水伝シリーズを読んで
図書館に行った際、江本勝氏の本を、4冊読みました。実は私、江本氏の本を読んだのは初めてです。部分的な主張を見れば、それがおかしいのは明らかなので、読む必要は無いと考えていたのですが、一体どの様な事が書いてあるのか、興味はあったので、読んでみた次第です。
…いや、想像を絶する凄まじさでした。どこをどう批判していいか判らないくらい、完全におかしい。しかも、科学的である事を重視した、という趣旨の事を、はっきり書いています。さらには、言語の恣意性を完全に否定してしまう様な内容も。言語学者が読めば、呆れ果てるでしょう。「阪神優勝」という文字を水に見せたら美しい結晶が出来た、というのを見た時には、めまいが…。
水伝の様な説は、文化とか、社会とか、そういうものに対する思考を停止させる危険性があります。絶対的に正しい価値があり、それを水が反映する、という主張は、異文化排除の姿勢に結び付き易いのではないでしょうか。
でも、水は音楽を聴いている―心とからだに共鳴する『水の結晶写真・83点』に掲載されている風景写真は、息を呑むほどに綺麗です。何というか、皮肉なものですね…。書いてある事は滅茶苦茶なのに。
| 固定リンク
「科学論」カテゴリの記事
- メタスパイラル(2011.12.14)
- 主観、主観、ただ主観(2011.12.12)
- 公衆衛生(2011.12.07)
- ひとまずまとめ――患者調査において、「宮城県の一部地域及び福島県の全域について調査を行わない」事について(2011.12.06)
- 科学コミュニケーション――科学語での会話(2011.12.04)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント