« 高岡英夫氏の著作について | トップページ | シリアスゲーム解説書 »

2007年2月19日 (月)

イマジナリィ

ある対象を批判する行為において、散見されるのが、「想像で作り上げた、”仮想敵”」に対する批判、です。最近の、ニセ科学批判に関する議論でも、よく見られます。

即ち、ブログのエントリーや、たった数十分のテレビ番組の放送であったり、わずか数十行の新聞記事であったり、そういう断片的な情報を基にし、他の部分は都合良く組み立てて、実際の批判対象とは全く異なる「脳内の論敵」を形成し、それを実際の対象と見做し、批判を繰り広げる訳です。

その様な仮定が有効なのは、正に、「仮想敵である事を認識している」場合のみです。つまり、「こういう認識の人がいたならば、こう批判する事が出来るであろう」、という、思考実験的な状況、という意味です。きちんと、こういう思考パターンの場合には、と「想定」している事が解っているのであれば、それは、想定した論敵が現れた場合の批判の仕方という、思考の訓練として、役に立つとは言えるでしょう。

しかし、最近見られる、「ニセ科学批判者批判」等においては、ある批判の対象が明確に存在している場合に、その対象の心情、認識のあり方までをも勝手に決め付け、それに対して批判を繰り広げる、というやり方が、見られます。これは、率直に言って、全く的外れな行為でしょう。そこに見られるのは、過度の一般化であったり、言ってもいない事を言ったかの如く決め付けて、それを非難したり、といった、大変不合理で、不毛な論理の展開です。それは、批判対象に対する不当な印象形成を促してしまう場合すら、あります。

簡単に言うと、

  • 相手が考えてもいない事を考えていると看做す。
  • 相手が考えている事を考えていないと看做す。

の、どちらもすべきでは無い、という事です。とは言え、初めから、対象の考えを過不足無く理解する事など不可能です。だからこそ、コミュニケーションを通じてお互いの認識を確認したり、相手の心情を忖度しながら、慎重に、論を進める必要があるのです。

じゃあ、私がここに書いている、

「想像で作り上げた、”仮想敵”」に対する批判

をする人、というのは、「仮想敵」なのか?

|

« 高岡英夫氏の著作について | トップページ | シリアスゲーム解説書 »

「随想」カテゴリの記事

コメント

ちょっと本文修正。

 >組み立てて

は、修正前には、「積み上げて」でした。

投稿: TAKESAN | 2007年2月19日 (月) 10:13

「仮想敵の論破」(≒シャドーボクシング)は二通りあるのかもしれません。
1.論敵を名指しした上でのシャドーボクシング
2.具体名を挙げない一般論

1は曲解にもとづく決め付け→勝利宣言。
2はメタな議論(≒ダメな議論)。

個人的には2のほうがより悪質と思いますが、なんにせよ事実に基づいて話を進めねば全て無意味のはずですね。慎重に論を進めよ、安易な決め付けをしてはならない、に賛成です。
結びのひねりが利いてますね。僕は反射的に
http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-323.html
↑こちらを想像してしまいました。

投稿: ft | 2007年2月19日 (月) 23:36

ftさん、今晩は。

私は、
 >2はメタな議論(≒ダメな議論)。
を、「メタぶった」、なんて言ったりします。冷静な客観的意見では無く、一般論をぶっている様で、実はある程度、具体的な論敵を想定している、という。

 >こちらを想像してしまいました。
お、鋭いですね(って、バレバレか…)。正に、あちらでのやり取りを読んで感じた事を、書いたエントリーだったりします(「大きな声の独り言」の続編みたいなものですね)。余りに微妙だったので。特に、相手の活動を理解している様な事を言っておきながら、的外れな意見を繰り返すというのが、何とも。

投稿: TAKESAN | 2007年2月20日 (火) 00:34

こんにちは。ftさんがリンクしている先にある部分で、

>ただ、それよりもっと本質的なところを考えてみるとすれば、「ニセ科学」批判の自己目的化が抱える問題点として何が出て来るだろうか。

こういう書き方はTAKESANが仰る「思考訓練」の型には入れてもらえないのでしょうか。それが自己目的化しているとしたら…という仮定の下に書いていたと思うのですが。

で、実際にそういう状況(自己目的化)があるように書いている部分では、繰り返し印象論であることを強調しているはずなのですが。批判でもないし、印象論なので、いちいちソースを挙げる必要もないと思ったわけなんですが、ダメでしたでしょうか。構造としてはTAKESANのこのエントリとあまり変わらないような気もするのですが…。

