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2007年7月18日 (水)

何のせい?

痛いニュース(ノ∀`):フジテレビ「ゴールデンタイムの視聴率が悪いのはゲームのせい」

イギリス生活情報週刊誌 - 英国ニュースダイジェスト - 英国における日本報道

「ゲームのせい」と書くのは、いかにも印象誘導的ですが、それはまあ置いといて(痛いニュースのタイトルは、そんなもんです)。

フジテレビの専務氏の分析、つまり、視聴率低下について、Wiiが主たる要因である、というのが正しいかは、よく解りません。テレビ以外のものに関心が分散されている、というのは、当たっているでしょうけれど、その主な対象がテレビゲーム、というのは、どうなんでしょうね。もし正しいとしても、それがどうした、という感じですよね。相対的に、テレビのコンテンツがつまらないというだけの話なので。

で、何故Wii云々という話が出てきたのかと考えると、それが、最近の流行り物を代表する商品の名で、いかにも流行に敏感であるというのを象徴する語であると認識していたから、ではないかと思います。要するに、「使ってみたかった」だけではないかと。

ソースは未確認なので、細かい意味合いが解らない所もありますが、

テレビそのものに問題があるというよりは

これはどうなんでしょうね。仮に、Wiiに関心が移ったというのが正しいならば、それは論理的に、「テレビそのものに問題がある」事になりますよね。ゲームより面白いコンテンツが作れていない、という意味で。そうでないと、テレビより面白いものがあれば、それにユーザーが流れていくのは仕方が無い、という事になりますしね。

で、2ちゃんねるの反応は、ゲームのせい云々については、ちょっと過剰な所がある様な気もしますが、他の部分には、結構賛成です。

要するに、ディスカバリーチャンネル(←スカパーの無料放送の日に観るくらいですが、素晴らしいですよね。面白い)レベルの番組を作ってみれば? という感じです。視聴者がどんなものを求めているか、というのを、マーケティングしているのかな。私はバラエティも大好きですけど、他人を見下したりして視聴者に優越感を味わわせたりする番組とか、そういうのは多いですよね。尤も、昔からなのかも知れませんが、ちとうんざりもしますよね。たとえば、芸人の身体的特徴とか家庭環境とかを貶して笑いをとる、というのは、程々にしないと。後、感動の演出。これは勘弁して欲しい。

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コメント

あー、出版と同じだったりして。
ライバル(ゲームとかケータイ)ばっかり意識して、新規顧客の開拓にばかり注力するうちに従来の客層の要望に応えられなくなり、ジリ貧。
市場が飽和しているとは考えたくないんでしょうねえ、えらい人は。客も客の資産(金とか時間とか)も有限なんですけどね。

投稿: 亀@渋研X | 2007年7月18日 (水) 18:46

オリジナルのソースがありました。
http://business.timesonline.co.uk/tol/business/industry_sectors/technology/article2056279.ece

テレビについての記事というよりも、Wiiに関する記事ですね、これ。
視聴者と言っていいと思いますが、記事に対するコメント(東京在住の韓国人)はやっぱり「テレビ番組があかん」と言ってますね。「どこに回してもみのもんたばっかりやんか」とか(爆)

投稿: 亀@渋研X | 2007年7月18日 (水) 19:02

亀@渋研Xさん、今晩は。

こうやって上手くいったから、今後もこれでいいだろう、と考えているのかなあ、という気がします。で、視聴率が下がると、他に原因を帰属する、という。
新規の顧客を取り込めず、元々の顧客も失ってきている、という感じでしょうね。ゲームもネットもCSもあるし、興味の対象が増えてきているので、ある意味当たり前だと思うのですよね。
ある程度の視聴率が保てると考える事自体が(そう考えているのか判りませんが)、どうなんだろう、と思います。

投稿: TAKESAN | 2007年7月18日 (水) 19:10

おー、ありがとうございます。

コメントがいいですね。どうでもいいですが、エキサイト翻訳で読んだら、「美濃Monta」って出てきました(笑)

テレビ関係者、あぐらかいて来たんじゃないかなあ、とも思います。言い過ぎかな。ゲームなんて、いつ衰退するかわからないという文化でしたしね。数年前は、ケータイに客をとられた、という事で、危機感がありましたし。今のブームも、いつまで続くかは、全然判りませんしね。テレビは、あまりに浸透し過ぎたために、ある程度の関心を集めて当然、という意識が、関係者にあるのかも。

こんな事書いてますが、私、テレビはよく観るんですよね。殆どは、ながら見ですが。と、ヘキサゴンを観ながら書いています(笑)

投稿: TAKESAN | 2007年7月18日 (水) 19:21

こんばんは
 
スポンサー向けの言い訳に聞こえるのは私だけでしょうか?
「Wii人気が落ち着けば視聴率も回復するので大目に見てね」と。
 
穿ち過ぎかなぁ。

投稿: FREE | 2007年7月18日 (水) 21:39

例えば、同じプロモーションをするにしても、テレビCMとネットでのプロモーションでは効果測定の面で大きな違いがあったりするわけです。あるCMがどれだけの効果を及ぼしているのか、を検証するには、8桁の費用を覚悟しなきゃならなくて。それに対して例えばネット上のプロモーションなら、アクセスログのデータさえあれば同水準の分析も(ぼくにだって3日あれば、そこから導き出すマーケティング的なファインディングも含めて)出来てしまう。

