいのではないかなあ…。著作を読む限りでは、統計学や実験計画法への言及があまり無いので、そこがポイントなのだと私は思っています。実証科学の具体的方法に関する押さえが少ないのかな、と。
投稿: TAKESAN | 2008年4月25日 (金) 11:35
精神論になってしまいますが、武道家がある技に対して、「究極」とか「奥義」と言い切ってしまうのは抵抗あるなあ。
師も過去の技も超えるために精進するわけですから。
投稿: JosephYoiko | 2008年4月25日 (金) 12:50
JosephYoikoさん、今日は。
フィクションとかマスメディアの影響もあるかも知れませんね。奥義にしろ秘伝にしろ極意にしろ、ある到達点や機密事項を表しているものなのに、大袈裟であったり軽過ぎる使われ方がされますものね。
「合気」に関しては、それが、武術に通底するエッセンスを抽出し、技術として対象化→体系への組み込みをした所に意義があるので、そこをきちんと、情報発信する側には押さえておいて欲しいと思います。殊更に他流派との差を強調するような表現は慎むべきですよね。メディア的に、多少は大袈裟にやりたいのでしょうけれど…。
「これは奥義だ」、なんて言って自流派自慢(とか他流派非難)をしたり、秘伝がどうこうとか言って過度に出し惜しみをしたりしてるのを見ると、エセ武術家検知センサーが発動します。
投稿: TAKESAN | 2008年4月25日 (金) 13:22
読みましたよ、『武道vs.物理学』。
前半は「最強格闘技の科学」の内容を一般向けに易しくしたようなイメージ。(内容が薄いなんて言ってませんからね)
後半は合気の解明。
結論(のような仮説)は「合気は電磁波」
キターーー。私の脳内で妄想合気大戦勃発。
「クッ。俺の合気が効かないだと」
「ふふっ。合気ジャマーだ。皮膚に微弱電流を流して合気電波を妨害する」
「そしてこれが合気ブースター、内蔵電源をトランスで昇圧し、10万ボルトの合気を発生させ、接触した瞬間に人間の行動能力を奪うっ!!!!」
「ぐわあああ。(それただのスタンガンじゃん)」
お後がよろしいようで。
投稿: グレートパンダー | 2008年4月25日 (金) 13:34
グレートパンダーさん、今日は。
あー、確かに、(他の本でも)吉福氏の本に似てる部分がありますね。そういえば……吉福氏といえば、(どちらかといえば神秘的なものとしての)気の概念に肯定的になっていった方でしたねえ。
>結論(のような仮説)は「合気は電磁波」
えー、マジですか。本書は読んでいないですが、他の本もそうでしたっけ?(もはや記憶に…)
思いっきり、黒に近いなあ。
前、佐川幸義先生関連の2ちゃんねるのスレを見てたら、ひたすら生体なんちゃらの効果を熱く語ってる人がいて、(ある意味)楽しかったです(ほとんど、「脳内合気大戦」と変わらないくらいの熱さでしたよ…)。
人間対人間のシステムの現象なのだから、絶対に、力学・生理学および、心理社会的な論理を考察しなければならないのに、何ですっとばすかなあ…。
「合気=人間スタンガン」仮説、これは興味深いですねえ。
投稿: TAKESAN | 2008年4月25日 (金) 13:56
すいません。
杜王町在住のぼくとしては、人間スタンガンで「バオー・ブレイク・ダーク・サンダー・フェノメノン」を連想したんですけど、きっと誰も分かってくれないですよね。
投稿: pooh | 2008年4月25日 (金) 23:05
あー、若干世代が違いますねえ。未読です(今ググりました)。
杜王町っていったら、やっぱ吉良吉影ですよ(笑)
投稿: TAKESAN | 2008年4月25日 (金) 23:20
こんばんは。
>バオー・ブレイク・ダーク・サンダー・フェノメノン
おお、これは懐かしいです。するとやっぱりTAKESANさんよりは私の方が少し世代が上なのですね。ですから、
>きっと誰も分かってくれないですよね。
なんて事は無かった訳です(^-^)
自慢じゃないですが「魔少年ビーティー」をリアルタイムで読んでて「凄い新人が出てきた」と注目していましたから(^^ゞ
>吉良吉影
私としては「康一くん」のキャラが初期の作風を反映しているように感じました。
投稿: PseuDoctor | 2008年4月27日 (日) 00:04
PseuDoctorさん、今晩は。
うわあ……今調べてみたら、『バオー来訪者』って、1984年に連載されてたんですね。世代で無い事は無かった…。『キン肉マン』より新しいし。思いっきり、もっと前だと思ってました。それだと、荒木さんの年と合わなくなっちゃうよなあ…。何という記憶の再構成。
単に読んだ事無かっただけ、だったんですねえ。その当時、ジャンプ読んでたはずなのに。
て言うか、奇面組よりも後に始まったんだ…。
ジョジョで親しんだ後に、単行本でちらっと見て、「全然画風が違う」、と思ったものです。
ちなみに、私の親戚にマンガ好きがいまして、全然リアルタイムでは無いマンガも、読みまくっていました。ジャンルもめちゃくちゃ幅広くて。『アストロ球団』と『エコエコアザラク』と『男どアホウ甲子園』を同時に読んだり(笑)
投稿: TAKESAN | 2008年4月27日 (日) 00:28
今、『バオー来訪者』の画像を見てみたんですけど、ジョジョと全然違う、なんて事は無いですね。違う作家と混同したのかな。
一体、私の記憶はどうなってんだ…。
投稿: TAKESAN | 2008年4月27日 (日) 00:46
> 思いっきり、もっと前だと思ってました。それだと、荒木さんの年と合わなくなっちゃうよなあ…。
だいじょーぶですよ.
荒木飛呂彦氏は幕末から変らぬお姿で存在しておられますから :-p
http://pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=29582
投稿: たかぎF | 2008年4月27日 (日) 16:34
>poohさん
>>「バオー・ブレイク・ダーク・サンダー・フェノメノン」
これなんかは読めば意味がわかりますが、「バオー・ステッディング・ビースス・フェノメノン」というのはサッパリ意味がわかりません。
>たかぎFさん
2008年時点の荒木先生の近影を拝見すると、かなり垢抜けてファッショナブルになられたようです。
http://www.japanmusic.jp/tanihara/
投稿: 黒猫亭 | 2008年4月27日 (日) 17:46
たかぎFさん、今晩は。
荒木氏は、年々若返っていきますからねー。
これを見てビビりましたよ⇒http://news23vip.blog109.fc2.com/blog-entry-1020.html
荒木氏が老けたらニュース速報ものです。
------
>黒猫亭さん
まさかそっちに行くとは思わなかった(笑)
荒木氏の曾孫かも知れませんよ。
------
しばらく前に、GyaOのしょこたんの番組に出てたんですが、超若かったですね。
投稿: TAKESAN | 2008年4月27日 (日) 19:16