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2006年10月17日 (火)

武術と科学

武術関係の本を読んだり、指導者の発言を聞いたりすると、説明がとても曖昧な場合があります。一言で言えば、「科学的では無い」、という事です。「何故そうするのか」、という問いに、分析的に、適切に答えられる人は、少ないでしょう。殆どは、「こうすると良いらしい」、と、自分の師匠や先輩から言われたり、経験的に何となく感じていたりする事を、根拠にしているでしょう。

言うまでも無く、武術とは、身体運動が大部分を占める現象です。そして、人間の身体は、物理学的・生理学的メカニズムに拠って運動する物体です。それを考慮しないのは、怠慢と言って良いと思います。さすがに、武術の指導者全てがバイオメカニクスを学ぶべきだ、等と言うつもりはありませんが、せめて、科学的な分析を受け容れるとか、そういう姿勢は持つべきではないかな、と考えます。勿論、種目・流派によって、態度は違うでしょうから、武術全てが、というつもりも無いですけれども、総体的に、そういう傾向がある様には感じられます(近代武道を含めるかどうか、という事も考えるべきでしょうが)。

又、「科学的」と謳って、「武術で重要なのは伸筋の力云々」等と言う論者もいますが、これは、違う意味で、問題ですね。人間の複雑な身体運動を、その様な単純な論理で説明しようとする事自体、大分無理があります(ちょっと解剖学を勉強したら、伸筋がどうのこうのと言うのが、荒唐無稽であるのは、直ぐ解るはずなのですが…)。場合によっては、科学的な説明を全く用いない事よりも、問題があるでしょう(伸筋云々を鵜呑みにした人が、解剖学書を読み、「そうか、上腕三頭筋や大腿四頭筋を鍛えれば良いのか」、等と短絡したり)。

月刊『秘伝』誌等を読むと、黒田鉄山師範の動作分析をしていたり、インナーマッスルの重要性についての特集を組んだりして、大分進んできたな、という感じはしますが、実際の指導の現場では、どうなのでしょうね。

参考図書:

武道の科学化と格闘技の本質 Book 武道の科学化と格闘技の本質

著者:高岡 英夫
販売元:恵雅堂出版
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