方針と選択
12億円を辞退、ゲームもしない:『脳トレ』の川島教授(WIRED VISION) - Yahoo!ニュース
「ゲームの恐ろしいところは、いくらでも多くの時間を注ぎ込めることだ。ゲームをすること自体が悪いとは思わない。問題なのは、ゲームをすることで子供たちが、勉強や家族との会話といった大切なことをできなくなってしまうことだ」と、川島教授は言う。
若干の異論はありますけどね。でも、全く間違った事を言っている、という訳では無いからなあ。ポイントは、ゲームで家族の会話が弾む、というのは、いくらでもある、という所。ゲームをコミュニケーションツールとして捉えるかどうかの問題。勉強の時間が無くなる、というのは、ほぼ妥当でしょう。ゲームで勉強をする、というのは、今の所は例外的だから。
後、報酬を断った、というトピックについては、それを選択する事が、自身に最もメリットになる、という合理的判断なのだろうから、外部の人間がごちゃごちゃ論評する事では無い、と思う。どっちでもいいんじゃない、という感じ。十数億の報酬の受け取りを辞退した、という事実だけから川島氏の思惑を穿鑿しても、しょうが無いんじゃないですかね。研究資金にまわすにしても、個人が受け取るにしても、いずれも、「有効な使い方」なのでしょうから。
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コメント
大学に落とした方が自分のためになるという判断なのかもしれませんが、個人で受け取らなかったと聞くと、なんとなくいい人に見えるから不思議です。
(私は脳トレ否定派ですが)
投稿: Noe | 2008年2月 6日 (水) 17:08
印象は、かなりいいですよね。
まあ、ネットにいるへそ曲がりな人達(はてブとか2ちゃんねるとか)は、それをも非難してたりしますけれど。
投稿: TAKESAN | 2008年2月 6日 (水) 19:00
>勉強や家族との会話といった大切なことをできなくなってしまうことだ
なるほど。しかし親や親戚がゲーム関係のお仕事をしている子は、そうとも限らないような気も。
それに、
>ゲームの恐ろしいところは
の、「ゲーム」の所を「研究」に変えても同じ事が言えそうな気もします。
多分、川島氏は「ゲームと家族との会話の関係」について研究したのでしょう。そしてその研究内容を、逐一家族に報告しているのでしょう。おそらく。
まさか、「ただの印象論でした。」という事は無いと思います。
投稿: TAKA | 2008年2月 7日 (木) 20:31
TAKAさん、今晩は。
実は、川島氏ご自身は、結構ゲームに対しては、批判的、とまでは言わないまでも、それほど好印象は懐いておられないようです。
こういう記事での発言にどれくらいツッコミが出来るか、という所でもあろうかと思います。なかなか難しいですけれども。
投稿: TAKESAN | 2008年2月 8日 (金) 01:04
>川島氏ご自身は
>それほど好印象は懐いておられないよう
ううむ、確か川島さんご自身はゲーム関係で稼いでいたのですよね。おそらくは、「ビジネスとプライベートは別である。」と、割り切れるお方なのでしょうね。
それに森氏を反面教師としているはずですから、ゲームを正面から批判する事も永遠に無いのでしょうね。
いやはや、「大人の世界」ですねえ。
投稿: TAKA | 2008年2月 8日 (金) 01:14
えっと、川島氏は、どちらかと言えば、電子メディアには懐疑的な様子です。ちょっとソースは失念しましたが、著作を読むと、何となく、窺えると思います。
もちろん、ゲームを子どもさんにやらせる時に時間を制限する、というのは真っ当なやり方ですが、まあ、ほどほどにしないと、拘束的になっちゃうかもね、というのは、思います。一週間で1時間とかは、少な過ぎると、個人的には感じますが、それは他人の家庭の方針なので、余計か…。
川島氏の立ち位置の評価は、なかなか難しいです。はっきり言うと、「巧い」です。
投稿: TAKESAN | 2008年2月 8日 (金) 01:41
今日になって「関連」として、こんな記事も追加されていますね。
「脳トレ」川島教授のゲーム異論 「子供の貴重な時間の浪費」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080209-00000001-jct-sci
元記事
http://www.j-cast.com/2008/02/09016363.html
エントリで言及されているYahooニュースの元記事(WIRED VISION http://wiredvision.jp/news/200802/2008020621.html )からリンクされているAFPのインタビューとScience Portalの記述をもとにしているようです(Yahooニュースでは、リンクはされていません)。
任天堂にはコメントを求めていますが、うまくかわされている感じですね。
J-CAST記者が取材をお手軽に済ませたような印象はありますけれども、WIRED VISIONの記事を読んだ多くの人が感じたに違いない違和感を、クローズアップしたかったのだろうと思います。
投稿: 亀@渋研X | 2008年2月 9日 (土) 22:04
亀@渋研Xさん、今晩は。
これは参考になります。ありがとうございます。
やはり、記事によって、タイトルとかの書き方が、違いますねえ。
「ゲーム異論」って、不思議な書き方。
▼▼▼引用▼▼▼
川島教授は現在、東北大学加齢医学研究所に勤務している。専門分野はヒトの脳活動の仕組みの解明、研究と応用で、認知症の権威だ。実は、テレビゲームをすることで脳が活性化するのではないか、という仮説をかねてから持っていて、こうしたゲームの監修を引き受けることになった。そうなると、子供がテレビゲームで遊ぶことについて、とかくの議論がでている昨今、「子供の脳の活性化にはゲーム」という主張をするのかと思ったら、そうではないらしい。
▲▲引用終了▲▲
こういう記述がありますね。
「脳が活性化するのではないか、という仮説をかねてから持っていて、こうしたゲームの監修を引き受けることになった。」
というのは、随分端折っていますね。確か、そういう仮説を持っていて、実際にやってみたら、ゲームではそれほどでは無かった、という所が、最初だったはずですけれど。DSの脳トレが出たのは、もうちょっと後ですしね。
ところで、川島氏って、「認知症の権威」、なんですね。どういう意味かはよく解りませんけれど。
投稿: TAKESAN | 2008年2月10日 (日) 00:19