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2007年6月 2日 (土)

情報不足

ちょっと(いや、かなり)古い記事ですが⇒成人コミックの3割“児童ポルノ” 警察庁、対策要請へ|エンタメ|カルチャー|Sankei WEB

※あくまで、記事から何が読み取れるか(読み取れないか)、という話です(どこかに一次資料があり、そこには、具体的な情報が記されていた様な気がするのですが、見つかりません…)。

こういう記事って、結構、恣意的と言うか、都合良く書いたりしますよね。

先ず、タイトルの、「成人コミックの3割“児童ポルノ”」は、いかにも、成人コミック全ての中の3割に、そういう表現が含まれている、という印象を与えますよね。でも、

大手のサイト書店のサンプル調査(11月)の結果、販売された成人向けコミック約9000点の3割が子供を性行為の対象としていると推測している。

とある通り、母集団は、「大手のサイト書店で販売されている成人向けコミック」、なんですよね。記事中には、

販売された成人向けコミック約9000点の3割が子供を性行為の対象としていると推測している。

ちゃんと、こう書いてあるのですが、見出しがいかにもわざとらしい。勿論、この結果を、「全ての成人コミック」に一般化する事は、出来ない訳ですね。

当然、調査方法は妥当か、という見方もあります。記事には、サンプルサイズも信頼度も信頼区間も書いてないので、推定の精度がはっきりしないのですよね。解りにくい。まあ、調査者に好意的に見れば、3割前後では、あるのでしょうけれど。

後は、

18歳未満ととれる子供に対する性行為を扱ったものがあり、小学生と受け取れるような子供に対する性行為などを描写したものもある

これの判断が妥当か、とかですね。私はあまり勉強していないので、こういう表現が、どのくらいしっかり定義されているのかは知らないのですが、ある程度コンセンサスを得られている定義に従って、正確に判断されているのかな、という所は、考えます。

こういう記事、調査法は、ちゃんと明記した方がいいですよね。世論調査なんかでは、結構ちゃんと出しているのに、新聞記事に載るようなものでは、殆ど見かけないです。

※たとえば、調査法が妥当で、「3割」というのが、ある程度信頼のおける数字だとします。そうだとしても、今度は、それをどう評価するか、というのは、又別の問題なのですよね。上にも書いた様に、私は、余り知識が無いので、それを云々する事は出来ません(こうだ、という、明確な主張が無いです)。あくまで、統計的調査を記事にする際の書き方を、問題にしています。

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