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2006年12月28日 (木)

誤解では?

痛いニュース(ノ∀`):「ゲームが暴力を助長。"倒された者の家族の気持ち"などを考えさせるゲームリテラシー教育を」…専門家

【こども 生活改革】「ゲームリテラシー」教育を-リビングニュース:イザ!

坂元氏に批判的なレス、ちょいと曲解誤解してませんか?(いや、2ちゃんのレスなので、こういう書きぶりなのは、しょうがないですけれど。←批判にあらず)

結局、ゲームをやる時(と言うか、ゲームについて)に認識すべきなのは、それが単なる記号である事、物語は仮構であって、それは現実生活とは全く異なる、という事でしょう。それは、メタな視点として身に着けるべきだと考えます。しかし、それと共に、物語に没頭し、キャラクターに感情移入する事もある訳ですよね。実際の生き方に示唆を与える場合もあるでしょう。それは、どんなメディアも一緒です。子どもがゲームについてどう考えるかは、それぞれの子ども次第だと思います。だから、それを踏まえた上で、保護者が子どもと共に考えていく、というのは、妥当だし、望ましい事だと思うのですが。坂元氏の真意は、どんなゲームにも物語性があって、それを考えさせるべきだ、というのでは無く、保護者も一緒に考えましょう、という一般論の主張でしょう(これは推測ですね。坂元氏が具体的にどう考えているかは、解りません)。確かに、格闘アクションをやっている時に、「このキャラクターには家族がいて…」と言う必要は無いとは思います。この場合は、真似するなよ、程度で良いでしょうね。坂元氏が仰りたいのも、そういう事なのでは?

坂元氏の主張に対してこういう批判が出るのは、予想出来た事ですが。だから、

暴力シーンが多いシューティングゲームをやることで、プレーヤーの暴力的傾向が助長されるという。

この様な言い方をする場合にも、気を付けないといけないのですよね。ここで坂元氏は、心理学的概念として「暴力」を用いている訳ですが、読む側は、そうは取らないでしょう。自分が「暴力的」だと感じる人なりを思い浮かべて、それに当てはめて認識するでしょうから。

ところで皆さん、表現規制に歯止めを掛けているのは、他ならぬ、坂元氏ですよ…。

見出しをもうちょっと考えて欲しい。

2006年12月29日追記:イザ! の記事に、TBを送りました。坂元氏については、Interdisciplinary: ゲーム・ゲーム脳関連リンク集に、関連するリンクがありますので、ご参照下さい。「曲解」を「誤解」に訂正。「曲解」だと、意図的な、という意味合いを持つので、替えました。

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コメント

何にこんなに嫌な気分になったか、解りました。
ゲーム脳的な考え方を批判する人が、あの記事を読んだだけで、坂元氏を同様の論者だと看做した、その事について、だったのですね。それと、殆どが、坂元氏を知りもしない、という事に…。※サンプルは、2ちゃんねるのスレ。

投稿: TAKESAN | 2006年12月28日 (木) 17:52

2ちゃんねるの、『ゲームが暴力を助長、”倒された者の家族はどんな気持ちか”等、ゲームリテラシー教育が必要』より

”375 :電気が止められました:2006/12/27(水) 17:21:15 ID:MFnS7gCc0
>>374
あぁ、わかってくれた><
それが言いたいんだ。
相関関係があるからといって因果関係があるってわけじゃないからね
その坂元章教授(社会心理学)はどうやって因果関係を証明したのか知りたいな”

なんか脱力…。こんなの、apjさんに対して水の薀蓄を垂れる様なものじゃないか…。

余り文句を書くと、キリが無いですし、読まれる方も、ご不快かと思いますので、これくらいにしておきます。

投稿: TAKESAN | 2006年12月28日 (木) 18:10

何か、嫌な予感がします。
「ゲームリテラシー」が、揶揄や皮肉に用いられる気が…。杞憂なら良いのですが。

投稿: TAKESAN | 2006年12月29日 (金) 01:09

全くどうでもいいですが。

 >薀蓄を垂れる

は、「薀蓄を傾ける」です。

投稿: TAKESAN | 2007年3月21日 (水) 13:13

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受信: 2006年12月29日 (金) 00:00

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