先生の話とか、自分の事とか、ステレオタイプの事とか
(1)ゲーム脳の恐怖・「硫黄島からの手紙」 - みなみっ子6松あつまれ - 楽天ブログ(Blog)、(2)週刊こどもニュース・原爆の被害・ケイドロ・またまた中学生が - みなみっ子6松あつまれ - 楽天ブログ(Blog)
またまた,その後に「ゲーム脳」の話もしました。実際の脳波データも見せて,ゲームばかりしていると,本当に使いものにならない人間になってしまうぞと,つよく戒めておきました。※(2)より引用
何かをやり過ぎるのを戒める為に、極めて論拠の疑わしい「ゲーム脳」の概念など、持ち出さないで下さい。「本当に使いものにならない人間になってしまうぞ」という脅しの言葉を用いて、特定の文化を貶める様な事を、言わないで下さい。大体、「使いものにならない人間」って、何ですか。
「コンピュータは非常にくわしいです。歴22年。一時はプログラムも組んでいました。 」(Profileより)というのであれば、ゲーム脳がどの様な評価を受けているのか、少し調べれば、判る事です。それをされたのでしょうか。もし、それを知った上で、上記の様な指導をしているのだとすれば、科学的認識力に欠けていると言わざるを得ませんし、調べてすらいないのであれば、軽率であると言えるでしょう。
反論に、個人的経験を持ち出すのは、余り良くないのかも知れませんが(結局は個人差の問題、或いは、個人の主観を書いただけだ、と言われるので)、参考にはなると思いますので、私の事を書きます。
私は、小学生から高校生時代にかけて、恐らく、一日平均2時間以上は、ゲームをしていたと思います。ですが、他人の言う事を聞けなかったり、物忘れが激しかったり、という事は、全くありませんでした。運動が極度に苦手でしたが、これには、ゲームをよくやっていたのが、間違いなく関係しています(ある程度、です。ゲーム時間と運動時間は、負相関するでしょうから。勿論、可処分時間の割り当ての問題ですから、一概には言えません。ゲームとスポーツばかりやって、勉強を全くしなければ、運動の得意なゲーム好きという事にもなります)。人格傾向については、認知的な問題が、大部分を占めていたと思います。身内や友人とのコミュニケーション等々。ゲームをやったから云々、などという、シンプルな論理では、全く説明出来ないです。私がいた環境で、「ゲーム好きを小馬鹿にする」という時期もありましたが、これは、他者にもネガティブなイメージを持ちますし、自身を苛む場合もあります。私は、こういうステレオタイプが作り出す「雰囲気」というのが、とても重要だと考えています。
あるステレオタイプの対象に含まれる人が持つ認識として、「そんな事は無い、それを自分が証明してやる」というのは、結構ある様な気がします。スポーツをやる人は勉強が出来ないとか、ゲームをやると馬鹿になる、とか、そういう言い掛かりを払拭する為に、そうでない事を示そう、という。中にいる人間にとっては、「こういう場合がある」というのを、「(必ず・殆ど・大概)こうなる」と言われるのは、とても困るのです。そんな事を根拠にしてコミュニケーションを取られるのは、たまったものではありません。「自分を見てくれよ」と思うのですよね。だから、「○○は△△だ」という、ステレオタイプ的な見方は、余りすべきでは無いと考えるのです。ステレオタイプを形成したとしても、それが妥当な見方であるかを常に考え、仮にそうであるとしても、それを個人に安易に当てはめてはいけないという事を、自覚すべきではないでしょうか。
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コメント
TAKESANさん、こんにちは。
安易に「自分の心の安定」を得たいから、自分の主観=正しいこと、世論なのでしょうね。
投稿: 通りすがり人 | 2006年12月13日 (水) 13:01
通りすがり人さん、今日は。
ステレオタイプを元にしたものの見方をすれば、余り考える必要がありませんし、安心も出来るのでしょうね。優越感に浸れるという事も、あるかも知れません。
投稿: TAKESAN | 2006年12月13日 (水) 17:25
うーん、この先生は、いろんな意味で問題ですね。いろいろなことに気付いていないというか、なんというか。
まず、ゲーム脳の受け売り、講演者の話をそのままですね。それっぽい用語を使っていますが、本当に理解しているかどうか怪しいですね。
しかも、コメントで、子どものゲーム機を捨てたという話を取り上げていますが、それはその人の考えであって、ゲーム脳を裏付けるものではありませんね。
さらには、IQ200の話、こういうのもどうかと思います。その子どもの話は本当だとしても、絵本を読み聞かせている家庭は山ほどありますし、すべてよい結果になっているとは限りません。また調べて報告しますが、天才と言われて、小中学生くらいで大学に入って普通になった例は、山ほどあります。ダメになっているケースもあります。大器晩成も認めなければ。こういうのを絶賛する教師はどうでしょうか。
さらに、この教師は、個人情報を出しすぎています。勤務校はすでに分かりました。先のゲーム機を2台捨てた人も特定できてしまいました。この教師の勤務校のHPには、個人情報保護方針がしっかりと書かれているのに、読んでいないのかなあ。
まだ、中学生の問題も書いていますが、およそ教師としての対応に問題があります。問題が大きくなってから対応するのでしょうか。
ついでに、お子さんが中学受験することは、あまり書かない方がよいと思いますよ。公立の中高一貫校のようですが、教師としても、親としても、あまり大きな声で言わない方がよいと思います。老婆心ながら。
投稿: ドラゴン | 2006年12月13日 (水) 20:54
ゲーム機を捨ててしまった、というのは、確かに「こわい話」(リンク先のコメントより)ですね。件の教師が思っているのとは違う意味で。話の内容を吟味せず、ゲーム機を捨てるなんて、ちょっとどうかと。
私など、IQ200という話を聞いたら、「ふーん、そうですか。凄いですね。」としかならないですね。知能には、遺伝も関係しますし、そもそも、知能指数の概念を少しでも知っていれば、特に驚く程の事でも無いですよね。知能概念自体、学者によって、様々なものがありますし。なんか、知能が高い=良い、という認識を持っているのではないかと思います。
余談ですが、先日、テレビで天才が紹介されていたのですが(もしかしたら、コメントで紹介されている天才も、同じ番組に出ていたかも)、随分苦悩もある様ですね。天才だという先入見を持たれたり。
PCを扱っているなら、ゲームに関しても理解があって良さそうなものですが、何故、ゲーム脳なんか、鵜呑みにするのでしょうね。ちょっと不思議です。
個人情報が特定される様な事は、余り書くべきではありませんね。気を付けた方が良いですね。4・5個のエントリーを読んだだけですが、不用意な記述が目立つ気がします。
ゲーム脳は悩ましいです。森氏を講演会に呼んだりする人は、全く調べていないか、調べた上で、批判を「難癖」と受け取っているか、どちらかでしょうね。
一番難儀なのは、ゲームについて、ある程度知って貰わなければ、信じている人に、ゲーム脳のおかしさを説明しにくい、という事ですね。色々やって貰うのが良いのですが、なかなかそれは…。幸いな事に、周りに、鵜呑みにしている人は、一人もいないのですが、もし信じている人に出会ったら、どう話をすれば良いか…。
投稿: TAKESAN | 2006年12月14日 (木) 00:00