どこへ、と言われても
痛いニュース(ノ∀`):【論説】 「『盗んだバイクで~』 尾崎豊の歌、最近の若者は受け入れず…体制や大人への反抗心はどこへ?」…朝日新聞
asahi.com:没後15年尾崎はどこへ 消えた反抗心 - コミミ口コミ
とっても素朴な意見かも知れませんが。
「周りに迷惑をかけるのは間違い」「大人だって子供のことを思っているのに反発するのはおかしい」。体制や大人に反抗するのはいかがなものかという声だ。
本当にこういう傾向になっているのだとすれば、これは、好ましい事なのでは? 成熟した認識ですし。大体、そういう意見が本当に増えているのか、不明です。で、ここから何故、
香山さんは「成長プロセスにおける仮想敵だったはずの親や先生の善意を屈託なく信じている」と首をかしげる。
こうなるのか、よく解らない所です。「善意を屈託なく信じている」、というのは、違う話だと思いますが、どうなんでしょうね。香山氏の観察による根拠が、あるのかも知れませんが。「反抗の仕方」の考え方の違い、なのでは。
尾崎が歌ってきたのは、若者にとって普遍と思われるテーマだったはずなのに、嫌悪にも似た反感が生じている。
そうなんですか? 私や友人達は、どちらかというと、好意的にはとっていませんでしたけれど。といって、体制に迎合する、という感じでもありませんでしたが。と言うか、他人の歌を好きだろうが嫌いだろうが、どっちでも良いのではないかと。
当時の若者が皆、尾崎氏に共感していたかの様な書きぶりですねえ。そんな事、全然無いと思うんですけどね。
そもそも、尾崎氏自身の心情を勝手に解釈して、それを押し付けてません? 仮に、その解釈が妥当であったとしても、それに対する反応から、社会全体の特定の層の傾向を分析するのって、無理があると思いますが、いかがでしょう。
追記:文系白書ブログ: 香山リカの温い分析(=_=)でも、取り上げられていました。そうそう、そんなにややこしい事じゃないんですよね。体制に反抗するとかどうとか。あそこから、若者全体の心性に思いを馳せる、というのは、想像力が豊かと言うか何と言うか。
| 固定リンク
「メディア論」カテゴリの記事
- 茂木健一郎氏の世論調査観(2011.09.23)
- よく出てくる(2009.04.22)
- 暴挙(2009.04.11)
- ねじれている可能性(2009.03.21)
- 1割?(2009.03.18)
「社会論」カテゴリの記事
- メタスパイラル(2011.12.14)
- すさまじい(2011.12.09)
- ひとまずまとめ――患者調査において、「宮城県の一部地域及び福島県の全域について調査を行わない」事について(2011.12.06)
- 資料――患者調査において、「宮城県の一部地域及び福島県の全域について調査を行わない」事について(2011.12.03)
- 歪んだ正当化(2011.12.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
尾崎豊はぼくの周りの単車乗りたちには当然ながら蛇蝎のごとく嫌われています(^^;。
と云うか、彼の「反抗」は所詮そのうち卒業していく種類の反抗なので(暴走族と同じですね)、多分体制側からは扱いやすいわけで。50になっても60になっても降りない年季の入った単車乗りの方が実際はよほど反社会的なものを内在している(^^;。って、これは余談ですね。
投稿: pooh | 2007年4月25日 (水) 09:05
なんというか、あの香山さんでさえ、「(一時期)若者は反体制に走るもの」というバイアスがかかっているのじゃないでしょうかね。
尾崎(<敬意の呼び捨てです)のドキュメンタリーやこのような評論はいままで何本もかかれ、それによって彼の存在はかなり客観化され、時にはパロディの対象になるぐらいに記号化されています。
今の若者が、メディアのそういう表現に触れ、「若さゆえのあやまち」を客観視できるほどの冷静さを獲得していると考えると、そう悪いことでもないように思います。
もっとも、変にクールに傾くのも、「若さゆえのあやまち」なわけですけど。
投稿: A-WING | 2007年4月25日 (水) 10:24
poohさん、今日は。
ある種、とっても「解り易い」反抗ですよね。だから、扱い易いのでしょうね。
