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2006年11月10日 (金)

ロボティクスと合気道、と、掴み方について

合気道をロボット学から科学する

良い論考ですね。低次合気のメカニズムについての、基本ですね。

ところで、「高度な掴み方」について。

普通、手首を掴む場合、全身の筋肉を緊張させて、関節を固定し、相手(つまり、「取り」。技を掛ける側)が動かない様にします。しかしこれだと、リンク先にもある通り、関節の自由度が失われているので、(取りが)力を簡単に伝達する事が出来ます。又、予め、全身的に緊張しているので、取りの力に上手く対応する事が出来ません。エネルギー的にも無駄があります。互いの筋力の差が、それ程無い場合、簡単に技が掛かります(思い切り掴む様に言うのは、この効果を発揮させる為)。勿論、受けの筋力が強大な場合、取りが全く動けない、という事も起こります。結局、力一杯掴むというのは、取りの力の方向に対応出来ない様に、自ら不利な状態にしていまっている、という状況です。

では、どうすれば良いか。それは、「力を抜いて掴む」という事です。勿論、この場合の「掴む」という運動は、取りの腕が動かない様にする、というのが目的(前提条件)ですから、ただ軽く掴むのでは、稽古になりません(簡単に動いてしまう為。その代わり、技そのものが、とても掛かりにくい。軽く掴まれると技がやりにくいのは、そのせいです。その際には、関節を極める等の対処がある訳ですが)。ですから、取りが腕を動かそうとする方向を感知して、それに合わせる様に、筋肉を収縮させる必要があります。つまり、初めから力を込めて掴むのでは無く、取りの力の方向に合わせて「力が入る」様にする、という事です。そしてその為には、(必要な部分――取りの腕を把持する為の前腕の筋肉や、姿勢を維持する筋肉――以外の)筋肉が、予め弛緩している必要があります。掴む方も、「合わせ」を考えなければなりません。

固い稽古(きっちり掴ませた状態から技を掛ける稽古)を行う際、動かない様にしようとする余り、ただ闇雲に、「力一杯掴んで」、という教示が行われる事があります。もう少し、「掴み方」に対する意識も、持った方が良いかと思います。

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