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2007年3月 2日 (金)

解りにくいテキスト。解り易い教え方

最近、某「マンガでわかる○○学」系の本を、手に取ってみたのですが、かなり微妙な内容でした。本の中で、類書に寄せられる批判を紹介して、その欠点を考慮して解り易く書いた、という意味の事が書いてあったのですが、それにしては、マンガと学習内容が、完全に乖離していて、「マンガ要らないんじゃ…」と思ってしまう内容でした。

入門書を書く人は、それを手に取る人の「解らなさ」を、もっと考えた方が良いのではないかと、思います。勿論、どんな人にでも解って貰えるテキストなどというのは、不可能ですが、それにしても、もうちょっと、手に取った人が、元々どの程度の知識で、どんな動機で読んだか、というのを、想像するべきなのではないかと。

私は、「解り易い」テキストというのに、とても拘る人間なのですが、多分、自分が、本を読むのが大嫌いだった事も、関係しているのでしょうね。「ホントに読む人の事考えてるのか?」と思うのも、しばしばです。

そうそう、それとは別に、「○○学入門」という本を読んだのですが、こちらも、元々その「○○学」が解っている人が読んで、「よく纏まっているな」と思われる様な内容でしか、ありませんでした。で、著者を見たら、上で取り上げた本と、同じ人だったんですねえ…(マンガの方は、原作者)。

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亀@渋研Xさんが、kikulogに、とっても良いお話を書いて下さっていますね(kikulog:今夜の視点・論点:亀@渋研X — March 1, 2007 @23:17:31)

お子さんの感動する姿が、目に浮かぶ様です。ああいうやり取りから、面白さに目覚めるんじゃないかなあ、と思います。

たとえば、竹ひごで円を作らせて、別の竹ひごを直径の辺りに当て、直径の長さに切る。そして、円を作っていた竹ひごをほどき、直径の長さに切った竹ひごと長さを比べる。そうすると、円を作った竹ひごの長さが、直径の長さの竹ひごの3倍とちょっとだ、というのが、はっきり、視覚的にも判ります。
そして、今度は、色々な長さの竹ひごで試してみて、実はそれ(円周と直径の比)は、どんな円でも同じになる、という事を考えさせれば、ある「普遍性」に気づく訳ですよね。それが「円周率」なのだという事をひとたび理解すれば、円周を求める公式を掴むのは簡単ですね。「2πr」とか「直径×円周率」とかをただ暗記するのでは無くて、「円周から直径を何回切り取れるか」という感じで憶えておけば、上に書いた例の記憶とも結び付いて、すんなり理解出来るのでは無いかと思います。
勿論、別に竹ひごで無くても、PCを使ってディスプレイに表示させても良いし、そこら辺にある輪ゴムを使っても良いと思います。
それが、工夫ですよね。

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「随想」カテゴリの記事

コメント

ゲーム脳参観日のエントリの方に書こうかと思ったけど、あっちは長くなってるし、ここではほめてもらったので、こちらにお邪魔します(^^;;
いや、あのコメントはかなりおっかなびっくり書いてます。なにしろ「オレは数学どころか算数さえ忘れておるぞ」と体験している真っ最中だし、一つ間違えると「脆弱な反論をしに来た人」のような文章になりかねないし。

