おとなのリテラシー
ちょっと不機嫌モード。
森昭雄氏に講演を依頼したり、説を肯定的に採り上げてるのって、マスメディアじゃないんですよね、今は。教育委員会だとかの、直接、教育に携わる人達なんですよね。TOSSもそうでしたね。
はっきり言って、「そっち」の人達のリテラシーはどうなっとるんだ、と思います。学力低下がどうこうとか言っときながら、ゲーム脳を(肯定的に)採り上げるなんて、噴飯物だとは思いませんか。 科学リテラシーを向上させるべきは、若い者だけか?
数ヶ月に一回のペースで、森氏の講演会が催されるなんて、どう考えても、おかしな話でしょう。主催者側は、なーんも調べて無いのでしょうね、事前に。調べた上で、「賛否両論だが…」なんて判断をしたのであれば、認識力が著しく欠落している、って事です。両論ある事だけ理解して、両論の中身を検討しないのだから。
ちゃんと理解しようともせず、直感を補強しそうだからと(これまた直感的に)飛びつく。そういう姿勢を見て、大人は解って無いな、と溜息をつく若者がいるって事に、気付いた方が良い。
ゲーム脳説を蔓延らせているのは誰だ?
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コメント
教員の科学的リテラシーの問題では、日本学術会議が2007/6/22付けでこんなものを発表しています。
これからの教師の科学的教養と 教員養成の在り方について
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-y1.pdf
冒頭にこんなことが。
>作成の背景
>・ 若者の科学的能力の低下及び理数科学習への意欲衰退の
>背景には、教育課程における教育内容の削減や授業時数減
>少の問題と共に、教師の科学的教養の低下の問題があり、
>教師の科学的教養を今後一層高めることが根本的な課題の
>一つとなっている。
わかってる人たちもいるわけですよね。
でまあ、教員資格を欧米並みに大学院以上にしようとか、現職の教員が研修をとか、いろんな提言をしています。が、ぼくとしては、現職については「まず本業以外のことで忙しすぎるのをなんとかせんと」と思います。教育委員会については、お飾りの委員じゃしょうがないってのもさることながら、教員の「上がり」が教委事務局(行政職)って構造をなんとかせんとあかんのではないかとも思います。
政府もわけのわからん有識者会議みたいなものを作る前に、こういう公的機関(日本学術会議は内閣府の「特別の機関」で、いわゆる準外局てなものなんだそうです)の言ってることをちったあマジメに聞いたらいいのにねえ……。
投稿: 亀@渋研X | 2007年8月18日 (土) 15:14
あ、しまった。追伸。
私は学術会議の提言や現状認識に全面的に賛成するものではありません。「若者の科学的能力の低下」からして疑ってます。でも教育行政関係者のリテラシー(自然科学以外も)については問題があるケースが少なくないと思ってます。で、若者や子どものことよりも、そっちの方が大きな問題だという認識です。
投稿: 亀@渋研X | 2007年8月18日 (土) 15:18
亀@渋研Xさん、今日は。
資料のご紹介、ありがとうございます。大変、参考になります。
>「まず本業以外のことで忙しすぎるのをなんとかせ
>んと」と思います。
教師に負担が掛かり過ぎているのではないか、というのは、私も感じています。
本当に、どこがどう識者なのか解らない人達の集まりの言う事より、ああいうきっちりとした提言を…。
追伸の部分、全く同意です。
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最も一般的で、とても重要なのは、「科学を嫌いにさせない」事なのだと思っています。
投稿: TAKESAN | 2007年8月18日 (土) 16:50
こんにちは。
私も「教師が、本業以外で忙しすぎる状況を何とかする」というのは大事だと思いますね。
けれども、教育再生会議だとかの行おうとしているのは、免許の更新制であるとか、教師の負担をさらに大きくする、ということなんですよね。
改革を行いたいのであれば、まずは十分な予算と人材が確保できる状況を作る、っていうのが大事だと思いますけどね。
投稿: たこやき | 2007年8月18日 (土) 16:56
たこやきさん、今日は。
教育再生会議は、「自分はこう思う」というのを、科学的な裏付けも出さずに、それをやろうやろうと言っている、という状況ですよね。直感押し付け会議、と言うか。
現状のリソースで実現出来るかどうか、とか、無理なら、充分なリソースを確保出来るのか、とか、そもそも実現させた場合に、本当に良い方向に行くのか、とか、色々な事を考えなくちゃならないんですよね。
投稿: TAKESAN | 2007年8月18日 (土) 17:10
> 数ヶ月に一回のペースで、森氏の講演会が催される
webで検索して見える分だけですからね > 数ヶ月に1回
本当は多分もっと頻繁にあるんだと思いますよ,教員向けの勉強会みたいなものが.そういうのは公開でないからあまり宣伝もされないで,web上では探せない.でもあると思う.
