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2006年3月11日 (土)

森昭雄氏の講演会(6)

川端裕人さんが、ブログで紹介されていたのですが、三崎尚人さんの、同人誌生活文化総合研究所にて、森氏の講演会について、詳細に纏められています⇒森昭雄日大教授講演会「テレビゲームと子どもの脳」

講演の内容は、概ね、森氏の著作に書かれてある事や、インタビューでの回答と同様です。

読書してるときは、脳は非常に働く。携帯メールをしているときは働かない。まんがを読んでも働かない。歴史まんか(引用者註:原文ママ)のようにものを覚えるようなものは働く。(強調引用者)

等という事を仰ったのですね。自身で、自説に反証している様なものです。そもそも歴史漫画というのは、「ものを覚えるようなもの」なのですかね。それ以外の漫画は、「ものを覚えるようなものでは無い」、という事なのでしょうか。

漢字が書けなくなる原因は、長時間のパソコン、ケータイでのメール打ち込み、コンピュータゲームで会話時間が減少し、言語能力が低下しているから。

西洋人にはパソコンは大いにいい。日本人は確実に漢字を忘れる。

漢字が書けなくなるのは、一般的には、「漢字を憶える気が無いから」だと考えられます。そもそも漢字を書けなければならないのか、という考えもある訳です。手書きをする機会が減り、コンピュータの変換機能を使っていて、漢字を書く必要性自体が少なくなっているのですから、漢字を書けない人が増えるのは、ある意味で、「当たり前」の事です。これを、「言語能力が低下」と言えるか、というのは、又別の問題です。当然、調査がそもそも妥当であったか、という問題もありますが。「西洋人にはパソコンは大いにいい。日本人は確実に漢字を忘れる。」という部分は、森氏の(「日本人は、沢山漢字を憶えるべきである」という)価値観を反映しています。「西洋人にはパソコンは大いにいい。」という部分は、おかしいですね。コンテンツに関係無く、ディスプレイを用いる事が良くない、というのが、森氏の主張であった筈ですが。

韓国で200時間や86時間や56時間でゲームやりつつづけて死んだ例もある。これは、前頭前野の働きが悪くて抑制がきかないから。

これ程長時間、ゲームをやり続ける人間が、どれ程いるのか、という事が、疑問です。「抑制がきかない」ならば、その様な人が、かなりの割合で見出される筈ですが、その事についての言及はない様です(著作でも、見た事はありません)。それから、死因についても言及されていません(新聞記事を読んだ事はあるのですが、詳細は憶えていません)。本当に、200時間続けてプレイしたか、どの程度休憩したか、等の疑問もあります。50時間ゲームをしろ、と言われても、難しいな、というのが、個人的な感想です。

朝から晩までメールをしている女子高生は朝ご飯・前の日の晩ご飯覚えていない(原文ママ)。

認知症と一緒。

そもそも、本日の朝食・前日の夕食のメニューを憶えている人が、どれ程いるでしょう。少なくとも私は、毎日は憶えていません。理由は、「そんな事を憶える必要が全く無い」からです。その様な記憶は、食事(や料理)に対する興味・関心によって、変わるものだと思われます。自分で料理を作る人は、比較的憶えが良い(忘れにくい)、という気もします。私も、自分で作った場合は、結構記憶しているものです。認知症の人が食事のメニューを憶えていない事は、食事のメニューを憶えていない人が認知症である、という事を、意味していません。ところで、皆さんは、昨日の夕食のメニュー、憶えていらっしゃいますか?

川端裕人さんの出された質問に対しての、森氏の回答について。

川端さんの質問に対して、正面から答えておられません。ゲーム会社との関連を仄めかす発言などは、とても問題です。京大や任天堂に対する誹謗です。川端さんは、少年犯罪が激増していない事を指摘されたのに、森氏は、「私は日本人として子どもがおかしいのを憂えている。逆にあなたの方がおかしいのではないかと思う。」と、論点をずらして回答されています。川端さんに、「あなたこそ日本人として非常に恥ずかしい。」と、文字通り(一字一句違わず)発言されたかは判りませんが(録音は禁止だったそうです)、この様な趣旨の事を言われたというのは、あきらかに、筋違いです。川端さんは、論理的な反論に対して開かれている質問をされたのです。森氏は、それに、感情的に応酬した事になります。科学者としては、宜しくない態度です。

レジュメ(の一部分)について。

明らかに、ゲームに対するネガティブな印象付けを行っています。

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