要するに実は「テレビ曲の収益源であるテレビCMの効果については、幻想かもしれないと云うことを否定できない」と云う状況にあるんだろうな、と思うんです。CMで巨額の収益を得て来たテレビ局が、実際にはどれだけの効果があるのかを数字で示せない、と云うことが(実際に測定可能であるメディアが出て来たせいで)暴かれつつある。
適切な比喩かどうか分からないですけれど、大きな大会での他流試合が普通になって来た格闘技の世界において、実戦での強さを示せない流派が強さを主張するのが難しくなっている、と云う現実と同じだと思います(強いかもしれない、でも裏付けができないし示せない)。

テレビの視聴率がWiiのせいで下がってるのだとすれば、それはテレビそのものが昔よりダメになってるんです。質は下がってないのかもしれないけれど、だとすれば「質を維持していてもダメ」と云うことなんで、本当はより深刻な事態にあるんです。そこで「問題なし」と云う結論を持ってくるのは単純に言い訳でしかないし、そんな言い訳は「どんな牽強付会な理屈を付けてでも時代が動いていることを認めるわけにはいかない」と云う事情のある(おそらくは利害関係のある)連中にしか通じないはずです。

投稿: pooh | 2007年7月18日 (水) 23:47

FREEさん、今晩は。

あー、成る程。
もしそうだとすれば、スポンサーは、「一体、何を言ってるんだ」、となるでしょうねえ。
しかし、Wiiという、いかにも「わかりやすい」名前を出すって、どうなんでしょうねえ。いや、実際それが、どのくらい影響を及ぼしているかは、よく解らない所ではあるのですけれども。

投稿: TAKESAN | 2007年7月19日 (木) 00:42

poohさん、今晩は。

こういうのは相対的な評価なので、「視聴率が低下したのはWiiが売れているからだ」、と発言すれば、それは即、テレビのコンテンツが魅力的でないと認めている、という事になるんですよね。
以前と同等の水準は保っているけれども、Wiiの様な非常に優れたものが現れたから、今一つ振るわないのだ、という感じなのだと思いますが、それは正当化ですよね。
しかしそれは、駄目なのですよね。やはり、あぐらをかいてきたのかな、という印象です。深刻な事態であると危機感を覚えているのなら別ですが、どうも、そうにも見えないです。

たとえばスポーツで、「日本の順位が下がってきたのは、他国のレベルが上がったからだ」、と「だけ」言えば、大顰蹙ですよね。そういう意味で、かなり厳しい世界なのだと思います。果たして、テレビの世界は?

投稿: TAKESAN | 2007年7月19日 (木) 00:52

興味深いものを見つけたので、とりあえずおいときます。時間が無いので、感想とかは後で⇒http://soulwarden.exblog.jp/5821348

投稿: TAKESAN | 2007年7月19日 (木) 08:36

ここでの議論は、視聴率が低下した事の要因として、Wiiという固有名詞を挙げて云々する発言自体が妥当か、というものなので、特にはずれていないですね。発言者がWiiのせいだと信じているかどうかは、あまり関係無いですしね。

投稿: TAKESAN | 2007年7月19日 (木) 13:02

こんにちは。
リンク先にも目を通しましたが、なんだかよくわからない話ですね。

Wiiのコンセプトからすると、テレビ局とチャンネル争いをする可能性はありますが、たしかに母数はまだまだ比較にならないので、牽制するにも早すぎるかと。

関係ないですが、Wii-Fitは、「あるある」(もうないけど)に影響されて納豆食べるより、ダイエットによさそうな気がします。

投稿: thotc | 2007年7月19日 (木) 15:52

これは、本当に下がった、ということなんですかね?
ちょっと疑問なんですよね。

私の家の場合、都内なんですけれども、NHKが2局、民放キー局が5局、それとUHF局が見れる状態。NHK教育とUHF局は、視聴率としては微々たるものでしょうから全て合わせて1局くらいとすると、放送局の数自体としては7局くらい。
全100%の視聴率を7局で同じく分ければ各14,3%くらいの視聴率。ところが、最近でいえば、BS放送が始まり、CS放送が始まり、はたまたケーブルテレビだ何だ…と、テレビのチャンネル数自体が激増しているわけですよね。
100%を7局で分けていたのが、100%を20局で分ければ5%。50局ならば2%。チャンネル数が増えれば、それだけ下がって当然。
むしろ、これだけチャンネル数が増えているのに10%近くを維持している、というおは、むしろキー局などの存在感は高まっているんじゃないか? とすら思うのですが…。

勿論、ネットやゲームでテレビを見なくなった可能性もありますけど、テレビ自体のチャンネル数も考えるべきじゃないか、と思いますね。

投稿: たこやき | 2007年7月19日 (木) 19:11

thotcさん、今晩は。

そうですね。Wiiの普及の仕方を考えると、果たしてそれが視聴率に大きく影響するのだろうか? と疑問に思います。最近ヒットしている商品を、象徴的に用いたのかな、という感じです。

 >Wii-Fitは、「あるある」(もうないけど)に影響されて
 >納豆食べるより、ダイエットによさそうな気がします。
運動を促す訳ですしね。そういう意味で、ビリーさんのあれと、同じ様な効果なんでしょうね。

投稿: TAKESAN | 2007年7月19日 (木) 19:14

たこやきさん、今晩は。

ユーザーの選択の幅が広がったので、地上波の放送を観る割合が減るのは、ある意味で当然ですよね。それでもある程度の数の視聴者がいるのは、まだ中心的なメディアである証拠なのかな、という気もします。

今後は、どうなるのでしょうね。地上波テレビを観なくなる人が、増えるのかな。

投稿: TAKESAN | 2007年7月19日 (木) 19:27

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