まぁ根拠はないですが (^^; でも web で見えるので全部,というほうが,なさそうに思います.「1匹見たら30匹」ですよ :-p
学校に「しつけ」を押し付けようとするからおかしなことになるんじゃないでしょうかねぇ.
もちろん,「集団での生活」みたいな学校でないと学びにくいことはあるでしょうが,個人レベルのことまで学校に押し付けているように見えます.そんなものそれぞれの家庭でなんとかしろよ,ってことまで学校でやらなければならないのなら,そりゃ学校の先生は忙しいでしょう.
投稿: たかぎF | 2007年8月18日 (土) 18:30
たかぎFさん、今晩は。
WEBに出てくるよりも少ない事はあり得ないので、もっと沢山、講演会なり勉強会なりが、催されているのでしょうね。暗数みたいなもので。まあ、そんな事も考えて、不機嫌モードになった訳です。
学校は基本的に、体系的な知識を学ぶ場、だと思います。小学校なんかは、しつけの役割もある程度求められるでしょうけれど、根本的に、そういうのは、家庭の役割ですね。
何と言うか、学校の役割に、ウエイトを置き過ぎる、言い換えると、任せ過ぎるんじゃあ無いか、と。駄目な先生に当たった時も、まあ、そんなもんか、と思える様な余裕を持った方が、いいんじゃないですかねえ。
投稿: TAKESAN | 2007年8月18日 (土) 19:47
と、コメントを書いている横にあるテレビで、おバカなUFO関連番組をやってたりします(笑)
投稿: TAKESAN | 2007年8月18日 (土) 19:50
上のコメント、日本語がおかしいですね。
コメントを書いている私のすぐ横にあるテレビから、お
バカなUFO関連番組が流れています。
です。
投稿: TAKESAN | 2007年8月18日 (土) 19:55
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20070818i111-yol.html
某ブクマとapjさんの所で知りました。
何か、眩暈がするよ。
投稿: TAKESAN | 2007年8月18日 (土) 19:59
学校としつけについては、いろいろ考えちゃいます。
んー、あとでエントリにしようかな。
>某ブクマとapjさんの所で知りました。
ありゃ。イギリスの話かと思ったら、日本でもですか。なるほど「論文 執筆代行」でググるとドサドサあるなあ。GoogleAdsからだけバンしてもダメっぽいですねえ。
ぼくは大学には途中までしか行っていないのですが、卒論って提出して終わりなんですか? なんとなく口頭試問があるような気がしてました。それとも、口頭試問があっても見破れないんでしょうかね。
投稿: 亀@渋研X | 2007年8月18日 (土) 22:14
私が知っている大学では、発表会があって、時間を切って発表し、後で教授から鋭い突っ込みが入る、というのとか、(これは別の所)出来が悪くてやり直させられたとか、そんな感じでしたね。
卒業研究自体が必要無い所も、ありますね。
論文代筆して商売するってなあ…。小学生の宿題と同次元で考えてるのかな。
投稿: TAKESAN | 2007年8月18日 (土) 23:45
石田剛さんのブログ⇒http://d.hatena.ne.jp/IshidaTsuyoshi/20071005/1191530806
幼児教育の現場の方に肯定的に捉えられているのを、結構見かけますね。比較的新しいメディアの、発達における影響に関心を持つ事自体は、当然であると考えます。が、ゲーム脳はいかんでしょう、と思います。
投稿: TAKESAN | 2007年10月 5日 (金) 14:28
こんにちは。
ゲーム脳は怪しいとは聞いていましたが、こんな事態になっているとは知りませんでした。
昔、子供を叱るのに持ち出されたのがナマハゲや天狗だったのが、現代ではゲーム脳ですか。
ゲームをやめさせたい親にとって、ゲーム脳という概念は都合のよい道具ですね。
科学的な根拠に疑問を持ち始めた人でも、簡単には手放さないでしょうね。
需要がある限り、森先生も堂々と主張し続ける事が出来るわけですな。
肯定的に取り上げた教育関係者の方々も、あまり深く考えていないようですね。
批判をうるさく感じているのでは。
声を上げ続けているTAKESANの苦悩が、こちらにも伝わってきます。
陰ながら応援したいと思っています。
投稿: TAKA | 2007年10月25日 (木) 15:49
TAKAさん、今晩は。
ゲーム脳にしろ水伝にしろ、科学らしさを仄めかす所が、大きな問題ですね。ゲーム脳の場合は、より「それらしい」科学の装いを施している、と言えるでしょう。それを象徴するのが、「脳科学」、「脳波」、「医学博士」等の記号なのですよね。
>需要がある限り、森先生も堂々と主張し続
>ける事が出来るわけですな。
そして、その需要が、公的な機関のものであったりして、大変悩ましい所ですね。
ゲーム脳の問題については、これからも採り上げていこうと思っています。
投稿: TAKESAN | 2007年10月25日 (木) 18:16