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2007年4月11日 (水)

稽古の心構え

夢草の剣さんのコメントを受けて。

私の先輩がよく仰っていたのが、「”厳しい”稽古と”激しい”稽古は違う」、というものでした。
技をきっちりと極め、肉体的には辛いものであっても、しっかり相手を見ながら、怪我をしないよう、させないように、気を配りながら稽古をするのが大切だ、という事でした。

相手に怪我をさせてしまうというのは、ひとえに、技が「乱暴」だからだと思います。「思い遣り」が足りない、と言うか、自分勝手と言うか。
武術は本質的に、暴力と一致しますから、そこの所をしっかり意識しないと、正に、「単なる暴力」になってしまいますね。
体力に差がある場合には、理合を無視しても、ある程度、「技が掛かってしまう」、という事もありますしね。

私が、下位の方と稽古している時、こちらが、がっちりと、相手の方が全然動けない程強く手を掴んだのを、先生に、強く掴み過ぎだと窘められた事があります。「相手の上達に協力する」という意識が、足りなかったのでしょうね。

ある程度の激しい稽古を許容するとすれば、当事者同士が完全に同意した時だけ、だと思います。実戦を想定した稽古等ですね。

私としては、現代において、怪我を覚悟で武術の稽古を行うのは、余り好ましい事では無いと思っています。個人の価値観の問題でもありますけれど。ただでさえ、「危ない」訳ですから、細心の注意を払ってやらないと、事故が起こる可能性もありますね。四方投げなんかは、大変危険ですし。

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コメント

よその道場に行った時など特に感じますが、肘を外にねじるような危険な四方投げを白帯の人がやっていることが多々あります。
最初に四方投げが如何に危険で、正しくはどう投げるべきかという指導が合気道界全体に余り徹底していない気がします。
安全教育という点では合気道界はまだまだ鈍いと感じますね。

合気道の指導者には、合気道にのめり込む余り仕事や家庭を犠牲にするような、社会的な常識バランスを欠くような人も見受けます。
「和気あいあいばかりでなく、武道の厳しさも知らなアカン」と、相手を痛めつけたり怪我の危険に晒すことが正しいと信じているバカな指導者もいるんですね。実に困ったことです。

この点ではトム・モリゾーさんのブログでの「親父ファイター」氏の指摘には私も一部賛成だったのですが、「合気道には試合が無いからバカな指導者が増える」という主張には同意しません。
問題は試合の有無より「武道の厳しさ」とは何か?ということが良く考えられていないことに起因すると思います。

投稿: 夢草の剣 | 2007年4月12日 (木) 00:32

ちゃんと転身しなくて、腕が極まってしまって危険、という事は、初学者が、結構やりますよね。だから、上位の人が受けをやるのが、重要ですね。肩と肘を極めれば危険ですから、四方投げを関節技と捉えてしまう事も、あると思います。勿論、技法として、そういうのはありますけれど、物事には、「順序」がありますしね。
四方投げでは、変に腕が極まってしまったら、「ちゃんと体の変更が出来ていない」、というのが解りますね。

 >相手を痛めつけたり怪我の危険に晒す
 >ことが正しいと信じているバカな指導者
多分、「実戦でならした達人」を、トレースしている(しようとしている)のでしょうね。社会的な状況の変化とか、武術の本質的暴力性とか、そういうのを、余り考えていないのだと思います。

私の先生は、稽古相手を見て、やり方を換えていました。武術をやるのは、それぞれの動機付けに拠りますし、センスも人によって異なる訳ですから、それを汲んで、指導なさっていました。
結局、相手の実力を見極め、上限ぎりぎりの所に合わせ、上達を促す、というのが大切だと思います。


投稿: TAKESAN | 2007年4月12日 (木) 02:04

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