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2008年1月15日 (火)

視点

はてなブックマーク - いっそひぐらしのせいでもいいんじゃないのか、もう。フィクションは現実に影響するよ。 - HINAGIKU 『らめぇ』

含みなどは考慮せず(ここ重要)、書かれたものを、ある程度ストレートに読むならば。

そもそも、マンガやゲーム、アニメ等は、「胡散臭い」文化と思われている訳です。強いバイアスが掛かっている。

だから、もし、関係者・原作者なりが、「影響したと認めた」と取られる発言なりをしたとすれば、何が起こるかは、明確です。特に、発言が原作者のものであればね。

戦略的にも全くまずい、という事です。

書かれてある内容は、概ね正当であると感じます。あらゆる文化は、人間の認識に、なにがしかの影響を与える、と考えるのが、むしろ当然。はっきり言って、ある作品が引き金となって、何らかの悲劇を惹き起こす事は、充分あり得る。それを否定出来るはずが無い。それは、どんな文化でも、です。

だけれど、その「正論」を、社会が冷静に受け容れてくれるか、というと、こういう(新聞記事の様な)話題が出る事自体が、それを否定する証左である、と言える訳ですね。大した根拠も無いのに「原因」として論うのが、まかり通っている。それが実際なのです。残念ながら。

○○のせいかもね。と言ってしまうのは、ある種の開き直りであって、自分が携わっている文化の影響力に無頓着である、というメッセージになり得るのですよね。

だからこそ、冷静で、論理的で、科学的な検討が、なされなければならないのです。あの研究会での坂元章氏の態度に倣うべき、だと考えます。

度を越した報道に怒る、というのは、態度としては、全く正当なものだと思います。もちろん、的外れな反論・反発もある訳ですが。y_arimさんは、そこの所を危惧なさっているのかも知れません。

端的に言うと、(批判されている文化に関わる人によって)安易な言い方がなされてしまうと、文化が破壊される虞がある、という事なのですね。情報が社会一般に(マスメディア等を通じて)フィードバックされ、どの様な社会的認知が形成されるか。それがどの様な影響をもたらすか。そういった所を慎重に考える必要があると、考えます。

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コメント

なんというか
バッシング・規制側の人間がダブルスタンダードを使わずにフェアな価値観で判断してくれるのならば、こういった見解も大いにアリなんでしょうけど、
「バーチャル社会の~研究会」の議事録なんかを見る限り、彼らは「取るに足らない子供のおもちゃ、精神的に未熟な連中の手慰み」と「現実に影響を及ぼせるほどに大したもの」という二つの見方を同時に使っているわけで。
小説は問題ないけどゲームは問題、みたいな事を平然と言っちゃう人たちなんですな。

そういう連中相手に「ひぐらしのせいです」なんて言ってしまえば何が起こるか、という点については、おそらく私もTAKESAN様も同じことを考えているかと思います。

この人の主張は、理想論ではあるけど実状には適ってない感じがしますわ。

投稿: 黒屋ぶるー | 2008年1月16日 (水) 16:06

黒屋ぶるーさん、今日は。

そうなのですよね。事の始めから、かなり強いバイアスをもって言及される文化なのですし。リンク先を文字通りに解釈するならば、小説のような、個人の創作というのが解りやすい、しかも、ゲーム等よりは相当歴史の長い分野で、更に、その中でも大御所と呼ばれる人の発言を引き合いに出し、ゲームも影響すると言ってしまっていいんじゃないか、とするのは、若干の飛躍が見られるようにも思います(リンク先の文章を、そのまま受け過ぎかも知れませんが)。どの程度メディアに認知される人間が発言するか、という所も、考慮しなければなりませんし。

本文にも書いたように、もし、そういう意見を受け容れて冷静に論じられるような社会状況なら、そもそも、こういったニュースが出て問題になる事自体が、考えにくいのですよね。

仰る通り、ゲームを非難する人達は、ゲームに、「子どもが遊ぶようなしょうも無いもの」、「子どもに悪影響を及ぼす、問題のある文化」、という、両面価値的な側面を見出し、それを恣意的に用いているのですよね。それは、科学的な分析によったものでは無いので、非常に都合良く、自説の正当性を補強する道具として、使われてしまう訳ですね。
そういう現状であるから、認めてもいいのでは、という意見は、戦略的にもとてもまずいのかな、と感じます。もし認めてしまったら、それ以降どうなるか、予測は容易ですよね。

  「それ見た事か」

となるでしょう。黒屋ぶるーさんがいつもお相手なさっている かの方などは、嬉々として、それを採り上げる事でしょうね。

投稿: TAKESAN | 2008年1月16日 (水) 16:51

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