慎重さが足りないと言われれば確かにそうだと肯くのですが、別に何かを決め付けたつもりもないし、(なぜか)コメントを下さった菊池さんとコミュニケーションをしてみても、(私の慎重さの不足に発する)言葉の行き違いを除けば全然対立するようなことは無かったようです。

これは本当に後学のためにお尋ねするのですが、「的外れな意見」とは具体的にはどの部分を指しているのでしょうか。ご教示いただければ嬉しいです。

投稿: きはむ | 2007年2月20日 (火) 18:14

きはむさん、今晩は。

先ず、私が批判している中心は、うまさんです。きはむさんのエントリーを限定して批判している訳では無いです(そうであれば、言及リンクを貼って、TBを送ります)。うまさんの発言の問題点は、kikulog等を読んでおられれば、了解して下さるかと思います。上に、”「大きな声の独り言」の続編みたいなもの”と書いていますが、そのエントリーはこちらです⇒http://seisin-isiki-karada.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_f619.html

「的外れな意見」は、特にきはむさんについて直接向けた言葉ではありません(主にうまさんです)。

----------
ここからは、きはむさんのエントリーを読んだ感想です。

私がきはむさんのご意見に対して感じた違和感は、きくちさんが指摘された事と、同じ様なものです(「言葉の行き違い」の部分でしょうか。「二分法」の用い方の違いとかですね)。その部分に関しては、きはむさんのコメント欄でのご説明で、確認しました。ただ、本文の
 >一つには、科学的誠実さは「歯切れの
 >悪さ」に宿るとして二分法を批判しな
 >がら、批判対象に「ニセ」のラベルを
 >貼り付けることで「ホンモノ/ニセ
 >モノ」の二分法を自らなぞってしまう
 >点が挙げられるだろう。
や、最後の段落が、恰も、ニセ科学を批判する者がそういう傾向にある、と仄めかしている様に読めました。勿論、それ自体、私の見方にバイアスが掛かっていたがための、誤読かも知れません。

---------

最後に、このエントリーは、
 ・うまさんのあちこちでの書き込みが、
  余りにも酷い。
 ・ニセ科学を批判する人を批判する場合
  に、「批判が自己目的している」と指
  摘する論調が見られる事がある。中
  には、完全に、そう決め付けているも
  のもある。又、そもそもニセ科学への
  理解が足りないものも見られる(本ブ
  ログで、言及しています)。
この様な事を踏まえて書いたものです。なので、結びで、ちょっと曖昧な事を書いた訳です。

ご理解頂ければ幸いです。

投稿: TAKESAN | 2007年2月20日 (火) 20:21

 >勿論、それ自体、私の見方にバイアス
 >が掛かっていたがための、誤読かも知
 >れません。
この書き方は、言い訳がましいですね。傲慢でした。
きはむさんが説明下さっているので、私の読み方は、バイアスが掛かっていた為に、偏ったものになっていたのだと思います。
ただ、上でも書いている通り、本エントリーは、きはむさんのエントリーへ直接向けたものでは無い、というのは、ご理解頂ければ、と思います。

投稿: TAKESAN | 2007年2月20日 (火) 20:36

TAKESANさん、ご返答ありがとうございます。まずは、前回のコメントで敬称を付けるのを忘れていたこと(当然ながら、故意ではありません)を謝らせて下さい。申し訳ありませんでした。

内容面では、概ね了解致しました。私自身、十分に考えを整理してから書かなかったために、大変曖昧で誤解を招きやすい記述になっていたと思います。印象論とはいえ、やはりもう少し慎重に書くべきでした。

ご指摘の部分については、特定の人を念頭において書いたわけではなく、「ニセ」という表現(そしてそれに伴って想起されやすい「ホンモノ」という観念)が内在的に持っている危険性を述べたつもりでした。それを便宜的に用いるのはいいが、その表現とその表現によって生じやすい思想が一人歩きしたら怖いな、と。

書いた段階でも菊池さんなどがこの点をわきまえていないはずはないと思っていましたし、実際そうでした(はじめから事実を確認する手間を取らずにすいません)。なので、その後の印象論も自分で書いた通り単なる妄想なのかもしれませんし、そうなることを願っています(但し、私はニセ科学批判だけについて語っているわけではありませんでしたので、個別のテーマではどうなるか分かりませんが)。