こんな私も、体制に迎合したりが大嫌いな人間だったりします(笑)
---------
尾崎さんのファンの熱狂を見て、何だか凄いなあ、と感じた記憶があります。
投稿: TAKESAN | 2007年4月25日 (水) 12:08
A-WINGさん、今日は。
香山さんについては、最近、後藤和智さんが、痛烈に批判しておられますね⇒http://kgotoworks.cocolog-nifty.com/youthjournalism/2007/04/post_6cb6.html
うーん、という感じです。宮本茂氏のコメントに関しては、完全に、誤解に基づいていますしね。
仰る様に、尾崎さんは、強力に、記号化・象徴化されていると思います。そういうのをメタに捉えられているとすれば、私はそれは、好ましい事だと考えています。
これは、私の推測ですが、現代の若者は、現場埋没的な(メタで無い)認識を持つ事に、ネガティブな意味付けを行っている気がします。根拠はありませんが。自分が好きな文化を自虐的に見る事をしたりして、それが、客観視に繋がっている様に思います。
尤も、それが、「変にクールに傾く」になってしまう場合も、ありますが。私なんて、正にそんな感じでしたし(笑) 私は、「熱狂」が嫌いな人間でした。今振り返ると、それはそれで、他を見下す様な見方だった訳ですね。
投稿: TAKESAN | 2007年4月25日 (水) 12:19
私個人は尾崎が出てきた当時「うわっ何だこの気持ち悪いバカは」と感じましたものです。同い年ってのがまた余計にイヤだった。(笑)
なんかああいう反抗の美学みたいなものに臆面も無く陶酔する所が、感性として許せなかったですね。
当時から尾崎は全共闘世代が目をつけて祭り上げていた印象があります。分かり安い反体制のシンボルとして勝手に共感してたんじゃないでしょうか。
まあ、いかにもアサヒが言いそうな寝言ですね。(笑)
投稿: 夢草の剣 | 2007年4月26日 (木) 02:17
夢草の剣さん、今晩は。
なかなか手厳しいですね(笑)
尾崎さんに対して、心酔する人と極端に嫌う人に、分かれるのかも知れないですね。それも含めて、影響力は、大きいのでしょうね。
朝日の記事は、微妙過ぎですねえ。分析が適当ですね。
-----------
そういえば、卒業式で、尾崎さんの歌のフレーズを歌った生徒がいたなあ。卒業証書授与の時に。
投稿: TAKESAN | 2007年4月26日 (木) 03:24
お久しぶりです。
香山リカは自分の本で「脳トレ」系ゲームの増加を「ゲーマーの劣化」と論じていました。どう考えてもDSの購買層が今までのゲーム機より広いってだけだと思いますが(料理のレシピ集まで出たし)。
この人はどうも、始めに「ダメな若者」という前提があって、そこから話を組み立てているように思えます。
そうでなけりゃ「周りに迷惑をかけてはいけない」を「反骨心のなさ」なんて文脈で解釈するはずが無いですし。
投稿: 黒屋ぶるー | 2007年4月26日 (木) 03:43
歌(曲だけじゃなく歌声も入った状態)は結構好きだったけど、歌詞の中身は嫌いだったというのは異端ですかね?(笑)。自由も権利も義務も責任も倫理も分かってないんだろうなぁと思っていました。
投稿: newKamer | 2007年4月26日 (木) 10:12
黒屋ぶるーさん、今日は。
後藤さんが批判なさっていましたが、香山さんは、かなり微妙ですねえ…。
ファミ通のコラムを読んでいた頃が、懐かしいです。
正に、都合の良い解釈ですねえ。実証的で無いので、何とでも言えてしまいます。
投稿: TAKESAN | 2007年4月26日 (木) 10:45
newKamerさん、今日は。
> 歌(曲だけじゃなく歌声も入った
>状態)は結構好きだったけど、歌詞の
>中身は嫌いだったというのは異端です
>かね?(笑)。
あ、これは結構、あると思います。メッセージとかそういうのは好きじゃないけど、カラオケでは歌う、とか。
私は、歌は「聴く」もので、歌詞を読まない人なので(←歌い手さんにとっては、失礼な話ですが)、基本的に、「聴いた感じ」で、評価します。たまに、お気に入りの曲の歌詞を、改めて読んでみて、「こんな良い事が書いてあったのか」、なんて思ったり…。
投稿: TAKESAN | 2007年4月26日 (木) 10:49