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2006年3月10日 (金)

森昭雄氏の講演会(5)

リヴァイアさん、日々のわざ: 「わたしも検索をしていただきたい」と主催者は言った(世田谷区のゲーム脳講演リポート3)を読んで。

川端さんが仰る様に、世田谷区健康づくり課の課長が、検索をして云々と言われたのは、一定の効果があったのではないかと考えます。講演を主催した側の人間が、その様な事を発言する、という事は、一般的には、余り無い事だと思いますので、聴衆の印象に残ったのではないでしょうか。

「カルト的」であったかどうか、ですが、これは、実際に聴講された方がどう実感したか、という事ですので、当然、推測も出来ません。森氏を支持している人が、森氏に対してどの様な感情を持っているか、という事も、解りません(森氏を支持している人に、森氏への反論を聞かせ、その反応を見れば、ある程度は解るのでしょうけれど)。仮に、森氏の論に対し、信奉に近い感情を持った人がいるとしても、講演会にどの位いたか、などという事は、知りようがありません。

・fumi_oさんの、Not My Cup of Tea内、3/6の「ゲーム脳 講演会」の感想3/6の「ゲーム脳 講演会」の感想:続きを読んで。

講演会に参加された方のレポートです。

(3月8日分)こちらには、(開催にあたって)主催者側も揉めた、という事が書かれています。揉めたのが、川端さん等からの抗議を受けた後か、講演会の企画の段階かは定かではありませんが、この事は(揉めたという事)、賛否両論あった事を意味しています。誰が企画して、森氏を招こうと提案したか、というのが、興味深い所です。

気になったのは、fumi_oさんが聞かれたという、他の聴講者の、

「息子に止めなさいといっても聞かないから、森教授の「ゲーム脳」を口実に使って、脳に色が*1つかなくなるのよ!って説得するの」

という発言です。何度も書きますが、ゲームをやらせないために、科学的に検証が充分で無い論を、口実として用いるのは、絶対にやるべきではありません。これは、ゲームを開発する人達、ゲームを愛好する人達を、不当に貶める事であるからです。子どもの頃感じた(別に、子どもの頃とは限りませんが)、「恐怖心」や、「嫌悪感」を、思い出すと良いと思います。大人から、「あれは悪い事だ。」、「○○になるぞ(○○の部分には、”馬鹿”とか、”頭が悪くなる”とか、ネガティブなイメージの語が入ります)」と教えられたものに対し、「怖い」とか、「嫌い」という印象を持ちます。そしてその印象が、それに「関わる人」にまで一般化される可能性が、ありえます。「自分が嫌いな物事を好きな人を、嫌いになる」、という事です。そういう印象を形成した人から、不当に貶される事が、どれ程恐ろしいか…。元々ゲームを好きだった人が、この様な論に触れて、「自分はいけない事をしているのではないか?」、と、苦しむ事もあるでしょう。これらは、とても重大な問題です。

「拍手喝采」というのは、川端さんのブログにも、ゲイムマンさんのブログにも、書かれていましたが、森氏の発言の、どの部分に共感して拍手したのか、という事も考えるべきかな、とも思います。「今の子ども達は乱れている」と、確信している人にとっては、森氏の主張は、目から鱗を落とさせるものだったのかも知れません。問題は、「今の子どもは本当に乱れているのか?」という事なのですが、(乱れていると)確信している人にとっては、そこに目を向けるのは、難しいのかも知れません。

(3月9日分)聴講された方(の一部)の感想が書かれています。

ただあの後、一緒に行った保育仲間と講演会の内容についておしゃべりした時に、皆が一致した意見は、電極をたくさんつけられた子どもや色つきの脳を見せられたりして、科学的かな?と思って聞いていたのに、最後の質問の答えって全然科学的じゃない根拠の無い説明だった。途中眠くなっちゃったし、最初の部分と最後の質疑応答部分だけで良かった。

これは、森氏のプレゼンテーションに対して、どの様に感じたか、という事を知る上で、とても興味深いものだと思います。やはり、実際に話を聞いた人の感想は、貴重です。当たり前ですが、色々な感想を持つ人がいるでしょう。講演の後、アンケートでも取ればよかったのではないか、と思います。そうすれば、どれ位の人が、どの様な感想を持ったか、という事が、ある程度解りますから。2006年3月30日追記:川端裕人さんのブログによると、アンケートはあった様ですね。又、動画撮影も行われていたそうです⇒リヴァイアさん、日々のわざ: ゲーム脳講演をめぐって、区との意見交換・要望をしてきた

前段の話(チラシの貼ってある場所の話)については、どういう考えで、その場所に貼ったのだろう、という事を思いました。

個人的に気になるのは、子どもがゲームをやる事を不安がる養育者の中に、ゲームをやる人がどの位いるか、という事です。自分でやってみて、ここが良くない、これが問題だ、と、認識した上で、不安に思っているのでしょうか。ゲームそのものを知ろうともせずに、「ゲーム脳」等の、インパクトが大きく、解りやすい(「ゲームは脳を壊すのだ」という論理は、とても解り易いです。それは、単純であるが故に解り易いのですが。)概念に頼って、ちゃんと考えずに済まそうとはしていないでしょうか。「ゲーム脳」等を支持するという事は、特定の文化を批判する事です。それを、しっかりと認識すべきだと考えます。

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