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2006年9月10日 (日)

過度な依拠

しゅうさんの、しゅう兄さんの臨床心理士的生活-臨床心理学と趣味etcの雑記帳-内、【もはや】猫も杓子も音読計算・・・【宗教のよーな】-を読んで。

興味深いですね。しゅうさんの、

「前頭前野の話や、その活性化の原理はよーくわかりましたが、例えば、患者が『わしはこんな子どもがやるみたいな簡単な計算はやりたくない。もっと、難しい問題に挑戦したい』って言ったらどうするんですか?」(引用者註:文字色は変えてあります)

という質問は、至極常識的で、真っ当なものだと思います。それに対する関係者の答えは、単純な課題でないと効果が出ないので、簡単な音読等をやらせるべき、というものですが、何か、本末転倒と言うか、ちょっとおかしいですね。こういう認識を、関係者が持ってしまっている、というのはどうも…。単純課題が効果的だ、というのは良いのですが、それ以外の事をやらせる必要が無いと考えるのは、違うのではないかと思いますね。

ところで、単純な計算や音読が脳機能を改善させるという説は、神経科学者のコンセンサスを得たものなのでしょうか。それらが前頭前野の血流を促進する、という現象の機序は、明らかになっていない様ですが。

参考文献・サイト:

リンク先に、川島氏の論文があります⇒LBC, COE / 添付論文 / 分担執筆

学習療法研究会のサイト⇒学習療法研究会 ■公式サイト 「学習療法」って、川島氏の登録商標なのですね。

全くどうでも良い事ですが、DS版の脳トレをプレイしている際の脳活動を測定した研究者は、いるのでしょうか。かなり興味があるのですが。

追加:

痴呆を伴う高齢者に対する認知リハビリテーション による介入研究の枠組み

痴呆を伴う高齢者に対する認知リハビリテーション の効果に関する予備的研究

音読・計算課題の遂行とコミュニケーションの要因が老年期痴呆患者に対する影響に関する研究:予備的分析

(↑PDFファイル。しゅうさんにご紹介頂きました)

音読、単純計算、運動、会話などなど、それぞれの前頭前野活動 「はげひげ」の脳的メモ/ウェブリブログ

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コメント

こんにちは。

笑いごとじゃないんだけど,笑ってしまいました。
手段と目的が逆転した典型例ですね。
患者が難しい問題に挑戦する意欲を持ったなら,簡単な問題は卒業して,次のステージに移行するべきですね。

「テストを続けること」が目的となっていることと,「公文式」をあわせてみると,長きに渡って教材を消費して貰うのが目的で,卒業されては困る事情があるような気がします(笑)

「脳年齢」はエンターテイメントの枠に収まっているのでたいした問題ではないと思ってましたが,教育現場に関わってくるとなると,ちょっと考えなくちゃいけませんね。

投稿: A-WING | 2006年9月10日 (日) 13:10

A-WINGさん、今日は。

方法に拘っているというか、囚われてしまっている感じがします。そもそも、その方法自体に、どの程度の科学的根拠があるか、疑問もありますし。川島氏は、「実証された」と仰っていますが。
しゅうさんのブログに、興味深いコメントがありますね。伝聞なので、信憑性は、何とも言えませんけれど。

投稿: TAKESAN | 2006年9月10日 (日) 17:26

TBありがとうございます。

音読・計算の認知症予防効果についての、川島氏以外の研究って、そう多くないんですけど、立命館大学心理学科の研究チームが、いろいろやってるようです。立命館大学の紀要に掲載されています(ネット上でPDFで閲覧可能)。

そこを見てみると、音読・計算そのものの効果よりも、その課題遂行時に行われる援助者との相互交流(会話とか)のほうにむしろ認知症予防の効果があるような結果が出ていました。

投稿: しゅう | 2006年9月10日 (日) 21:21

しゅうさん、初めまして。

資料のご紹介、有難うございます。早速調べてみますね。

 >そこを見てみると、音読・計算そのものの効
 >果よりも、その課題遂行時に行われる援助者
 >との相互交流(会話とか)のほうにむしろ認
 >知症予防の効果があるような結果が出ていま
 >した。
成る程。興味深いですね。

投稿: TAKESAN | 2006年9月10日 (日) 21:41

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