で「わかりやすいテキスト」ですが、これ、難しいですよねえ。仕事でもいつも苦労してます。

関係あるようなないような話を一つ。
先日、奄美大島で「奄美の昆虫や植物のことならこの人に聞け、地誌的なことまで含めて該博な知識を持っているぞ」というような方とお話ししました。このかた、在野のかたなのですが、小中学生向けの本の執筆を頼まれて、もう何年も書けなくて苦労しているとおっしゃってました。
「おれは分かっている人に向けた報告のようなものしか書いたことがないんだ」「噛み砕いて説明できないということは、おれは実は自分が思っているほどちゃんと理解できていないのではないか」とおっしゃる。
これって、すごいことだと思いました。この方の本業は観葉植物の業者さん(って書くと誰だかわかる人にはわかっちゃうんだけど(^^;;)。教育者でも物書きでも編集者でも学者でもないんです(町の教育委員会にアドバイザーみたいな形で関わっておいでですが)。でも、「基礎概念を知らない人に、重要なことを端折らないで説明をする難しさ」を知っているわけですよね。ということは、これまでも相手が理解したかどうかを気に留めながら話したり書いたりして来たってことですよね。ぼくよりも10歳ぐらい上、50代半ばかな。すごく感心しました。
言いたいことを相手が分かろうが分かるまいが自分が書きたいように書くだけ、って言う人は多いじゃないですか。詳しい人やマニアックな人には特に多い。kikulogにも、そういう人がときどき降臨しますが(^^;; そういう例をたくさん見て、自分でも苦労しているだけに、「一年ぐらい奄美に逗留して、この人の仕事を手伝ってやりたいなあ」と思っちゃいましたよ。そんなことしたら食えないからできないけど(^^;;

投稿: 亀@渋研X | 2007年3月 2日 (金) 14:45

あ、あっちに書こうと思ったことを忘れてた(汗
「出る杭」って、本当に打たれますかね。わたし、なんか、実はそうでもないんじゃないかと思ってます。そりゃ、なんか主張するとうるさがられたり、やっかみまじりみたいな雑音はあります。でも、大方は温かく見守ってくれるんじゃないかな。ナマアタタカクかもしれないけど(^^;; 「ほー」とか「へー」とかいう反応も少なくないし、たまには積極的に協力してくれる人もいます。
もっとも、ドカーンとやっちゃうと打たれるってことはあるのかもしれません。ささいな「出る杭」だから打たれないのかもしれない。
だけど、逆に「『激しく出る杭』は打たれない」という主張も見たことがあります。
ひょっとすると、ぼくの体験「ちょっとぐらい出る杭は別に打たれない」も「『激しく出る杭』は打たれない」もどっちも正しいのかもしれない。
なにをもって打たれるというのかが違っちゃってるのかもしれませんが。

投稿: 亀@渋研X | 2007年3月 2日 (金) 14:52

亀@渋研Xさん、今日は。

とても興味深いエピソードですね。

 >「基礎概念を知らない人に、重要なこ
 >とを端折らないで説明をする難しさ」
そうなんですよね。で、入門書を書いている人なんかで、これをちゃんと理解しているのかなあ、というのを、結構思います。「え、これが入門書?」とか思う事が、あったり。勿論、自分が当たり前に理解している物事を、予備知識の無い人に呑み込んで貰うのは、とても難しい事でしょうし(私にも経験ありますし)、著者の方が苦労なさっているのは、解るのですが、もうちょっと工夫した方がいいんじゃないかなあ、という感想を、持ってしまいます。本文で挙げたテキストなんかは、「こりゃ無いでしょ…」という内容でしたし。

 >小中学生向けの本の執筆を頼まれて、
 >もう何年も書けなくて苦労していると
 >おっしゃってました。
これは凄いですね。素晴らしいと思います。

このブログにも、何かについて、解り易い入門編みたいなものを書こうかと思ったりしているのですが、難しいですよね。「1教えるには10知らなくてはならない」、という。

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 >「出る杭」

私が用いたのは、「目立つ人は煙たがられる」というくらいの意味かも知れませんね(「かも知れません」て…)。積極的に機会を奪う、と言うよりは。或いは、「日本では、出る杭は打たれる」という、社会的な認知みたいなものがあって、それを大部分が共有しているから、そもそも出ようとするのをやめよう、という事も、あるかも知れません。経験的には、あんまり目立とうとするのは却ってカッコ悪い、という見方は、結構周りにもあった気がします。

いずれにしても、社会学とか社会心理学の問題なので、はっきりした事は言えませんが…。

もしかしたら、柘植さんと私の使い方にも、ニュアンスがあるかも知れません。

投稿: TAKESAN | 2007年3月 2日 (金) 15:34

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