うまさん批判ということで、私がコメントしたことは些か自意識過剰気味だったかもしれませんが、いずれにせよ、改めて言い訳する機会を得て幸いです。ありがとうございました。

投稿: きはむ | 2007年2月21日 (水) 20:09

きはむさん、今晩は。

敬称のつけ忘れに関しては、全く気にしておりませんので。と言うか、紛らわしいHNですので、他の方も、よく なさいます(笑) 勿論、敢えて(「さん」が重複しない様に)そうされる方もおられるので、全然構わないです。

確かに、批判が自己目的化してしまい、合理的・論理的思考を経ずに、ニセ科学(と「判定」されたもの)を攻撃してしまう、というのは、懸念される所なのですよね。それ自体は、ニセ科学を批判する方々も、念頭に置いている事だと思います。ただ、上にも書いた様に、色々な部分を誤解して、科学者の態度を曲げて解釈する論調も、かなり見られました。ですから、「批判が自己目的化する事を懸念するよりも、ニセ科学概念を正確に認識し、それを説明するべきではないか」と、考えた訳です。
そういう事もあって、ニセ科学批判者に対する論考に、些か敏感過ぎたのだと思います。うまさんの態度に対して、感情的になっていた所もあるでしょうね。
このエントリーは、そういう事を踏まえて書いたものでした。

ご理解頂き、ありがとうございます。又、お手間を取らせてしまい、申し訳ありませんでした。

投稿: TAKESAN | 2007年2月21日 (水) 23:17

TAKESAN>科学者の態度を曲げて解釈する
    >論調も、かなり見られました。
これは、他の色々なブログ記事等で、という意味です。

投稿: TAKESAN | 2007年2月21日 (水) 23:43

TAKESAN様

向こうでも書きましたが、私の主旨は

例えば

http://www.dreampower-jp.com/peace/xmas_messege.html

については「科学にはなりようもないものを科学として紹介している」という点では批判されて然るべきでしょう。しかし、「考えることを放棄するように勧めている」と読める文章でなく、そのような批判は当たらないと私は思います。ですから、そこまで踏み込んだ批判をしているような印象を与える書き方は避けた方がいい、というものです。

つまり『水伝について肯定的に書いていれば(…)である』と断定的に考えるのは…略…

投稿: うま | 2007年2月22日 (木) 00:40

一言だけ。

私は、うまさんの投稿はスルーしますので、ご了承下さい。
これは、投稿の内容云々より、議論を行う際の誠実さに関わるものです。

投稿: TAKESAN | 2007年2月22日 (木) 01:14

もちろん、私に言及する、スルーするも自由です

とくにここはTKESANさんのブログですから、尚更ではございます

投稿: うま | 2007年2月22日 (木) 01:24

kikulogでアマサイさんが紹介されていた掲示板を、覗いたのですが、ニセ科学を自己目的化している(様に見える)、と仰る方が、おられましたね。

正直な話、「自己目的化って何?」とかも、思ったりするのですよね。一体、具体的には、どういう認識を示しているのでしょう。詳細を検討もせずに、ニセ科学のレッテルを貼り糾弾する、って事かな? そうであるとすれば、具体論なので、論理的におかしな所を指摘するなりすれば、よろしいのに。一体どこをどう読めば、ああいう懸念になるのか、私には、よく解らないです。あれ程慎重な書き方も、なかなか無いと思うのですよね。だから皆さん、好感を持って、kikulogに書き込まれるのでは?

アマサイさんの見解については、何とも言えないなあ…。件の本は、どちらも読んでいないですし。公平に読み取ろうとされている態度には見えますが。

投稿: TAKESAN | 2007年2月23日 (金) 11:38

あ、これじゃ、どの投稿へのコメントか判らないので。

Re: アマサイさま 投稿者:murak 投稿日: 2月18日(日)02時23分34秒

です。

投稿: TAKESAN | 2007年2月23日 (金) 11:43

って、URL貼ってないし…。
こちらです⇒http://8125.teacup.com/tyaco/bbs

投稿: TAKESAN | 2007年2月23日 (金) 11:47

http://uclcpublications.blog91.fc2.com/blog-entry-125.html

うーん、一体、誰の事を言ってるんだろうか…。前のエントリーも、よく解らないなあ。

投稿: TAKESAN | 2007年5月28日 (月) 12:31

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/13103/5401559

この記事へのトラックバック一覧です: イマジナリィ:

« 高岡英夫氏の著作について | トップページ | シリアスゲーム解説書 »